保険加入直後に入院! そんな場合は、保険金が受け取れないって本当!?
ファイナンシャルフィールド / 2020年6月22日 23時0分
保険に加入していて、保険金が受け取れるはずの病気にかかったのに、実際には保険金を受け取ることができないというケースがあるのをご存じでしょうか。病気の発覚が保険加入直後だった場合などもその一例です。詳しく解説します。
「保険」に加入したのに「保障」が始まっていない期間がある
Aさんは、知人でがんを患う人が増えてきたことから、自分ももしかしたらと不安になり、がん保険に加入しました。その2ヶ月後、検診で初期のがんが見つかりました。
Aさんは、さっそく保険金請求の手続きを始めようと保険会社に連絡しますが、そこで「今回は保険金の支給対象にならない」と告げられショックを受けます。
これはどういうことなのかというと、保険の中には、「保険加入から一定の期間内に病気が発覚した場合は保険金を支給しない」として、その期間を定めているものがあります。
保険には入っているけれども、まだ保障はスタートしていないこの期間は「免責(めんせき)期間」や「待機(たいき)期間」と呼ばれ、がん保険の場合は90日間とされていることが多いようです。Aさんのように加入から2ヶ月後に判明したような場合は、対象になりません(※1)。
こうしたことを意識しないまま保険の加入や見直しをしてしまうと、いざというときに困ってしまうかもしれません。
免責期間はなぜ存在する?
一見、保険加入者にとって損のようなこの規定は、なぜ存在するのでしょうか。
保険というものは、多くの人(契約者)がお金(保険料)を出し合います。お金を出した人の中から病気やケガなど、お金が必要な状況(保険支払事由に相当)になった人が現れたときに、集まっているお金をもとに保険金が支給されるという「相互扶助」が基本になっています。
例えば、がんの場合、胸にしこりがあるなど自覚症状がある人が、病院に駆け込む直前に保険に加入して保険金が支払われると、それまで健康で何年も保険料を納め続けてきた人とのあいだで不公平が生まれます。
そのようなことが頻繁に発生すると、保険会社としては、「保険料として集まるお金」と「保険金として出ていくお金」のバランスが取れず、その保険の運営を継続することが難しくなってしまいます。
そういったことから、一定の待機期間を設けて、症状がある状態での加入をある程度防ぐようにしているのです。
「免責」で気を付けるべきこと
■保険見直しの際は注意
保険を見直すときは、前の契約を解約する前に、新しい保険の保障が始まっていることを確認してから乗り換えることが大切です。
前の契約は解約済み、次の保険はまだ保障開始前、そんなタイミングで病気やケガが発生してしまったら保険金はどちらからも受け取ることができず、発覚した病気によっては新しい保険への加入を断られてしまうこともあります。
免責期間がない保険もありますので、自分の入ろうとしている保険はどうなのかよく確認して加入するようにしましょう。
■「期間」以外の免責事項にも要注意
保険会社がその責を免れる「免責」事項は、今回紹介したものだけではありません。
例えば、がん保険なら医師に「がん」と言われて請求したら、「悪性新生物」ではなく「上皮内新生物」だったため保険金が出ない、もしくは保険金が少額になってしまうケース。
入院したから保険金が出ると思っていたら入院日数が多すぎ、もしくは少なすぎて対象外になるケースなど、保険金を思ったより受け取れない場合はさまざまです(※2)。
自動車保険や火災保険にも免責はあります。どんなときに保険金がもらえないのかは、その内容は保険契約時に渡される「約款(やっかん)」に必ず記載されています。
保険に加入するときは、免責の条件も確認しておこう
保険に加入するときは、もらえる保険金や支払う保険料の金額ばかりに目が行きがちですが、実際に病気になってしまったときはこうした「免責」も重要になってくることがあります。
いつから保障がスタートし、保険金を受け取れる状態になるのか、ほかの免責事項とあわせて、加入時に確認しておくと安心です。
(※1)
ジブラルタ生命「保険金・給付金のお支払い事例」
オリックス生命保険「がん保険責任開始日」
ライフネット生命「生命保険用語集」「がん保険責任開始日」
(※2)アフラック「Q&A」Q1.保障の対象にならないものはありますか?/Q9.入院日数には制限がありますか?/Q.11手術給付金の対象とならない手術はありますか?
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表
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