米EV市場で中古車の価値が上昇 先行きに明るい見通し

Forbes JAPAN / 2019年1月13日 10時30分

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2019年は電気自動車(EV)、特にEVメーカーのテスラにとって、極めて重要な年となるだろう。そして、米調査会社J.D. パワーはEVとテスラのどちらについても、明るい見通しを持っている。

同社が双方を楽観視するのは、EVの販売台数が急増しているためだ。だが、前向きな予測をする理由は他にもある。単独インタビューに応じた同社マーケティング・インテリジェンス・グループのデービッド・パリスは、「販売に関して言えば、2018年は特に興味深い年だった」と語る。

2017年におよそ20万台だった米市場でのEV販売台数は、昨年は約30万台に増加した。これは同市場に複数の新型EVが投入されたことなど、幾つかの要因によるものだ。中でも特に大きな影響を及ぼしたと言えるのは、テスラの「モデル3」だ。

ただ、パリスがEV市場の今後を楽観視する理由は、好調なモデル3の販売と自動車メーカー大手各社によるEVの発売以外にもある。それは、現在販売されているEVの残存価値が上昇していることだ。

高まる中古EVの価値

EVはこれまで、市場における再販価値の低さが目立っていた。再販価値はその商品が消費者にどれだけ受け入れられているかを示す重要な指標であり、月当たりのリース料金にも直接影響する。つまり、再販価値が低いということは、リース料が割高であるということだ。だが、この状況は昨年、大きく変化した。

パリスがそれを示す例として挙げるのが、他社に先駆けて発売されたEVの一つである日産「リーフ」だ。昨年販売された2015年モデルのリーフ(標準仕様の場合)の希望小売価格(MSRP)は、平均で新車価格の30%だった。2017年には、2014年モデルのMSRPは新車時の平均23%だった。

さらに、昨年第4四半期末の2015年モデルの中古車競売価格は、前年第4四半期末より1%近く上昇していた。これは、走行距離の増加や12カ月分の損耗にもかかわらず、同モデルの価値が下落していないことを意味しており、異例のことだ。

こうした傾向は、今後も続くのだろうか──?

「もちろんだ」とパリスは言う。ただし、テスラが今年、逆風に直面することがないというわけではないという。

EV市場へのテスラ車の影響力

EVは連邦税の優遇措置を受けおり、テスラ車はこれまで、7500ドル(約81万円)の税額控除の対象となっていた。だが、控除額は今年6月末までに購入された車については3750ドル、7月1日以降の分については1875ドルとなり、来年以降は対象外となる。

テスラ車へのインセンティブが減ることは、何らかの影響力を持つだろうか──?

パリスは、「そうなることは確かだ」と見込んでいる。だが、「それが全般的なEV離れにつながるのか、優遇措置を全面的に活用できる特定のモデルに人気が集中することになるかは不明だ」という。

パリスは、「各社は今後、それぞれの価格構造について分析、検討していかなければならないだろう」との見方を示しつつ、各社の計画の詳細については「まだ分からない」と述べている。

テスラ車の価格が今後、実質的に上昇するという事実を受け、EV市場にこれから参入する各社は、価格を引き上げる一方でインセンティブを減らすかもしれない。また、すでに競合する他社は市場シェアの拡大を目指し、インセンティブの強化などでテスラへの攻勢を強める可能性がある。

テスラは価格の引き下げやインセンティブの強化を図るほか、EVの残余価値の上昇が見込めることを受け、リース市場向けの販売を強化していくかもしれない。

いずれにしても、2019年が米国のEV市場とテスラの双方にとって、非常に重要な年になることは明らかだ。EVが真に市場の主流となる一年になる可能性もある。

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