「たくさん寝たかったので、会社を辞めました」 phaさんに聞くニートの睡眠事情

Fuminners / 2016年1月21日 10時43分

写真

寝たいときに寝て、起きたいときに起きる――そんな自由気ままな生活ができればいいのに…。

誰もが一度は憧れたことがあるであろう、そんな夢のような生活を送っている人がいます。“京都大学卒業の肩書を持つニート”としてネットを中心に一躍話題になり、『持たない幸福論』『しないことリスト』などの著書を発表しているphaさんです。

会社員経験を経て、長年ニートとして生き抜いてきたphaさんの睡眠事情とはいったいどんなものなのでしょうか? phaさんが運営するシェアハウス「ギークハウスとしまえん」(現在は台東区「ギークハウスZERO」へお引越し)へお邪魔し、お話をうかがいました。

会社を辞めた理由は、「睡眠時間がとれなかったから」

①

取材冒頭、「本当はもうニートじゃないんですよね」と話してくれたphaさん。厚生労働省によると、「ニート」の定義とは“総務省が行っている労働力調査における、15~34歳で、非労働力人口のうち家事も通学もしていない方”なのだそう。

「僕はもう35歳を過ぎてしまったし、定職には就いていないけれど若干の収入もあります。だから『元ニート』なんです

そんなphaさんがニートデビューを果たしたのは2007年。大学卒業後に、「暇そうな会社だったから」という理由で選んで就職した会社を3年間でドロップアウトし、現在の生活へ移行しました。

「とにかく朝決まった時間に起きて出社しなければいけないのがつらかったんです。もともと睡眠時間が少ないと心身ともに調子が悪くなってしまう体質で、さらに寝つきもよくなくて。最低でも8時間は寝たいので、23時ごろに布団に入るのですが、夜中の3時ごろまで寝つけないことも少なくありませんでした。それでも朝7時ごろには起きなければいけないので、睡眠時間が全然足りなかったんです」

そうした睡眠不足のストレスから、会社員だった当時は毎日「1日中最悪の気分で過ごしていた」とか。そんなphaさんの背中を押してくれたのは、インターネットの存在だったといいます。

「昔からネットが好きで、趣味の延長でサイトを作っていたのですが、いくつかのサイトで少しずつお金が稼げるようになってきたんですね。そこで、ネットがあれば暮らしていくには困らなさそうだし、孤独にもならないだろう、というのがなんとなく見えたので、会社を辞めました。…いや、こういうとすごく計算していたように思われそうですが、『まあ、なんとかなるだろう』という楽観的な気持ちでしたね」

睡眠こそ最高の娯楽。好きなだけ寝られるから、すこぶる調子がいい

②

ニートになってよかったことは、やはり「眠りたいだけ眠れること」。

寝たいだけ寝て、好きなだけ本を読んで、ネットができれば十分幸せだな~と。とても開放感があって、会社を辞めても不安は全然ありませんでしたね」

そんなphaさんの現在の生活はというと…。

10~13時ごろ起床。
・起きたら2時間程度、布団の中でゴロゴロしながら、身体が温まるのをじっくり待ちつつ、パンなどを軽く食べる。
・身体が温まってきたら起きてネットをし、昼食を作って食べ、散歩しながらカフェでブログを書く。
・夕飯の買い物をして帰宅後は晩御飯を作って食べ、ダラダラした後お風呂に入る。
2~4時ごろ就寝。

「特に予定がない限り就寝・起床時刻は決めていないので、朝寝て、夜起きる日もあります。たまに不規則な生活が一周して、普通に夜寝て、朝起きる健康的な生活スタイルに戻ることもありますよ」
自由な暮らしには憧れますが、不規則な生活リズムを長年続けて、体調や精神面に影響は出ないのでしょうか?

「会社員時代よりすこぶる調子はいいですね。毎日8~10時間程度、よく寝られているからだと思います。僕の場合、寝るのが一番の健康法なんです」

いわく、「睡眠は、お金のかからない最高の娯楽」だとか。

「寝るって、単純に気持ちいいし、夢を見るのも楽しいじゃないですか。たまに『寝すぎてだるい』ということもありますけどね。11時間以上寝てしまうと、ああ寝すぎてしまったと感じますね」

ただ、寝つきの悪さは相変わらずだそうで、質のよい睡眠の追求は現在の関心事のひとつだそう。

「最近『グリシン』という成分の入ったサプリメントを飲むようにしています。効いているかはちょっと不明なのですが(笑)。また明け方に眠ることが多いので、アイマスクも必須アイテムです」

ニートにとって一番大事なのは、仲間の存在

③

ブログや著書で注目を集め、「スーパーニート」として活躍をするようになってからも、phaさんの年収は100万円前後からあまり変化はないそう。もっと欲を出そうと思えば稼げるのでは?と思いますが、そのつもりはないのだとか。

「最低限のお金さえあればいいかなと。自分にとって大事なのは、お金よりも時間と気力なんですよね。たぶん僕は、活動量のキャパシティが人に比べてすごく小さいんだと思うんです。なので、すぐ気力がゼロになってしまう。気力に余裕を保った状態がベストコンディションなので、それを最優先にしていますね」

そしてもうひとつ、大事なものが「仲間」の存在。

「人間、完全に引きこもって孤立してしまうとしんどくなっていきます。今ニートが何で稼げるか、ということも、自分ひとりで考えるより周りの人から教えてもらった方が選択肢は広がります。ニートとして生きていくのなら、サバイバル術をいろいろ教えてくれる『ニート先輩』をつくるのもいいと思いますね」

今現在、頼れる仲間がいないという人は、「何か趣味のつながりから知り合いをつくってみてはどうでしょうか?」と、アドバイスが。

「僕自身、ネットが趣味の人同士が集まれる“ギークハウス”をつくりましたが、ニートにもいろんなやり方があると思うんですよね。古本を転売する人もいるし、山奥に住む人もいるし、東南アジアを放浪している人もいる。いろんな先輩を見て、自分にも真似できそうなロールモデルを探すのがいいと思います」

現在最も力を入れている活動は…?

④

現在は和歌山県新宮市の山奥に一軒屋を借りて、数ヵ月に1度、都会とは真逆の生活を送るというphaさん。

「夜は真っ暗になるし店が閉まる時間も早いので、早く寝るしかないんです。その代わり、朝は日の出とともに起きる生活で、自然と規則正しい生活を送れます。ごみごみした都会の環境に疲れたときに行くとすごく落ち着きますし、逆に向こうに2、3週間いると都会のありがたさがわかるんです」

最後に、そんなphaさんに今後の活動予定を聞いてみました。

今いちばん力を入れている活動は、何もせずにゴロゴロすることです。油断するとたくさん働いてしまうのですが、そういう生活が嫌だったからニートを選んだのに、仕事に追われてどうするんだ、と。常に心にニート成分を失わないように、これからも生きていきたいですね」

仕事にもお金にも執着しないphaさんが最もこだわっていたのは、ゆったりとした時間と睡眠。phaさんほどに振り切ることはできないとしても、「お金をかけずに味わえる最大の娯楽」を含めて、何が自分にとっていちばん大事なものなのかを、改めて考えてみてもいいかもしれません。

【眠りの黄金法則】

  • 睡眠は「お金のかからない最高の娯楽」。寝たいだけ寝る
  • 「寝ること」がいちばんの健康法
  • ときには田舎暮らしで生活リズムをリセット

【ウィークデーの平均睡眠時間】

  • 8~10時間

【睡眠タイプ】

  • 仕事よりお金より、「睡眠」を重視するタイプ
phaさんのフミナー度は『10%』、今はフミナー度が低いレベルでした。
bnr_list_check
pha(@pha)さん
pha(@pha)さん
1978年、大阪府出身。シェアハウス「ギークハウス」発起人。京都大学卒業後、就職するも「社内ニート」に。2007年に会社を辞めて以来、プログラミングなどを行いながら、ブログやツイッターなどを中心に情報発信。著書に『ニートの歩き方-お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用術』(技術評論社)、『持たない幸福論』(幻冬舎)、最新刊『しないことリスト』(大和書房)など。
ブログ:phaの日記
●【朝井リョウさん】『幸福な方がよいものが書ける』直木賞作家の幸せを生む睡眠とは
●6時間がベストって本当? 自分に合った睡眠時間とは

自分とみんなの「眠れな~い!」をつなぐ Fuminners(フミナーズ)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング