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テレワーク中のトイレ離席後、作業用椅子に座ろうとして転倒…これって労災になる?ならない?

ファイナンシャルフィールド / 2020年6月23日 23時10分

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働き方改革によって、多様な働き方が推進されるようになりました。さらに新型コロナウイルス感染症拡大により、緊急事態宣言が発令されたことにより、テレワークを導入した事業所が多いことと思われます。   しかし自宅で仕事をしている時のケガや病気は、業務災害として認められるのでしょうか。

労働者災害補償保険(労災保険)とは?

労災保険とは、「業務上」の事由または「通勤」による労働者の負傷、疾病、障害または死亡に対して、労働者やその遺族のために、必要な保険給付を行う制度です。事業主は労働者を1人でも雇っていれば、労災保険の強制適用事業となります。
 
労災保険の対象となる労働者は労働基準法に該当する人で、正規労働者だけでなく、パートやアルバイト、外国人も含めて適用されます。
 
業務災害とは、労働者が業務上の原因による負傷、疾病、障害または死亡のことをいいます。労働者は業務災害によって休業した場合、労災保険により所得を保障されます。
 
ただし休業1日目から3日目は待機期間のため、保険は給付されません。そのため、事業主が労働基準法に基づく休業補償を行う必要があり、労働者に支払う義務があります。
 
業務災害として認定されるには「業務遂行性」と「業務起因性」を満たすことが必要です。
 
・業務遂行性・・・労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にあること
・業務起因性・・・ケガや病気が業務に起因して発生したものであること(事業主の支配下にある状態に伴って危険が現実化したものと経験則上認められること)
 
通勤災害は、労働者の通勤による負傷、疾病、障害または死亡のことをいいます。労働者の通勤に伴う災害によって休業した場合、労災保険によって保険給付があります。
 
ただし休業1日目から3日目は待機期間のため保険給付はありません。待機期間について、通勤災害は事業主が休業補償する義務はありません。
 
通勤災害として認定されるには、「就業に関し」て、「合理的な経路及び方法」によるもので、「業務の性質を有するものを除く」とされています。通勤途中において、友人とお茶する、飲み会に参加するなどの行為は逸脱または中断したものとされ、その後の移動は通勤となりません。
 
ただし、「日常生活上必要な行為」であって、厚生労働省令で定めるやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、逸脱または中断の間を除き「通勤」となります。

なぜ労災保険が必要なのか?

労災保険は雇用保険や健康保険、厚生年金保険と大きく違うところがあります。労災保険料は全額、事業主負担となっています。事業主には労災を防止するため、労働者が安全に働けるよう、安全配慮義務があるからです。
 
事業主は労災保険に加入することで、労働者に災害があった場合、労災保険の給付を受けることによって事業主は労働基準法上の補償責任を免れるのです。万が一、労災保険に加入していなかったらどうなるのでしょうか?
 
事業主は、ケガや病気の治療に必要な療養費を補償しなければなりません。さらに、ケガや病気が治るまで業務ができないので、休業補償を支払わなければなりません。たとえ労働者のケガや病気が治った(症状が固定した場合を含む)としても、重い障害が残った場合、障害補償する必要があります。
 
ケガや病気だけではありません。業務上の原因または通勤により、万が一労働者が亡くなった場合、遺された遺族の生活を保障する必要があります。労災保険に加入していない場合、これらすべてを事業主が補償することになります。

テレワーク(※)の場合は?

働き方改革により多様な働き方の1つでもあるテレワークですが、自宅で仕事をする場合、業務上のケガや病気は労災として認められるのでしょうか?厚生労働省の「テレワーク導入のための労務管理等Q&A集」に具体例が掲載されています。
 
<事例>
自宅で所定労働時間にパソコン業務を行っていたが、トイレに行くため作業場所を離席した後、作業場所に戻り椅子に座ろうとして転倒した事例です。これは、業務行為に付随する行為に起因して災害が発生しており、私的行為によるものとも認められないため、業務災害と認定されたケースです。
 
(※)テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです(一般社団法人テレワーク協会ホームページより)。

まとめ

通勤災害についても、労働者が就業に関し、住居と就業の場所の往復等を合理的な経路及び方法で行うことによっての災害であれば、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務など、通勤災害が認められる場合も考えられます。
 
働き方改革により多様な働き方が広がる中、テレワークは在宅勤務だけでなく、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務など、さまざまなケースが想定されます。
 
通常に勤務する労働者と同様に労災保険が適用されるには、業務上であれば、「業務遂行性」と「業務起因性」の2つの要件を満たさなければなりません。
 
テレワーク中であっても、私的行為が原因であれば、業務災害として認められません。業務上として認められるには、業務と私的行為の区別をきちんと明確に分けることが重要です。
 
執筆者:三藤桂子
社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、三藤FP社会保険労務士事務所 代表、FP相談ねっと認定FP、公的保険アドバイザー、相続診断士

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