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令和2年分の年末調整が大きく変わる! 家計にも影響を及ぼす改正点とは?

ファイナンシャルフィールド / 2020年10月4日 23時0分

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令和2年分の年末調整の内容が大きく変わります。各種控除額の見直し、ひとり親控除の創設などです。
 
年末調整は勤務先で行ってくれるので所得税の仕組みに無頓着な方は多いと思います。改正事項は、家計にも影響をおよぼしますので、知っておくことは大切です。年末調整の主な改正点を確認し、今から準備しましょう。

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所得税の仕組み

給与所得者の場合、次のようにして所得税を計算します。
 
(1)給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて、給与所得の金額を算出します。
(2)給与所得の金額から所得控除額を差し引いて、課税所得金額を算出します。
(3)この課税所得金額に所得税の税率(5~45%)を適用し、所得税額を算出します。
 
所得控除は、所得税額を計算するときに各納税者の個人的事情を加味するものです。給与収入が同じ人でも、所得控除の多寡によって所得税は大きく異なります。所得控除をフル活用することが節税に役立ちます。

基礎控除の改正

基礎控除は、ほかの所得控除のように一定の要件に該当する場合に控除するというものではなく、一律に適用されます。従来、基礎控除の金額は38万円でしたが、令和2年分の所得税から以下のように改正されます。
 
合計所得金額が2400万円以下の人は48万円に引き上げられます。これに対して、合計所得金額が2400万円超2450万円以下の人は32万円、2450万円超2500万円以下の人は16万円に引き下げられ、2500万円超の人は0円、つまり控除が適用されません。

給与所得控除の引き下げ

給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出しますが、令和2年分から一律10万円引き下げられています。給与所得控除の上限額も従来の「給与等の収入金額1000万円超で220万円」から「850万円超で195万円」に引き下げられています。
 
ただし、23歳未満の者を扶養する子育て世帯や、特別障害者である扶養親族等を有する介護世帯等は、増税にならない調整があります。

配偶者控除等の改正

納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の配偶者控除(所得控除)が受けられます。控除額は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額、および控除対象配偶者の年齢により決まります。
 
改正により、同一生計配偶者・扶養親族の合計所得金額要件等を、38万以下から48万円以下に10万円引き上げられました。その他、源泉控除対象配偶者も85万円以下から95万円以下、勤労学生も65万円以下から75万円以下に10万円引き上がられました。

配偶者特別控除等の改正

配偶者控除の適用がない方で、納税者本人の合計所得金額が1000万円以下の場合、最大38万円の配偶者特別控除を受けることができます。控除額は、納税者本人の合計所得金額と配偶者の合計所得金額に応じて決まります。
 
改正により、配偶者の合計所得金額が10万円引き上げられ、令和2年分以降、39万円超123万円以下から48万円超133万円以下になります。
 
たとえば、納税者本人の合計所得金額が900万円以下の場合、配偶者の合計所得金額が48万円超95万円以下の控除額は38万円、130万円超133万円以下では3万円です。

所得金額調整控除の創設

その年の給与等の収入金額が850万円を超える居住者で、次に該当する人の総所得金額を計算する場合、給与等の収入金額(その給与等の収入金額が1000万円を超える場合には1000万円)から850万円を控除した金額の10%に相当する金額を、給与所得の金額から控除することとされました。
 
・特別障害者に該当するもの
・年齢23歳未満の扶養親族を有するもの
・特別障害者である同一生計配偶者もしくは扶養親族を有するもの

給与所得および公的年金等の雑所得のある人に対する所得金額調整控除

その年の給与所得控除後の給与等の金額および公的年金等に係る雑所得の金額がある人で、給与所得控除後の給与等の金額および公的年金等に係る雑所得の金額の合計額が10万円を超える場合、給与所得控除後の給与等の金額(給与所得控除後の給与等の金額が10万円を超える場合には10万円)および公的年金等に係る雑所得の金額(公的年金等に係る雑所得の金額が10万円を超える場合には10万円)の合計額から10万円を控除した残額を、給与所得の金額から控除することとされました。

寡婦(寡夫)控除の見直し

寡婦(寡夫)控除が見直され、特別の寡婦控除(35万円)と寡夫控除は廃止されました。改正後の「寡婦」とは、次に掲げる人でひとり親に該当しないものをいいます。控除額は27万円です。
 
(1) 夫と離婚した後婚姻をしていない人で、次に掲げる要件のいずれにも該当する人。
イ 扶養親族を有すること
ロ 合計所得金額が500万円以下であること
ハ その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと
 
(2) 夫と死別した後婚姻をしていない者または夫の生死の明らかでない一定の人で、次に掲げる要件のいずれにも該当する人。
イ 合計所得金額が500万円以下であること
ロ その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと

ひとり親控除の創設

ひとり親とは、現に婚姻をしていない者または配偶者の生死の明らかでない人で、次に掲げる要件のいずれにも該当する人をいいます。該当した場合のひとり親控除額は35万円です。
 
(1)その者と生計を一にする子(他の者の同一生計配偶者または扶養親族とされている者を除き、その年分の総所得金額、退職所得金額および山林所得金額の合計額が48万円以下のものに限る)を有すること。
(2)合計所得金額が500万円以下であること。
(3)その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと。
 
なお、改正前は「寡夫」または「特別の寡婦」に該当していた方の場合、上記要件のうち、(3)以外の要件は満たしていますので、上記(3)の要件を満たせば「ひとり親」に該当することとなります。

公的年金控除等の引き下げ

公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を差し引いて、公的年金等の雑所得を算出します。
 
改正により、
(1)公的年金等控除額は一律10万円引き下げられることとなりました。
この改正により公的年金等の控除額の最低額は、年齢65歳未満は60万円(改正前70万円)、65歳以上は110万円(改正前120万円)となりました。
 
(2)また、改正後は公的年金等の収入が1000万円超の場合、195万5000円の上限が設けられました。
(3)さらに、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が、1000万円を超え2000万円以下である場合には一律10万円を、2000万円を超える場合には一律20万円を、それぞれ上記(1)および(2)の見直し後の公的年金等控除額から引き下げることとされました。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー

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