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8050問題に対応する改正社会福祉法が成立。8050問題って何?

ファイナンシャルフィールド / 2020年11月15日 9時10分

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中高年のひきこもりが問題になっています。社会で孤立した世帯では、ネグレクトによる衰弱死など共倒れのリスクがあります。地域全体で支援する仕組みが大切です。

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8050問題とは

高齢の親と、働いていない独身の50歳の方が同居している世帯を8050世帯といいますが、この背景にはさまざまな複雑で複合化した問題や課題があり、支援を必要としています。
 
進学や就職に失敗したことなどをきっかけに、仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、長期間(6カ月以上)、家から出ない「ひきこもり」が社会問題になっています。
 
ひきこもりの状態が長期化し相応の年齢になり、さらに高齢となった親の収入が途絶えたり、病気や要介護状態になったりすると、経済的に一家が孤立・困窮するようになり、親子が同時に死亡するなど共倒れするリスクが顕在化しています。
 
国は、支援を必要とする世帯が抱える複雑・複合的な課題に対し、一括して相談に乗れるよう市区町村を財政面で支援する改正社会福祉法が6月5日に成立し、2021年4月から施行されます。
 

ひきこもりの実態

内閣府「生活状況に関する調査 (平成30年度)」によると、40~64 歳のうち、広義のひきこもり群(コンビニや趣味の用事などで外出することはある)の出現率は1.45%であり、推計数は61.3万人となっています。
 
男性が4分の3以上を占めています。ひきこもりの状態になってからの期間は、3~5年の者の割合が約21%と最も高く、7年以上の者が約5割います。
 
初めてひきこもりの状態になった年齢は、30歳台の者の割合が若干低いものの、全年齢層に大きな偏りなく分布しています。ひきこもりの状態になったきっかけは、「退職したこと」「人間関係がうまくいかなかったこと」「病気」「職場になじめなかったこと」をあげた者が多です。
 

ひきこもりの方への支援

内閣府の調査の自由記述を見ると、安心できる居場所を地域に作ることや、ひきこもっていることを好奇の目で見たり、非難したりしないことが大切だと感じました。
 
地域の中での生きづらさをなくすには、住民に対してひきこもりに関するする講演会などを開催し、ひきこもりに対する理解を啓発していくことが大切です。また、支援する場合は、ひきこもりの方を非難するようなことがないようにしていただくことが大切です。
 
ひきこもり世帯は、親や子もひきこもりであることを知られたくないので、社会から孤立していく傾向があります。支援が届かない現実もあります。安心して社会参加できるように、啓発と居場所作りを推進し、地域の方がひきこもり世帯に支援の情報を届けることができるようになれば良いと思います。
 
国は自立相談支援機関におけるアウトリーチ機能(積極的な訪問など)の強化、中高年のひきこもり状態にある方も参加しやすい居場所作りの促進等の強化に取り組んでいます。また、改正法の成立を受け、市区町村が本人や世帯が抱える複合的な課題を、包括的に受け止める相談体制をはじめとする事業を実施していきます。
 

マネープランも大切

ひきこもりも、長期化・高齢化すると社会への復帰は難しくなります。親亡きあとの子どもの生活を心配する親は少なくありません。漠然としたお金の不安を抱えて生活するのは精神的によくありません。
 
ひきこもりの状況を理解しているファイナンシャル・プランナーなど、お金の専門家と一緒にマネープランを考えてみてはいかがでしょうか。問題点がわかれば対処法も見えてきます。場合によっては、子ども(若年層)の就労への動機づけになるケースもあります。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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