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勝負師たちの系譜 順位戦始まる(下)B2でトップを走る谷川十七世名人、60歳の平藤らベテラン勢が奮闘 最後まで走り抜けられるか注目

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月31日 15時0分

順位戦で好調の谷川十七世名人(夕刊フジ)

B級2組順位戦は、7日に3回戦が一斉に行われ、連勝組のほとんどが勝ち、3連勝と星を伸ばした。

中でも順位的にトップを走るのが、62歳の谷川浩司十七世名人。

谷川のB2は、今期で5期目になる。B1から降級したときから2期は、かなり降級点が危なかったときもあったが、歳とともに成績が上がってきたのは流石だ。

どんな人でも歳とともに棋力は衰えるが、一流棋士ほど、歳を取っても落ち方が緩やかどころか、調子の良い年には爆発的な活躍もできるのだ。

過去、大山康晴十五世名人が、69歳で亡くなるまでA級で、名人挑戦者争いもしたこと。歳は違うが昨年、羽生善治九段が52歳で王将挑戦者になったことなど、頂上まで行った人はやはり違うと思わせる。

3連勝者は、及川拓馬七段、伊藤匠叡王、杉本昌隆八段始め、計6人。叡王を奪取した伊藤が抜け出せるか、藤井の師匠の杉本の活躍はいかにと、話題の多いクラスだ。

C級1組の3回戦は、6日の一斉対局。このクラスは、44歳の飯島栄治八段、60歳の井上慶太九段といった、降級したばかりのベテラン勢が、3連勝でトップを走っている。

落ちてきた人が、昇級戦線に残るのは通常は難しいが、順位は良いわけだから、落ちた一年目が最後のチャンスになることが多い。

その意味では、両者がこのまま勝ち星を積み重ねることができるかどうか、注目だ。

3勝組は他に、叡王戦の挑戦者になったことがある出口若武六段、兄弟弟子の伊藤が叡王になって刺激された、斎藤明日斗五段ら、7人が3勝で並んでいる。

C級2組は2日に分かれての対局だが、現在の3連勝は八代弥七段を始めとして5人。

八代は昨年度の勝率が全棋士中3位で、朝日杯優勝の経験もある強豪だが、順位戦だけは勝てずに今期でC2は13期目となる。今期は順位も良いのと、勝ち方が安定しているので、一気に駆け抜ける可能性は大きい。

5人の中には、47歳の佐藤紳哉七段、60歳の平藤眞吾七段という、降級点を持っている棋士も頑張っている。

全体に今期は、年配者が頑張っている印象があるが、最後まで走り抜けられるかどうか、注目される順位戦となっている。

■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。

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