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経営者目線 ジム・ロジャーズ氏が新総理に求める3つの改革 ワタミ全米で「すし居酒屋」展開へ

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月25日 11時0分

昨年はシンガポールにあるジムさんの私邸で対談した(夕刊フジ)

自民党総裁選(27日投開票)に向けて動きが活発化する中、ニッポン放送の番組で、世界的投資家のジム・ロジャーズさんが「次の総理」に求めている改革を紹介した。

私とジムさんとの共著『大暴落』の監修も担当し、毎月ジムさんに取材を続ける花輪陽子さんによると、ジムさんは次の総理に3つのことを求めている。

1つ目が、移民政策や、規制緩和で「開かれた日本」にすること。2つ目は天文学的に増えた国の借金を減らすこと。3つ目は米国追従を見直し、米国と中国の衝突に巻き込まれない日本を目指すことだという。

全くその通りだと思う。総裁選のどの候補者も、国民に耳の痛いことはいわない。それどころか、財源の裏付けがないまま、増税ゼロや、手当拡充など「大衆迎合」の政策を掲げる。一部候補が掲げた「金融所得課税」も、タンス預金を株式市場に出す流れに、水を差すような課税はよくない。

例えば、資産を保有している高齢者に向けて、国内の株式を保有していた場合は相続税を3分の1にするなど、単純な課税強化ではない、魅力的な制度を提示すべきに思う。他の候補も経団連の顔色をみたり、族議員や業界団体票を意識して、本格的な規制緩和には踏み込んでこない。菅義偉前首相の携帯電話料金の値下げなどは、とても良かった。既得権に切り込む政策を期待したい。

ジムさんは、先月の「令和のブラックマンデー」と呼ばれた日経平均株価の暴落について、「ブラックマンデーとは比にならない。始まりですらない。これから、人生最大の金融危機が起きる」と従来の見解を崩していない。

直近、米国の利下げを織り込む形で、日米金利差が意識され、円高が進んでいる。ラジオのリスナーからはそろそろドルを売ろうという相談も多く寄せられている。ジムさんは「大きな円安のトレンドは変わっていない。短期や中期に関しては、行ったり来たりするが、長期では円安だ」という。

私も全く同じ見解だ。中長期で1ドル=200~300円を意識している。誰が新しい総理になっても財政再建に手をつける気配がないのが最大の理由だ。日銀の債務超過は時間の問題であり、その時がXデーのはじまりだと警戒している。そうした長期、円安トレンド前提で、企業を成長させていくには、海外進出を加速させていくしかない。

なかでもワタミは、米国でのすし事業に大きな期待を寄せている。M&Aをした子会社が地元密着型のスーパーマーケットや、ホテルですし事業を展開しているが、すし居酒屋を三本目の柱に据えて、出店の最終段階に入っている。先日、一時帰国していた担当役員に対し、5年で最低でも米国子会社の規模を、3倍、4倍にするよう指示を出した。マーケティング上も十分に実現可能だ。

アメリカは移民の国であり成長し続けるだろう。次の総理に求めることは、ジムさんが一番大事にしている「長期的な視点」だ。 (ワタミ代表取締役会長兼社長CEO)

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