「防げるミスを防げていない」―阪神不調の理由を専門家が指摘 再加速は?

Full-Count / 2019年6月25日 11時18分

阪神・矢野燿大監督【写真:荒川祐史】

■交流戦は“借金4”…野口寿浩氏が指摘、勢いを失った理由は「一言に尽きる」

 プロ野球は28日からペナントレースが再開する。昨季はセ・リーグ最下位に沈み、今季から矢野燿大監督が率いる阪神は、6勝10敗と“借金4”で交流戦を終えた。上々のスタートを切ったシーズンだが、ここにきて勢いを失っている。

 現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団でプレーし、昨季までヤクルトのバッテリーコーチを務めた野球解説者の野口寿浩氏は、古巣の失速の要因として「ミスの多さ」を掲げる。一方で、勢いを取り戻す可能性は十分にあるとも予想。阪神に必要なことは明確だというのだ。

 野口氏は、阪神が勢いを失った理由を「一言に尽きる」と指摘する。

「ミスが多いですね。目に見えるミス、目に見えないミス、色々ありますが、タイムリーエラーだとか、先頭バッターのエラーとか。いくらピッチャーと野手の信頼関係があって、ピッチャーがカバーしようとなっても、今の状態ではきついですよね」

 相手との関係というよりは、自分たちで流れを手放している。それが阪神の現状だという。

「シーズン前半も、上り調子になっていく前からそういう傾向が出てはいたのだけど、うまくカバーできたというか、数もそんなに出ていなかった。ですが、ここにきて、負け始めると(ミスが)出るというか、(ミスが)出ると負け始めるというか。あれだけミスが出ると、ちょっと厳しいですね。

 交流戦に入ってからで言うと、守備のエラーだけではなくて、走塁ミスも目立つようになってきました。だから、点が取れない。ロースコアになってくる。ピッチャーが苦しくなる。ピッチャーが先頭バッターにフォアボールを出す――と。言ってみれば、ピッチャーの先頭バッターへのフォアボールも、ミスです。野手のエラーと同じようなものだと思いますから。ただ、それもロースコアで厳しい試合が続いている中でのメンタル的なものもかなり影響しているとは思います」

 ミスが増えることで苦しい展開になり、悪循環に陥っているというのだ。

■助っ人右腕の復帰が再加速へのきっかけとなる可能性も

「打てる、打てないとか、抑える、抑えないは、その時その時のいろんな要素があるので、一概には言い切れませんが、ミスは『防げるミス』『防げないミス』があるので。今の阪神は『防げるミス』を防げていません。簡単にエラーで出塁させたり『よし打ち取った』という当たりで簡単に悪送球したりとか。そういうところは1つ意識するだけでも違ってくると思います」

 ミスがミスを呼ぶという負の連鎖。プロの選手としてあってはらないミスが出ているが、これは意識の持ち方ひとつで変わってくると野口氏は言う。

「どうしようもなく下手な選手がいるわけではありませんから。どの選手もちゃんと守りもしっかりできるといって、入ってきたプロの世界です。意識1つで相当変わるとは思います。(解決策は)まずは意識すること。それでできなきゃ練習ですよ。ただ、今はできるはずのことができていない。しっかりとした意識を持って『どうしなきゃいけない』『こうしなきゃいけない』ではなくて、『ここではこうする』『こういう打球が来たらこうする』と、マイナス思考ではなくて、プラス思考の考え方ができるようになれば。『こうしなきゃいけない』『ああしなきゃいけない』だと、体も萎縮してくるので、ミスがミスを呼びます。小さくなると、ミスがミスを呼ぶ。しっかりした精神状態とか考え方を持って普通にプレーすれば、できる選手たちの集まりなのですから」

 そして、負の連鎖を断ち切るきっかけとなりうるのが、開幕直後にセットアッパーとして圧倒的なピッチングでチームを支えてきたピアース・ジョンソン投手の復帰だという。

「まずはジョンソンの復帰が一番最初に待たれるところでした。戻ってくれば、ジョンソン不在の間に頑張っていたピッチャー陣が少しだけ楽になります。離脱する前のように、毎日ジョンソンというわけにはもういかないでしょうし、うまく休ませながらにしなければいけないでしょうけど、それでも精神的な支柱になりつつありましたから、戻ってくるのは大きいですね。終盤が安定して、リードした試合をそのまま終わるようにできることになれば、打線の方にも少しずついい影響が出てくるのではないかなと。今だと、ベテラン陣の藤川(球児)とかもすごく頑張っていますし、いい成績も出してるからいいですが、負担をかけすぎないようにと点をたくさん取りにいこうとしています。『取らなきゃいけない』となっています。それが若干、楽になってくれるのではないかなと。希望的観測も入っていますが。ただ、それだけで流れが変わったような気になるというのは、チームとしてありますからね」

 交流戦では、直前まで好調だった広島も失速したため、トップに水をあけられることはなかった。本当の勝負は、ペナントレース再開後。頼れる助っ人とともに、再加速となるだろうか。(Full-Count編集部)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング