中国に続きロシアも領空侵犯 総裁選に合わせ新リーダー〝値踏み〟か 初の「フレア」警告、航空自衛隊のF15とF35が緊急発進
zakzak by夕刊フジ / 2024年9月24日 15時30分
こうしたなか、ロシアや中国、北朝鮮という覇権主義国家は次々、日本に対する軍事的威嚇を仕掛けている。
中国軍は8月26日、長崎県五島市の男女群島沖の日本領空に初めて情報収集機を侵犯させ、その5日後には測量艦を鹿児島県・屋久島周辺の日本領海に侵入させた。今月18日には、中国海軍の空母「遼寧」がミサイル駆逐艦2隻とともに、沖縄県の与那国島と西表島の間の接続水域に侵入した。
北朝鮮による弾道ミサイル発射も相次いでいる。そして今回、ロシアによる領空侵犯が起きた。
渡部悦和氏「自衛隊の対応をみる狙いがあったのでは」
識者は今回の事態をどうみるか。
元陸上自衛隊東部方面総監の渡部悦和氏は「ロシアによる3度の侵犯は明らかに『強烈な意図』が感じられる。日本の自衛隊の対応をみる狙いがあったのではないか。日本国内では自民党総裁選が行われ、岸田首相は訪米で不在だったというタイミングが狙われたのかもしれない。11月の大統領選を控えた米国が動けないことも日本に揺さぶりをかけた一因だろう」と話す。
時期リーダーはモノを言える人物を
ロシアの領空侵犯に対して、事実上の次期首相となる自民党総裁候補も言及をしている。
高市早苗経済安保相は23日、X(旧ツイッター)に「自民党総裁選の討論の中で、複数の候補者とともに、過日の中国軍の行為への対処が緩すぎて『日本がナメられている』旨の発信をしたことも、多少は影響したのかもしれません。中国、ロシア、北朝鮮が、外交・軍事・経済面で協力関係を深めている中、日本の国防力強化の必要性は論をまちません」と発信した。
小泉進次郎元環境相も同日、Xで「我が国の主権に対する深刻な侵害であり、強く抗議します。政府には、情報収集・分析を進めるとともに、我が国の領土・領海・領空は断固として守り抜くとの決意の下、毅然と対応するよう求めます」と投稿した。
次期リーダーには、どのような政治家が求められるのか。
前出の渡部氏は「次の国家のリーダーは、日本の安全保障、防衛に明確なビジョンを持ち、中国、ロシア、北朝鮮の権威主義国に厳しく対応する人物が求められる」と話す。
権威主義国の暴挙に対し、「遺憾砲」が目立つ日本政府の姿勢に疑問を呈する意見もある。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「中国やロシアは、自民党総裁選中の『政治的空白』に冒険心を持って臨んできている。最大野党のリーダーを決める立憲民主党の代表選も一つのタイミングではあるだろう。次期リーダーは、外交ルートでの抗議や、官房長官の『遺憾砲』だけで済ます人間は避けなければならない。外交・安全保障に精通し、自ら首脳同士で断固として抗議や、モノを言い合える人物でなければ、中露に侮れたままになるのではないか」と語った。
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