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定年退職後の働き方と社会保険の留意点について

ファイナンシャルフィールド / 2020年7月2日 8時30分

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人生100年時代。定年退職したら年金をもらいながら、孫の面倒をみて隠居生活を送るという人は、ひと昔前のように多くはありません。60歳で定年しても働き続ける人が増えているのです。その理由は、年金は60歳から満額で受けとることはできないからです。   つまり、昭和36年4月2日以後生まれの男性、昭和41年4月2日以後生まれの女性は、年金の受給開始年齢が、老齢基礎年金・老齢厚生年金ともに65歳からになるのです。したがって、60歳までに貯蓄がないと、働いて老後資金を稼がないといけないのが現実なのです。   企業に長く勤めている会社員の場合、60歳になったときが働き方を変える1つの分岐点。そして、年金受給開始される65歳がもう1つの分岐点になります。   本稿では、このような分岐点で、みなさんはどのような働き方をしているのかを確認してみたいと思います。併せて、会社を退職するなど雇用形態が変わったときに、注意しなければいけない社会保険に関しての留意点について見ていきたいと思います。

人生の分岐点での働き方

1.60歳での働き方

厚生労働省「高年齢者の雇用状況」集計結果(平成26年)によれば、過去1年間の60歳定年企業における定年到達者約34万人の働き方は次のとおりです。
 
(1)継続雇用者81.4%
(2)継続雇用を希望しない定年退職者18.3%
(3)継続雇用を希望したが継続雇用されなかった者0.3%
 
このように、8割の人が継続雇用、つまり60歳以降も働き続けています。継続雇用を希望しなかった理由として、男性は、再雇用勤務延長後の賃金が理由と答えた人が28.5%と最も高く、続いて、他の会社に転職したかったが24.2%、趣味やボランティアをしたかったが17.0%。
 
女性では、健康上の理由、そして趣味やボランティアをやりたかったと答えた人が、ともに34.4%と最も高く、家族などの介護のためが18.8%となっています。

2.65歳以上の働き方

65〜69歳では、なんらかの形で就業している人が43.8%、70〜74歳では28.4%、65歳以上では23.9%となっています。当然かもしれませんが、年齢が上がるほど就業率が減少していきます。
 
65歳以上で「就業あり」の人の理由を見ると、「生活にどうしても必要だから」が46.1%となっています。次いで「生活の足しになるから」が男性で22.9%です。同じく「就業なし」の人の理由を見ると、「働くことができないため」が最も高く、57.9%となっています。
 

会社を退職したときの社会保険について

60歳もしくは65歳で今までと同様の雇用形態、労働条件であれば、社会保険の加入状況は継続されますが、雇用形態が変わると取り扱いが変わってきますので注意が必要です。
 
厚生年金保険や健康保険といった社会保険の加入条件として、従業員501人以上の会社で週20時間以上、従業員500人以下の会社では、労使で合意などが必要です。つまり、アルバイトやパートなどで週2日・16時間といった働き方では、社会保険に加入できません。
 
社会保険に加入しないと、将来もらえる年金受給額の積み増しができなかったり、病気や手術を行った際の各種手当が変わってきたりします。
 
したがって、働き方を変えて雇用形態を変更する場合には、社会保険がどのように変わるのかを勤務先の担当部署によく確認しておくと良いでしょう。
 
(参考文献)
厚生労働省「高年齢者の雇用・就業の現状と課題Ⅱ 4.高年齢者の継続雇用の現状と課題」(平成26年)
e-Stat「年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)平成29年 調査結果の概要」(PDF)
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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