検索エンジンのAlgoliaはグーグルなき市場の最有望株か?

Forbes JAPAN / 2018年10月11日 11時30分

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検索エンジンを提供するアルゴリア(Algolia)は、パリのサンラザール駅近くにオフィスを構えるスタートアップだ。2012年に同地で創業したが、現在は米カリフォルニア州サンフランシスコに本社を移し、急成長を遂げている。

検索エンジンについて、市場はすっかりグーグルに占有されていると考えていた筆者は、必ずしもそうではないセグメントがあると知り、少し驚いた。消費者がECサイト内で製品検索などを行う際に利用するサイト内検索サービスを、グーグルはすでに一部終了している。

英エコノミスト誌も過去の記事で指摘しているとおり、グーグルは確かに簡単にウェブサイトを見つけ出すことを可能にした。だが、ある企業の製品などについて調べる際には消費者は、その企業のサイト内に導入されている検索機能を利用しなくてはならない。企業の中には独自にシステムを構築しているものもある一方、エラスティックサーチ(Elasticsearch)をはじめとするオープンソースソフトウェア(OSS)の検索エンジンを導入している企業もある。

「グーグル検索アプライアンス」サービスが終了の予定であることは、検索サービス市場に大きな穴ができるということでもある。そうした中で急速に拡大するビジネスチャンスを獲得しているのが、検索結果の表示速度が非常に速いことが特徴のアルゴリアだ。

共同創業者の最高経営責任者(CEO)のニコラス・ドゥセーニュと最高技術責任者(CTO)のジュリアン・ルモワンヌが立ち上げたアルゴリアは、これまでに総額7400万ドル(約83億7900万円)を調達。顧客数は今年初めから9月までに38%増加し、およそ5700社となっている。

年間経常収益(ARR)は、今年末には4000万~5000万ドルになる見通しだ。同社のARR は2014年が100万ドル、2016年が1000万ドル、2017年が2000万ドルだったことから、今年は昨年の2倍を見込んでいるということになる。従業員は、一昨年は60人、昨年は約200人だったが、年末までに300人に増やす予定だ。

当初から米市場に狙い

調査会社グランドビューリサーチによると、エンタープライズサーチ(企業内検索)市場は、2024年には89億ドル規模に達する見込みだ。さらに、ドゥセーニュによればこの数字には、マーケットプレイスやその他の消費者向けサイト内検索サービスが含まれていない。

アルゴリアの急成長の理由の1つには、ベンチャー・ファンドのYコンビネーターの支援を受けており、事業に対するシリコンバレーのアプローチに親しんでいることがある。さらに、アルゴリアはパリのオフィスでも英語を使い、立ち上げ当初から米国での顧客獲得を目指してきた。

共同創業者の二人は現在、事業をいかにスケールさせるかについて重要なことを学んでいるところだ。「あらゆる可能性を実現していくために、自社の独立性を維持したい。重要なのは資金ではなく学ぶことだ」という。

だが、同社は今のところ利益を上げていない。ドゥセーニュは、「同じような段階にあるその他の多くのSaaS(Software as a Service)企業と同様に、私たちは短期的な利益よりも成長のために投資をしている。その成長は持続可能であり、将来的にはより多くの利益を生むようになるだろう」と語る。

一方で同社は、同業他社の新規株式公開(IPO)には注目している。エラスティックは10月5日にIPOを実現したところだ。同社の今年5~7月期の売上高は前年比79%増の5660万ドル。だが、同期の純損失は1860万ドルだった。それでも取引初日には、株価は94.4%上昇した。

ブランドマーケティングに関する情報を提供する米アドウィークによれば、アルゴリアはフランスで「(時価総額が)10億ドルを超える可能性が高い」数十社のうちの1社だ。現在の速度を維持すれば、2020年には現時点のエラスティックの規模にまで成長しているかもしれない。だが、利益を出していないことを考えると、どうだろうか。追加の資金調達を行わずにそこまで成長することは、可能だろうか─?

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