食物繊維が美ボディのカギ!?正しい糖質制限ダイエット

Fuminners / 2018年5月31日 17時0分

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糖質の摂取量を減らすことで、肥満の改善や予防を目指す「糖質制限ダイエット」。糖質が多く含まれる「炭水化物」を減らすことばかりに目がいきがちですが、炭水化物は糖質と食物繊維で構成されているため、炭水化物を制限すると、同時に食物繊維も不足してしまいます。

食物繊維は、腸内環境を整え、太りにくい身体をつくる手助けをしてくれます。今回は、ダイエットしたいときにこそ摂るべき炭水化物についてご紹介します。

目次

  • 糖質制限ダイエットの考え方
  • 誤った糖質制限ダイエットのデメリット
  • 「やせやすい身体」をつくる食物繊維の働き
  • 糖質制限ダイエットで摂るべき炭水化物

糖質制限ダイエットの考え方

糖質制限ダイエットのメニューに悩む女性

ごはんやパン、麺などの主食類に多く含まれる「糖質」は、身体のエネルギー源となる大切な栄養素です。食事によって摂取した糖質は、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きにより身体中の細胞に取り込まれ、エネルギーとして使われています。しかし、糖質を過剰に摂取すると、エネルギー化されなかった余剰分が中性脂肪として体内の脂肪細胞に蓄積されて体脂肪となり、肥満の原因となります。
 
人間の身体は、エネルギーとして糖質を優先的に燃焼し、その次に体脂肪を燃焼する構造になっています。そのため、糖質の摂取量が少なくなれば、体脂肪が燃焼されやすい状態ができあがることになります。これを活用して体重を減らしていくのが、「糖質制限ダイエット」の基本的な考え方です。

誤った糖質制限ダイエットのデメリット

炭水化物を含む食材

糖質=炭水化物だと思っていませんか? 実は炭水化物は「糖質」と「食物繊維」を含んでいます。そして、日本人は1日の食事のうち、主食であるごはんやパンなどの炭水化物から比較的多くの食物繊維を補っています。糖質を制限するために、過剰に炭水化物を制限すると、炭水化物に含まれている食物繊維の摂取量も減少してしまい、便秘など腸内環境の劣化につながるため、効果的なダイエットができなくなってしまいます。

食物繊維が不足することの悪影響

腸内にいる善玉菌は食物繊維をエサとして食べ、「短鎖脂肪酸」を作り出します。後で詳しく説明しますが、短鎖脂肪酸は、腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌が棲みづらく、善玉菌が棲みやすい環境を整えます。しかし、炭水化物の摂取を過剰に抑えることで、食物繊維の摂取量が減少すると、食物繊維をエサとして活動している腸内の善玉菌がエネルギー不足に陥り、腸内で活発に働くことができません。すると腸内で短鎖脂肪酸が作られなくなり、代わりに毒素を作り出す悪玉菌が増え、腸内環境のバランスが乱れてしまいます。
 
こうして腸内環境が劣化することにより、ひどい便秘に悩まされたり、やせにくくなったり、太りやすい体質になってリバウンドしやすくなったりしてしまいます。

炭水化物を極端に制限することによる悪影響

日本人の腸内には、炭水化物をエネルギー源としている日本人特有の腸内細菌が多く存在していることが明らかになっています。これは、昔からの食生活や風土によるもので、日本人は古くより穀物を多く食べる習慣があったため、このような腸内細菌が多いといわれています。主食である穀物などの摂取を控えてダイエットすることは、日本人の腸内環境に合っていないと考えられているのです。
 
このように、炭水化物を極端に控え、食物繊維が不足した状態で、かつ日本人の腸内環境に合わないダイエットを続けることは、腸内環境の劣化を引き起こし、身体の不調にもつながります。

「やせやすい身体」をつくる食物繊維の働き

大麦の穂

そもそも、食物繊維にはどのような種類と役割があるのでしょうか。
 
実は食物繊維には種類があり、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」、そして「第三の食物繊維」に分けられます。このうち、水溶性食物繊維と第三の食物繊維は、合わせて「発酵性食物繊維」と呼ばれています。
食物繊維はいろいろな種類をバランスよく摂ることがおすすめですが、特にダイエットをするときには、善玉菌のエサとなる発酵性食物繊維を積極的に摂り、善玉菌を増やすことが効果的です。ここでは、これら食物繊維の働きついて解説します。

炭水化物の構成

不溶性食物繊維

水に溶けない性質を持つため、腸内で水分を吸収して膨らんで便のカサを増やして、腸のぜん動運動を活性化し、便通をよくします。さらに、腸内にたまっている不要物を絡めとる役割もあって、腸内環境を整えて、やせやすい身体をつくってくれます。ただし不溶性食物繊維ばかりを摂取すると、排泄力が弱い腸では便が硬くなってしまい便秘が悪化することもあるので注意が必要です。不溶性食物繊維は、穀物、豆類、根菜類などに多く含まれています。

水溶性食物繊維

水に溶ける性質を持つため、腸内で水分を含んで粘度の高い状態となり、食べ物の消化・吸収をゆっくりにし、血糖値の急な上昇を防ぎます。また、コレステロールを吸着して排泄されるため、コレステロール値を抑える効果もあります。また、善玉菌のエサとなって腸内環境を整える働きもあるため、ダイエット時に積極的に摂取すると有効的です。さらに、善玉菌が水溶性食物繊維を食べると、悪玉菌の働きを抑える短鎖脂肪酸がつくり出され、より腸内環境を整える働きをします。水溶性食物繊維は、穀物や海藻などに多く含まれています。

第三の食物繊維

レジスタントスターチなどのでんぷん性食物繊維や難消化性オリゴ糖などのことを指します。これら第三の食物繊維は、善玉菌にすぐに発酵(分解)されない構造のため、大腸の奥まで届いて短鎖脂肪酸を作り出します。大腸の奥にはなんと100兆個もの特に多くの腸内細菌が棲みついているといわれており、大腸の奥にエサとなる食物繊維を届けることは非常に重要なのです。第三の食物繊維は、水溶性食物繊維と合わせて「発酵性食物繊維」と呼ばれています。発酵性食物繊維は特に大麦などの穀物に多く含まれています。

発酵性食物繊維が生み出す「短鎖脂肪酸」とは

善玉菌によってつくり出される短鎖脂肪酸には、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの種類があり、腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌が棲みづらく、善玉菌が棲みやすい環境を整える働きがあります。また短鎖脂肪酸は、腸から吸収されて全身をめぐり、脂肪細胞が脂肪を蓄積するのをストップさせたり、交感神経が全身の代謝を活性化したりするきっかけにもなります。
 
さらに消化管ホルモン「GLP-1」や「PYY」を増加させ、食欲を抑制してくれるので、自然と食べる量が減る効果も期待できます。
つまり、短鎖脂肪酸は、肥満を防ぐ「ヤセ物質」とも言うべき重要な役割を果たしています。
このように食物繊維は腸内環境を整え、やせやすい体質をつくるために様々な働きをしています。
 

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発酵性食物繊維とは|腸内環境の改善!ダイエットや便秘解消に効果的

→発酵性食物繊維について解説しています

糖質制限ダイエットで摂るべき炭水化物

お腹でハートマークを作る女性

糖質制限ダイエットをするときに真っ先に炭水化物を抑えるのは、白米などに含まれる糖質が食物繊維よりも多いためです。しかし、炭水化物の中には、食物繊維をたっぷり含み、糖質が比較的少ないものもあります。ダイエットを成功させるためには、食物繊維を多く含む炭水化物を積極的に摂って、腸内環境を整えましょう。

大麦

米や大麦などの穀物には食物繊維が含まれていますが、中でも大麦は、穀物の中でも食物繊維の含有量が最も多く、水溶性食物繊維・発酵性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスもよい食材です。そのため、白米だけを食べるよりも、白米と大麦を混ぜた大麦ごはんを食べるほうが食物繊維を豊富に摂取できます。
 
通常の大麦(押麦)は100g中の食物繊維含有量が9.6gです。米の食物繊維含有量は100gあたり0.5gなので、比較すると大麦の食物繊維の豊富さが分かります。
例えば、1膳(150g)の白米の3割程度を大麦に変えることで、食物繊維量は0.75gから5.3gとなり、7倍以上摂取できます。1日の食物繊維推奨摂取量は男性で20g、女性で18gですので、3食麦ごはんを食べることで1日の摂取分の7割以上を摂ることができます。
 
さらに、総食物繊維量が押麦の約2倍と豊富な「スーパー大麦」と呼ばれる大麦もあり、押麦に代えて使用することで、さらに効率的に食物繊維摂取量をアップさせることができます。
糖質を抑えるために炭水化物を避けるのではなく、同じ炭水化物でも食物繊維が多く含まれる食品を賢く選ぶようにするとよいでしょう。
 

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スーパー大麦|腸の奥まで届き腸内環境を整える食物繊維

→ダイエットにも有効な「スーパー大麦」について解説しています

ライ麦パン

ライ麦パンは小麦の代わりにライ麦を使用して作られたパンです。普通の食パンと比べて黒っぽい色をしていますが、これはライ麦の全粒粉を使用しているためです。全粒粉とは、麦の表皮、胚芽、胚乳などもすべて粉にしたもので、食物繊維を多く含んでいるのが特徴です。ライ麦パン100gの食物繊維含有量は5.6g。1食分を薄切り2枚、約60gと仮定すると、約3.4gの食物繊維が摂取できます。一方で、小麦は表皮や胚芽、胚乳を除いてから粉にしたもので、粉は白く食物繊維をあまり多く含んでいません。普通の食パンの食物繊維含有量は60gあたり1.4gなので、主食を食パンからライ麦パンに変えることで、2倍以上の食物繊維が摂取できるようになります。
 
いずれも食物繊維が摂れるからといって、たくさん食べすぎるのはよくありませんが、いつもの食事を置き換えることで、リバウンドしにくい、やせ体質に近づくことができるでしょう。
 
監修:松生恒夫(松生クリニック院長)
 
<参照>
『「もち麦」で腸イキイキ革命!』松生恒夫(日本文芸社)
『腸科学』ジャスティン・ソネンバーグ、エリカ・ソネンバーグ著、鍛原多恵子訳(早川書房)
『腸内フローラ10の真実』NHKスペシャル取材班(主婦と生活社)
『キレイにおいしくやせる!スーパー大麦ダイエットレシピ』庄司いずみ 料理、青江誠一郎 監修(永岡書店)
機能性大麦BARLEYmax(Tantangara)経口摂取による睡眠改善効果について 北薗英一 ほか(薬理と治療 Volume 45, Issue 8, 1351 – 1357 (2017))

photo:Getty Images

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