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持ち家志向が上昇中? ライフスタイルと家の関係

ファイナンシャルフィールド / 2020年8月2日 1時20分

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コロナの影響で外出自粛の生活が続きました。ゆっくり家で過ごす時間に、あらためて「家」やライフプランについて家族で話す家庭が増えたようです。昨今の「家」には、ただ単に暮らす場所だけではない価値を求められています。

30代の購入が増加の理由

毎日新聞・経済プレミア「コロナ禍でどうなる? 20~30代の『持ち家志向』」(2020年6月22日)の中に、気になるデータを見つけました。
 
総務省「家計調査(2人以上・勤労者世帯)」で年代別の持ち家率を見ると、40代以上では持ち家率は約20年間ほぼ変化が見られないが、29歳以下では 02年の18%から19年は33%に、30代では48%から66%と大きく伸びたというのです。
 
またローンを抱える29歳以下の人の平均残高は、 02年の602万円から19年は1698万円に増えたそうです。
 
確かに30代前半のご夫婦から、住宅資金の相談を受けることが増えたという実感があります。共働きでペアローンを組むケースが一般的です。低金利が続き住宅ローン減税や、時には親からの住宅取得資金の贈与のメリットを受けられることも追い風になっているようです。
 
車のカーシェアリングやサブスクリプションサービスに代表されるように、モノを「所有する」から「利用する」時代になったといわれています。所有することにこだわらないのなら、家も賃貸で良いのでは? と思うのですが、所有する理由は家を資産と捉えていることにありそうです。
 
話を聞くと、将来売却することが視野に入っていますので、物件選びでは「駅近で資産価値の下がりにくい」が優先事項です。共働きで世帯収入は多いので、少々物件価格が高額になっても返済できるという自信から、借入金額は増加しています。

物件選びの優先順位

70歳代の方から「かつての憧れのマイホームが“負”動産になってしまった」という相談を受けることがあります。
 
郊外の一戸建て、敷地面積も十分あり家屋のメンテナンスも施してきたのに、売却できないという内容です。査定を依頼すると、愛着のあるわが家が思いもよらない値段になってしまっていて、がく然とした例は少なくありません。
 
購入当時は少々通勤が不便でも、庭付きでゆったりとした家で子育てしたいという希望がありました。
 
ところが都心の好立地な場所にマンションが増えると、「少々通勤が不便」が大きなネックとなってしまったのです。共働きが普通のライフスタイルになった今、会社の近くに住む「職住近接」という言葉もあります。
 
今回のコロナの影響で、多くの人が在宅勤務を強いられました。当初は戸惑いもありましたが、慣れると、今後もある程度は在宅勤務を続けたいという希望者は多いようです。
 
もともとテレワークを推進する動きがありましたので、加速された格好です。業種にもよりますが、すでに出社の必要がないと判断した企業もあり、そうなると「職住近接」というよりは、「家」は“暮らす場所”兼“仕事場所”としての役割を求められます。
 
先日、住宅購入のご相談でいらしたご夫婦は3人家族です。在宅勤務が増えることを考慮すると、夫婦それぞれの仕事スペースが必要なので4LDKを希望されていました。このように今後は、優先順位が広さや間取り重視にシフトすることが考えられます。
 
自分の理想とするライフスタイルが「家」と密接であることは確実ですが、この理想は時代や状況とともに変化していきます。時代が加速度的に変化することも念頭に置き、柔軟に動ける準備をしておくことも必要だと思います。
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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