EVの未来を切り拓く「小型パーソナル・モビリティ」とは

FUTURUS / 2014年8月30日 13時1分

最近、各自動車メーカーから新ジャンルのエコカーがモーターショーなどに出展され、注目されるようになった。

国土交通省が「抜本的な省エネ」、「国内市場の活性化」、「高齢者・子育て支援」、「観光・地域振興」の4つをテーマに掲げ、次世代の身近な交通手段を新たに創出すべく「超小型モビリティ導入促進事業」として自動車各社を支援していることがその背景に有る。

ボディが軽自動車よりも小さく、1名、もしくは前後2名のタンデムシートを備えているのが特徴。

クルマを使う程でも無く、自転車で移動するには遠いような距離の移動に適しており、現在実用化に向けて各地で実証実検が行われている。

トヨタ自動車が昨年の東京モータショーに出展して話題になったパーソナル・モビリティ「i-ROAD」などがそのカテゴリーに属する。


■ 街中で小回りが利く小柄なボディを採用

クルマとバイク、その両方のポテンシャルを併せ持っており、全幅は僅か870mmと、普通乗用車の半分程度しか無く、都市の狭い道路でも軽快に移動できるように工夫されている。

ステアリングの切り角に合わせて車体が左右に傾斜する構造となっているのが大きな特徴で、腰高なフォルムにも拘わらず、安定したコーナリングを可能にしている。

その走る姿や運転感覚はまるで屋根が付いた「バイク」のよう。

■ 輸出を念頭に国外でも実証実検

リチウムイオン電池を搭載した排ガスを全く出さないゼロエミッションEVで、今年3月~6月初旬まで3カ月間、首都圏エリアでモニター調査を実施、10月からはフランスの南東部、グルノーブル市に投入して実証実検を行う予定だ。

<トヨタ i-ROADの概要>
リチウムイオン電池搭載
最高速度 60km/h
長さ2.34m 幅0.87m 高さ1.45m
車両重量 300kg、定員 日本1名 欧州2名
最小回転半径 3.0m
航続距離 50Km

■ 日産はカーシェアリングで認知度をアップ

日産についてもルノー Twizy(トゥイージー)がベースの「日産ニューモビリティコンセプト」を使って都市部で導入実験を実施している。

昨年6月に国土交通省の認定を受け、10月から横浜市と共同でカーシェアリングサービス「チョイモビ ヨコハマ」による実証実検を継続しており、会員数は今年8月時点で既に1万人を突破するなど、その認知度を高めつつある。

<日産ニューモビリティコンセプトの概要>
リチウムイオン電池搭載
最高速度 80km/h
長さ2.34m 幅1.23m 高さ1.45m
車両重量 500kg、定員 2名
航続距離 約100Km

一方のホンダも昨年11月より熊本県、さいたま市、宮古島市の各自治体と共同で「MC-β」の社会実験に乗り出している。

同社が2輪車で培った技術を応用、軽量で高剛性なパイプフレームボディを採用、軽自動車よりも全長が約90cm短く、最小回転半径3.3mで取り回し性に優れる。

<ホンダ MC-βの概要>
リチウムイオン電池搭載
最高速度 70km/h以上
長さ2.49m 幅1.28m 高さ1.54m
車両重量 約570kg、定員 2名
航続距離 80Km以上

■ さらに小型のパーソナルEVも

トヨタやホンダは更なるパーソナルユースを追求した超小型EV、トヨタ「ウイングレット」、ホンダ「UNI-CUB」の開発にも取組んでいる。

共に最先端のロボット制御技術により、2輪車ながらも単独で自立姿勢を維持、体重を移動させることで自在に移動することができる。

バリアフリー対応の空間を自在に移動出来るこれらのツールは広大なショッピングセンターや美術館、図書館などで威力を発揮しそうだ。

また海外には遊びの要素を追求した1輪タイプのEV「アーバン グライダー」なども存在する。

航続距離がガソリン車に届かず、販売が足踏みするEVだが、用途やサイズを近距離用に限定した「パーソナル・モビリティ」では持ち前の長所が活かされ、量産効果でリーズナブルな価格が実現すれば、気軽に「ちょっとそこまで」的に乗れる次世代の「足」として広く受け入れられるに違いない。

*参考:国土交通省、トヨタ「i-ROAD」、「ウイングレット」/ホンダ「MC-β」、「UNI-CUB」 /日産「チョイモビ」 /「アーバン グライダー」

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