離婚後に後悔しないために。知っておきたい「年金分割の仕組み」

ファイナンシャルフィールド / 2021年2月24日 11時0分

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年金分割という制度があると聞いたことがある人もいると思います。離婚時に発生するこの年金分割とは、どのような仕組みなのでしょうか。わかりやすく解説するとともに熟年離婚についてアドバイスします。

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年金分割制度とは

年金分割制度とは、ひと言でいうと離婚時(離婚後)に、一方の配偶者の厚生年金および共済年金(※1)を、もう一方の配偶者に分割するというものです。「婚姻期間中」の保険料納付実績に基づいて分割されるもので、「婚姻前」「離婚後」の保険料は対象になりません。
 
年金分割制度導入の背景には、夫婦間の不公平感を解消するということが挙げられます。例えば夫(妻)が、会社員として働いて収入を得て、妻(夫)が専業主婦(夫)の場合、夫は、会社員(第2号被保険者)で、国民年金と厚生年金の両方の受給ができるのに対して、専業主婦(夫)である妻(夫)は、第3号保険者で、国民年金しか受給できません。
 
そのため、年金分割制度の導入前は、専業主婦(夫)側は、国民年金の受給だけでは、生活が成り立たず、離婚したくても我慢して婚姻生活を続けていなければならない状況がありました。
 
年金分割制度は、夫婦が結婚している間に築いた財産は、夫婦2人の共有財産という考えが基礎になっています。年金分割制度には、合意分割と3号分割があります。
 

合意分割

離婚日が、2007年4月1日以降が対象になります。婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を当事者間で分割できる制度です。
 
この制度を利用するためには、分割する方に婚姻中の厚生年金記録があることと、夫婦間の合意により按分割合を定めることが必要です。合意がまとまらない場合は、どちらか一方の求めにより裁判所で按分割合を決めてもらうことができます。按分割合の上限は0.5です。請求期限は、原則、離婚をした日の翌日から起算して2年を経過していないことです。
 
事実婚の場合は、事実婚の関係が解消したと認められる日の翌日から2年です。また、すでに離婚が成立し、相手方が死亡した日から起算して1ヶ月を経過すると請求できなくなります。
 
合意分割は、3号分割と異なり、第3号被保険者(会社員・公務員等の被扶養配偶者)だけでなく、第1号被保険者(自営業者等)、第2号被保険者(会社員・公務員)も、配偶者より収入が少なければ分割を受けることができます。
 

3号分割

2008年5月1日以降に離婚等をして、第3号被保険者だった配偶者の一方の請求により、2008年4月1日以降の婚姻期間中の第3号被保険者期間における相手方の厚生年金記録を2分の1ずつ、当事者間で分割することができる制度です。
 
請求にあたっては、当事者双方の合意は、必要ありません。請求期限は、合意分割同様、原則、離婚等をした日の翌日から起算して2年を経過していないことです。
 

合意分割と3号分割が同時に行われる場合

合意分割の請求が行われた場合、婚姻期間中の3号分割の対象となる期間が含まれるときは、合意分割と同時に3号分割の請求があったとみなされます。
 

年金分割の手続き

請求者の現住所を管轄する日本年金機構(年金事務所)に、標準報酬改定請求書を提出して請求します。この際には、添付書類として、マイナンバーカード、年金手帳、戸籍謄本等が必要になります。
 
合意分割の場合は、加えて按分割合を定めた公正証書謄本や調停調書(和解)謄本、審判(判決)書謄本、確定証明書等が必要です。詳細は、日本年金機構のホームページを参考にしてください。
 

まとめ

熟年で離婚する場合に注意が必要なのは、1人での生活費が、2人分の生活費の半分にならない点です。高齢夫婦無職世帯の2019年の平均の毎月の消費支出は、23万9947円に対して、高齢単身者無職世帯の13万9739円です(※2)。
 
経済的なことだけを考えたら、1人になるほうが、生活が厳しくなることが予想されます。そのため、離婚を決意する前に年金分割でいくらもらえるのかを把握することが大切です。これは、「情報通知書」で確認できます。
 
「情報通知書」は、年金事務所に請求することにより受け取ることができます。また50歳以上で老齢基礎年金の受給期間を満たしている場合は、ねんきん定期便や年金ネットで老齢厚生年金の見込み額を確認できます(※3)。
 
離婚後にこんなはずではなかったと後悔しないためにも、離婚する前に離婚後の生活の収支を計算しておきましょう。
 
(※1)2015年に共済年金が厚生年金に統一されました。
(※2)総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2019年(令和元年)平均結果の概要」
(※3)日本年金機構ホームページ
 
執筆者:篠原まなみ
AFP認定者、第一種証券外務員、内部管理責任者
 

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