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70年目の「七人の侍」リスペクト三昧 アブナイ男の意外性を描く監督の手腕 本家「七人の侍」へ大いなるリスペクトも「マグニフィセント・セブン」(2016年)

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月27日 11時0分

「マグニフィセント・セブン」(2016年)アントワーン・フークア監督

「マグニフィセント・セブン」(2016年、アントワーン・フークア監督)は〝セブン〟と付くからには「荒野の七人」(1960年)の焼き直し、あるいは新しい解釈だろうとピンとくる。原題はそのままだ。

本家「七人の侍」(56年)を西部劇に置き換えたのが「荒野」なら、さらにそれに敬意を表した「リメークのリメーク」というわけだ。デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンらキラ星が並ぶ。

最初から正義面するより、アブナイ男が一転して味方になってくれたほうが意外性もあり、かえって心強い。だから本線に入る前の伏線がより重要になってくる。「本家」だって最初はいい奴だか悪いやつだか分からなかった菊千代や久蔵が弱者の味方になる。このあやふやさ、期待させるテクニックが監督の手腕でもある。

戦いが始まり、チザム(デンゼル・ワシントン)は金鉱で使う爆薬を町中に仕掛け、ボーグ一味を誘い込む。このあたりは「本家」の司令塔・島田勘兵衛の知略にたけた謀略戦と同じ。大いなるリスペクトを感じる。

一度は戦線を離脱したロビショー(イーサン・ホーク)だが、ボーグ一味がガトリング銃を使うと知って応援に駆けつける。ロビショー、ファラデー(クリス・プラット)、ビリー(イ・ビョンホン)、ジャック(ヴィンセント・ドノフリオ)の4人が憤死するのもお約束。それだけに勝利しても万々歳とはいかない。

この、ちょっぴり無念さという余韻を残すあたりも当然。弾がビュンビュン飛んでくるのに味方には当たらず、相手ばかりがバッタバッタと倒れるリアリティーもないアクション映画よりよほど理にかなっている。

二丁拳銃の使い手、ファラデーは「荒野」のヴィンそっくりだし、敵からウィンチェスター銃を使って撃ちまくるところなど「拳銃無宿」のスティーブ・マックイーンもほうふつとさせる。きっとリスペクトしたい監督の演出なのだろう。

企画段階ではトム・クルーズやケビン・コスナーの名も挙がっていたそうだが、実現すればどうなっていただろう。

(望月苑巳)

■マグニフィセント・セブン 日本公開は2017年1月27日。出演はデンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、ヴィンセント・ドノフリオ、イ・ビョンホン、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、マーティン・センズメアー、ヘイリー・ベネット、ピーター・サースガードら。

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