「もっと発展していける」 INAC仲田歩夢が“女子アスリートの一面”に込めたサッカー界への思い

Football ZONE web / 2020年7月9日 17時50分

■ヤングなでしこの一員だった仲田が大事にする「サッカー」と「女性」の時間のメリハリ

 2011年、日本女子代表はドイツで開催された女子ワールドカップ(W杯)で見事に大会初優勝。最後まで諦めずに戦う姿は人々の感動を呼び、「なでしこジャパン」の愛称はサッカーファン以外にも広く知られるようになった。

 翌年のU-20女子W杯でもMF田中陽子(ウエルバ)、MF猶本光(浦和レッズレディース)、MF仲田歩夢(INAC神戸レオネッサ)らの活躍でヤングなでしこの人気がピークに達し、女子サッカー選手は大きな注目を集めてきた。そんな彼女たちも、アスリートである前に一人の女性。“女子アスリート”にどのような価値観を見出し、こだわりを持ってきたのか。ツイッターやインスタグラムなど、SNSでも積極的に情報発信を行い、なでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)内でも上位のインフルエンサー力を持つ仲田に訊いた。

「女子アスリートとして毎日サッカーをするなかで、女性にしかできないこと、例えばメイク、好きな服を着るとかファッションは楽しみたいと思っています」

 なでしこリーガーの“本職”は、サッカー選手としてプレーで魅せること。仲田は「サッカーをする時は練習・試合に打ち込まないといけない」とサッカーが自分の生活で何より最優先と十分に理解しながらも、それ以外の時間は「女性として楽しめることは楽しんでいいと思います」と自らの思いを明かす。

「正直、『アスリートはサッカーだけをしていればいい』と言われてしまうことも多く、メイクとかファッションを楽しんじゃいけないみたいな風潮があります。私は、それは違うと思っています。自分がその分野に興味を持っているのもありますけど、こだわりというよりか普通に生活しているだけ。サッカーは大好きで集中して取り組んでいるし、それ以外は自分のしたいことをする。メリハリは大事にしています」


グラウンドにて、カメラに笑顔を向ける様子【写真提供:INAC神戸レオネッサ】

■「女子サッカーっていいなと目指してもらえる選手がたくさんいたら…」

 仲田のインスタグラムに目を移せば、INACの同僚たちとのサッカーシーンだけでなく、友人とのディズニーやカフェ訪問、結婚式のドレス姿、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛期間にはクッキーやプリン、ガパオライス、モチコチキンなどの手料理などオフショットも多い。そこには「プライベートな部分を知りたい方もいると思うので」という思いが反映されているが、意外にもファッションのこだわりは少なく、その時の直感に任せているという。

「結構、フィーリングで『これ可愛いな』と思って買い物をするタイプです(笑)。自分のなかでピンと来たものを買ってしまうので、〇〇系とかお店は特に決まっていません。若い頃に比べたら、大人っぽい格好をするようになったかなと感じますけど、カジュアルな服を着たい日もありますし、パーカー・Tシャツみたいなラフな格好でも全然出かけます。その日のファッションに合わせてメイクも少しカラーを変えたりするのが、オフの日の唯一の趣味ですね」

 過去になでしこリーグが発表したスタジアム調査のサマリーレポート(2014年度)によると、観戦者は男性が71.7%以上を占め、男子プロリーグのJリーグよりも約10%高い。仲田はより多くの女性に、女子サッカーに興味を持ってもらいたいと目標を掲げる。

「毎日サッカーをしているので、休みの時は非日常というか、サッカーのことは忘れて楽しむというのが私のなかでは大事な時間です。女性にも『女子サッカーっていいな』『こういうふうになりたいな』と目指してもらえる選手がたくさんいたら、女子サッカーはもっと発展していけると考えています」

 女子サッカー選手が今以上に憧れの存在となるように、仲田は女性アスリートとして“ありのままの自分”を貫いている。

※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)

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