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日本の解き方 台湾有事と高市早苗氏の〝覚悟〟を見た 日本と密接な関係国への攻撃「存立危機事態」について言及 首相に必要な迅速で正しい決断

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月25日 11時0分

高市早苗経済安全保障担当相(夕刊フジ)

高市早苗経済安保相は自民党総裁候補9人が出演したフジテレビの番組で、中国による台湾の海上封鎖が発生した場合の事態認定について問われ、「存立危機事態になるかもしれない」と発言した。これは麻生太郎党副総裁も同じ意見のようだ。

日本の自衛隊は他の国とは異なり、憲法上軍隊ではなく、一般の行政組織に過ぎない。このため、自衛隊の行動については「権限」と「類型」を個別に法律で規定する「ポジティブ・リスト」方式となっている。

日本の事態対処法制としては、1999年の「重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」(重要影響事態法)と、2003年の「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」(事態対処法)がある。

重要影響事態法では、「重要影響事態」を「そのまま放置すれば、日本の平和及び安全に重要な影響を与える事態」と位置付けている。

事態対処法では、「存立危機事態」は「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」とし、「武力攻撃事態」は「我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は当該武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」としている。

それぞれの関係についてみると、まず「重要影響事態」と「存立危機事態」では、共にいまだ日本への直接の武力攻撃は発生していない事態だが、「重要影響事態」は、日本への波及を防止するために武力行使を伴わない米軍などへの後方支援を可能としている。

「存立危機事態」は、日本と密接な関係がある国への攻撃だが、直接攻撃された場合と同様に日本の存立や国民の生命などを守れない死活的かつ深刻な事態であり、他に手段がない場合、必要最小限の武力行使(限定的な集団的自衛権)が可能としている。「存立危機事態」は「重要影響事態」の一部である。

そして「武力攻撃事態」は、事態の緊迫度から「武力攻撃予測事態」「武力攻撃切迫事態」「武力攻撃発生」と区分され、それぞれ自衛隊などは陣地構築といった準備権限を与えられる。

存立危機事態は、攻撃発生前の「予測事態」や「切迫事態」でもあり得る。ただ、日本周辺で発生した存立危機事態は、日本への直接攻撃の恐れもあるので武力攻撃事態等にもなり得るが、日本周辺でない場合には、存立危機事態であっても武力攻撃事態等になるとはかぎらない。

「台湾有事は日本有事」といわれる。これを今の日本の法律に当てはめれば「存立危機事態」になる。首相は最高指揮官だから、有事の際には迅速で正しく重い決断が必要だ。

高市氏の発言からは、その覚悟があることがうかがえるが、他の候補は大丈夫だろうか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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