無名投手→一流プロへ…「想像を超えて育つ」選手の2パターン “隠れ逸材”見出す眼力
Full-Count / 2024年9月11日 7時5分
■プロ投手続々輩出の仙台大…育成年代にも参考になる「“余白”見据えた努力」
無名から遅咲きの花を咲かせる“隠れた逸材”には、急成長できるだけの理由がある。今春の全日本大学選手権に2年連続で出場した仙台大は、近年、プロや大学日本代表選手を次々と輩出している。ただ、甲子園経験者や高校時代から全国的に知名度の高かった選手はごく一部で、大学4年間で大きく成長する選手が目立つ。主に投手を指導し、大関友久(ソフトバンク)、宇田川優希(オリックス)らをNPBに送り出した坪井俊樹コーチ(元ロッテ)に、選手の“伸びしろ”を見極めるコツを聞いた。
「高校のトップ選手に声をかけて来てもらえるような努力は怠りませんが、競争率が高く、必ずしも振り向いてもらえるわけではない。目立っていないけれども魅力ある選手を探して声をかけることも重要であり、そういったスカウティングが成果を挙げています」
仙台大には東北をはじめ北海道や関東、関西などあらゆる地域から選手が集まる。坪井コーチが高校生投手を見極める際は、投球フォームや変化球を投げている動作、そして「練習との向き合い方」を注意して見ているという。
「我々の想像を超えて育つ選手には、圧倒的なフィジカルや才能のある選手と、毎日単純な動作を繰り返すことのできる選手の2パターンがあります。特に、下手でも毎日をおろそかにせずにコツコツ練習できる選手は、思い描いていたゴールよりも遥かに超えていく。身体の成長などによって生まれる『余白』を見据えて、自分が置かれている立場で、できることをコツコツやることが大事です」
日頃から練習や私生活で野球に向き合えている選手は、体つきが変化したり、取り組む方法を変えたりすることをきっかけに急激に伸びる。ソフトバンク・大関はその代表格のような投手で、「大学でも貪欲にいろいろなことにチャレンジして、その場に応じた積み重ねができていたからプロでも結果が出た。入学した時と卒業した時では別人でしたし、プロに入ってからも別人のようになっている」と評する。
元ロッテで仙台大コーチの坪井俊樹氏【写真:川浪康太郎】
■目標確認も“コーチング”の一環「1人でも多く幸せになってくれれば」
大学進学後は同じ投球動作を繰り返す「再現性」や、球速、制球力、変化球の精度などの「打者を抑える手段」、フィールディングなどを含めた「無失点で抑える手段」を段階的に身に付けさせ、「余白」を生かしたレベルアップを図る。
また選手1人1人の目標を確認するのもコーチングの一環。「プロ野球選手になりたい」「社会人野球でプレーしたい」など、それぞれの目標を確認した上で、「個人の目標まで到達させる、またはそれを超えさせる指導」に徹する。
「こちらが選手を育てるというよりは、選手と向き合いながらゴールまで行くということをしたい。世界やプロで戦える選手が出てきたらうれしいですけど、1人でも多く幸せになってくれればいい。『幸せだな』と思ってくれる選手が増えればこちらも幸せなので」と坪井コーチ。これからも、練習に全力で向き合う選手たちと、全力で向き合っていく。(川浪康太郎 / Kotaro Kawanami)
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