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森永康平の経済闘論 日米ともに選挙控え金融市場は荒れ模様に FRBが異例の初回0・5%利下げ 日銀は政策金利据え置きも利上げ継続姿勢は崩さず

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月26日 6時30分

金利の据え置きを決めた日銀の植田和男総裁(夕刊フジ)

米連邦準備制度理事会(FRB)は9月18日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を5・25~5・50%から4・75~5・00%へと、0・5%引き下げることを決定した。FRBの利下げは2020年3月以来、4年半ぶりのこととなる。

当初から米国では9月から利下げ局面に突入するということが予想されていたが、利下げ幅については通常の0・25%になるとの予想が大勢であった。しかし、直前になり0・5%の利下げ幅を予想する向きが大勢となり、それが現実のものとなった。

FRBの金利変更幅は前述の通り0・25%が一般的だ。過去に金利を変更した局面を振り返ると、15年末からの利上げ局面、19年夏からの利下げ局面、ともに局面が変わるときの最初のFOMCでは0・25%が金利変動幅となっており、大幅な金利変動が行われたのはリーマン・ショックやコロナ・ショックなど限定されたケースのみであることを考えれば、今回の利下げ局面突入時に初回の利下げ幅が0・5%になったことは異例といえよう。

パウエル議長の会見内容をみてみると、今回、異例の大幅利下げに踏み込んだ理由として、インフレが目標に向けて低下するとの確信を持った一方で、労働市場がさらなる軟化をしないよう、後手に回らないための決定であるとした。コロナ・ショック時に対応が後手に回り、結果として0・75%という大幅な利上げを複数回実施することになったことの反省があるのだろう。

しかし、今後についてはデータに基づいて利下げ幅を決定するとし、市場の利下げペースの予想が早すぎることを牽制(けんせい)した。

FOMCから2日後の9月20日、日銀は金融政策決定会合で政策金利を0・25%に据え置くことを決定した。前回7月31日の会合で追加利上げを決定した後、8月に入り「令和のブラックマンデー」と呼ばれる金融市場の混乱があったこともあり、日銀は様子見をしたともいえる。

だが、声明文を読んでみると、特に8月の金融市場の混乱に関する記述は確認できず、むしろ個人消費に対する見通しを上方修正している。かつ足元の物価上昇率の認識もわずかに上方修正していることから、前回の声明で示したように、経済環境が見通しから外れなければ、今後も利上げを継続するという姿勢は崩していないと考える。

日本では自民党総裁選、米国では大統領選が控えるなかで、金融政策についても日米ともに年末に向けて変化が予想され、しばらくは金融市場も荒れ模様となりそうだ。

■森永康平(もりなが こうへい) 経済アナリスト。1985年生まれ、運用会社や証券会社で日本の中小型株のアナリストや新興国市場のストラテジストを担当。金融教育ベンチャーのマネネを創業し、CEOを務める。アマチュアで格闘技の試合にも出場している。著書に父、森永卓郎氏との共著『親子ゼニ問答』(角川新書)など。

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