電子たばこが米市場で「販売禁止」に? メーカーはどうすべきか

Forbes JAPAN / 2018年9月14日 11時30分

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米食品医薬品局(FDA)はこれまで、電子たばこメーカーに対して不干渉主義的なアプローチを取ってきた。

タバコの葉を燃やすのではなく、ニコチンが含まれる液体を加熱・霧状化して吸引する電子たばこは、米国の現行法の下では発売前にFDAの認可を得る必要がある商品だ。だが、FDAは2016年、2022年までは認可を取得せず発売することを認めた。

そのFDAが9月12日、電子たばこに関するこれまでの方針を撤回する可能性を示唆した。使用が若者たちの間で「まん延」しており、メーカー各社がこの問題の改善に効果的な方法を打ち出すことができなければ、商品の販売を禁止する可能性もあるという。

電子たばこ業界に対して友好的だと見られてきたFDAのスコット・ゴットリーブ長官だが、FDAが同日にウェブサイト上に公開した声明によれば、長官はメーカー各社から裏切られたように感じているもようだ。

「電子たばこ業界に対しては1年以上前から、若者の間で使用が拡大している傾向に歯止めをかけるための対策を大幅に強化する必要があると警告してきた」

「私の考えでは、彼らは電子たばこについて、関連する法的義務について真剣に検討するのではなく、…宣伝活動において課題がある問題のように扱ってきた。そして、リスクは増大してきた」

「喫煙と吸引」を使い分ける生徒たち

FDAは今年6月、独自にまとめた中高校生のたばこ製品の使用に関するデータを公表した。高校生について見てみると、これら製品を使用した経験のある生徒の数は、2011~17年の間におよそ370万人から295万人に減少している。

ただし、電子たばこを使用したことがある中高生の数は210万人近くに上っている。そして、喫煙の経験があるという生徒は約140万人だ。つまり、彼らの多くが状況に応じて、電子たばこと従来のたばこをどちらも使用している可能性があるということだ。こうした結果は、電子たばこが新たな世代のニコチン依存症患者を生み出しているとの懸念を強めることにつながっている。

ゴットリーブ長官の指揮の下、FDAは従来のたばこの依存性を引き下げるため、ニコチン含有量の削減を義務付けることを提案するなどしてきた。ただ、この方針は従来のたばこの喫煙者を、結果としてニコチン含有量が多くなる電子たばこの使用に向かわせることになるとも指摘されている。

規制強化を検討へ

FDAは同日、電子たばこメーカーのジュール・ラブズ、レイノルズ・アメリカン、アルトリア、フォンデム・ベンチャーズ、日本たばこ産業に対し、60日以内に若者の電子たばこの使用を防ぐための具体的な対策を示さなければ、新商品の認可に関する2022年までの措置の妥当性について「見直しを行う」考えを明らかにした。

措置が妥当ではなかったと判断されれば、電子たばこの販売は違法ということになる。FDAはそのほか、2016年8月8日以降に発売された商品について、規則への順守状況を調査する必要があるとの見方だ。未成年者に電子たばこを販売した小売店については、すでに調査を開始している。

米国では2009年に施行された法律により、たばこの規制に関する権限がFDAに与えられている。そして同法は、その後に発売されるたばこ製品(電子たばこも該当)は、公衆衛生に利益をもたらすものでなくてはならないと定めている。つまり、メーカーは科学的データによって、電子たばこの存在によって米国人が全体として健康になるのだということを証明しなければならない。

それを証明するのは困難だ。FDAが電子たばこの公衆衛生上のメリットについて、決してリスクの大きさに及ぶものにはならないと判断する可能性は非常に高い。メーカー各社は、FDAの指示に従わなければならない。今後も販売を続けるためには、規制当局の見解が正しいのだという前提で行動するのが最善の策だ。期限は2カ月後だ。与えられた時間を最大限に活用しなくてはならない。

Forbes JAPAN

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