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「新型コロナの影響で失業した」「感染して働けない」そんなときに家計を助ける制度とは

ファイナンシャルフィールド / 2020年5月7日 23時15分

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新型コロナウイルスの感染拡大により、自宅待機などで収入が大幅に減って、生活が困窮するケースが出ています。   執筆時点で、政府は、低所得者世帯などに1世帯あたり30万円を給付する方針を取りやめ、一律10万円を現金給付することを検討していますが、実際の給付は早くても5月になりそうです。まずは、会社を休むときに利用しやすい制度を紹介します。  

緊急小口資金・総合支援資金

新型コロナウイルス感染症の影響による休業や失業等により、生活資金に困った方に対し社会福祉協議会が生活資金等の特例貸付を実施しています。
 
あくまで貸し付けであって、給付ではない点は注意しましょう。ただし、「償還時において、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還(返済)を免除することができる」とされていますので知っておきましょう。
 
今回の特例貸付には「緊急小口資金」と「総合支援資金」があります。
 
緊急小口資金は、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯が対象となります。 総合支援資金(生活支援費)は、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯が対象となります。
 
なお、総合支援資金の貸付にあたっては、原則として、自立相談支援事業などによる継続支援を受けることが要件となっています。
 
「緊急小口資金」からは 10 万円以内の貸付を受けることができます。小学校等の休業等の影響を受けた世帯等に対しては特例として 20 万円以内の貸付を受けることができます。返還猶予期間は最長1年。返還期間は2年以内です。
 
「総合支援資金(生活支援費)」からは、2人以上の世帯では月 20 万円以内、単身世帯は月15 万円以内の貸付を、原則3ヶ月以内の期間受けることができます。返還猶予期間は最長1年以内、返還期間は10年以内です。
 
両貸付金ともに無利子、保証人不要で利用できます。

住居確保給付金

住居確保給付金は、離職等が原因で家賃が払えなくなった場合に、原則3ヶ月間、(就職活動を誠実に行っている場合は3ヶ月延長可能。最長9ヶ月まで)家賃に相当する金額を支給し、生活への復帰支援を行う制度です。
 
支給額は自治体により異なり、東京都特別区場合、単身世帯は5万3700円、2人世帯は6万4000円、3人世帯は6万9800円となっています。支給方法は大家等への代理納付です。 
 
今回、対象を「給与等を得る機会が当該個人の責に帰すべき理由・当該個人の都合によらないで減少し、離職や廃業と同程度の状況にある者」にも拡大しましたので、離職等していなくとも利用できます。また、年齢制限や求職活動の面談要件等も撤廃・緩和されています。
 
支給を受けるには、「収入要件」「資産要件」「就職活動要件」などの一定の基準が設けられていますが、基準は自治体によって異なります。自治体の生活困窮者自立相談支援機関が相談窓口です。

傷病手当金

新型コロナウイルス感染症に感染し、その療養のために働くことができず給与が支払われない場合、健康保険から傷病手当金を受け取ることが可能です。
 
「自覚症状はないが、検査の結果「新型コロナウイルス陽性」と判定を受け入院している場合」や「発熱などの自覚症状があり、療養のために仕事を休んでいる場合」なども傷病手当金の対象となり得ます。
 
療養のために働くことができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12ヶ月の平均の標準報酬日額の3分の2に相当する金額が、傷病手当金として支給されます。支給期間は支給開始日から1年6ヶ月の範囲内です。1年6ヶ月の間に症状が回復して出勤した期間があっても1年6ヶ月を超えて支給されることはありません。
 
支給要件の詳細や具体的な手続きについては、加入している健康保険の保険者にご確認ください。

休業手当

「使用者の責めに帰すべき事由」で労働者を休業させた場合、労働者の最低限の生活の保障を図るため、会社は、休業期間中に休業手当(平均賃金の6割以上)を支払わなければならないとされています(労働基準法26条)。
 
なお、使用者が、法律の規定に違反して、解雇予告手当、休業手当、時間外労働の割増賃金を支払わなかった場合、裁判所は、労働者の請求に基づいて、未払い金のほか「これと同一額の付加金」の支払いを命じることができる、とされています(労働基準法114条)。
 
つまり、労働者は最大で、未払いとなっている金額の倍額の支払いを受けられることになります。
 
資金繰りの悪化で事業主は休業手当を払えないかもしれません。休業手当の助成として事業主に対し雇用調整助成金が用意されていますので活用すると良いでしょう。
 
では、新型コロナウイルス感染症により休業する場合、「使用者の責めに帰すべき事由」(使用者の責任)による休業となるのでしょうか。
 
厚生労働省の資料によると、「新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合」や「発熱等の症状があるため労働者が自主的に会社を休む場合」は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと例示されています。
 
他方、「会社が、発熱などの症状があるという理由だけで、労働者に一律に仕事を休ませる措置をとる場合」や「会社が、「帰国者」や新型コロナウイルス感染者との「接触者」 である労働者について、労働者が「帰国者・接触者相談センター」に相談した結果、職務の継続が可能と言われたにもかかわらず、会社の判断により休ませる場合」を休業手当の支払いが必要となる主な例として示しています。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー

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