1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

深層韓国 道路崩落の恐怖…韓国、5年間で陥没穴が〝計957カ所〟で発生 原因の6割は下水道管の漏水、日本も維持管理を真剣に学ぶとき

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月27日 6時30分

「吞舟之魚(どんしゅうのうお=大人物は小事に関わらない)」とは言うが、これは「吞車之穽(どんしゃのせん)」ではないか。

韓国ではここ10年ほど、シンクホール(陥没穴)が多発している。これまでのところ、ほとんどの発生場所は道路であり、下水道管からの漏水がアスファルト舗装の下の土砂を流したことが原因とされる。

しかし、地下鉄の建設など大規模な土木工事で、地下水位が7メートルも低下したとの事例も報告されている。これでは、車が落ちるどころか、いずれ家屋が倒壊する事態も想定しなくてはなるまい。韓国の憂鬱だ。

最近では9月21日、釜山(プサン)市沙上(ササン)区で消防車が走行中、道路面がいきなり落ち込み、消防車は大きな穴にはまり込んでしまった。後続の5トン積みトラックは横をすり抜けようとしたところ、そこも道路面が陥没して消防車と同じ運命になった。

人的被害がなかったのは幸いだが、横10メートル、縦5メートル、深さ8メートルの穽(落とし穴)。大きなシンクホールだ。

韓国のシンクホールに関する統計は、ある日突然、面積と深さの基準が変わり、「これは小さいからシンクホールには分類しない」となる。

そういうわけで、どういう基準かは不明だが、朝鮮日報(2024年9月11日)によると、「ここ5年間で発生したシンクホールは計957カ所」「面積を合わせると約2・9平方キロメートル」「2人が死亡し、49人が負傷。損傷した車両は81台」だ。原因は6割近くが老朽化した下水道管からの漏水と特定された。

「ソウル市で管理する下水道管1万297キロのうち、30年以上になる老朽管が全体の48%」(中央日報14年8月22日)という報道もあった。

漏水だけでなく、土木・建設工事の際の地下水の過多排出や、土締め固めの不良などによりできた大きな地下空洞もいくつか発見されている。それが、ある日崩れたら、「吞車」どころでは済むまい。

7年ほど前、日本最大の水道管維持専業企業の会長にインタビューした。彼は嘆いた。

「給水車を手配すれば、上水道管はすぐに交換できる。しかし、下水道管は『この一帯は何日間か、炊事の水も流さず、トイレも使うな』とはいかない。だから、維持管理が重要なのに、自治体の関心は極めて低い。大学の土木学科にも下水道学の講座がない」と。

韓国の憂鬱を、日本も真剣に学ばなければならない。(ジャーナリスト・室谷克実)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください