Appleは3つのビジネス領域を飲み込もうとしている

FUTURUS / 2014年9月13日 12時2分

9月9日、アップルから新型のスマートフォンiPhone 6シリーズと、スマートウォッチのApple Watchが発表された。

iPhone 6シリーズはハイエンドモデルとして(そしてファブレットとしての)のポジションに立つ5.5インチモデルのiPhone 6 Plus、スタンダードモデルとしての役割を持たされた4.7インチモデルのiPhone 6が用意される。

新たにリリースされるiOS8ネイティブなスマートフォンで、HealthKitによるフィットネス情報の管理、HomeKitによるIoTな家電のコントロールなどを視野に入れている。

そしてApple Watchは、iPhoneなどと連動、そして単体でも独自アプリを用いて操作できるウェアラブルデバイス。タッチ操作だけにこだわらず、竜頭というあえてアナログ的なUIを導入することで、スマートな操作感を実現しているという。

単体で見るとハードウェアとしての新しさは感じるが、革新性はいま一歩に感じる。しかしそれでも、新しいアップルのデバイスには多くのユーザーが注目している。何故か。

■ オールイン化が進んだiPhone 6 Plus

iPhone 6とiPhone 6 Plusには、画面サイズ以外にも大きな違いがある。その1つが光学式手ぶれ補正の機能だ。iPhone 6やiPhone 5sが採用した自動手ぶれ補正機能よりはるかに正確にブレを補正する機能であり、コンパクトデジタルカメラの中でも中上位モデルにしか搭載されていない。また高速なオートフォーカスを実現する像面位相差AFも搭載する。iPhone6の価格と同じくらいのコンデジの機能を載せてきたという事実は見過ごせない。

なお5.5インチという大型なボディには、2,915mAhの大容量バッテリーが搭載される。iPhone 5sと比較すると約2倍。画面サイズが大きい(バックライトによる消費電力が多い)が、今までモバイルバッテリーを使わないと日常運用できなかったユーザーにとっては朗報だろう。

■ Apple Payがモバイル決済を変える

Square、Coiney、PayPal、楽天といったモバイル決済システムに注目が集まっているが、これらはすべてクレジットカードを要するものだった。しかしApple Payは違う。

自分のクレジットカードをアウトカメラで撮影してPassBookで登録、購入時はiPhone 6シリーズと専用端末をNFCでペアリングし、TouchIDによる指紋認証がサイン代わりとなる。NFC未搭載のiPhone 5sなども、Apple Watchを使うことで決済ができるようになる。

クレジットカードのデータはセキュアに保管される。さらに店舗とやりとりするのはカード番号とセキュリティコードではなく、暗号化されたDevice Account Numberと、Device Account Numberを元にしたワンタイムコードを用いる仕組み。万が一iPhone/Apple Watch本体を無くしても、クレジットカード番号などの情報は漏れないし、クレジットカード会社に電話をして、カードを止めてもらうフローも必要がなくなる。

店舗側がどれだけApple Payに対応した端末を用意してくれるかがポイントとなるが、この安全性の高さは魅力的だ。

■ 多くのセンサーでユーザーの行動を自然にサポート

Apple WatchはiPhoneと連動することで、手首の画面内にモバイルマップを表示、行き先をナビしてくれる。震動でフィードバックする機能もあり、画面を見ずとも目的地の場所がわかる。

またApple Watch内のセンサーとiPhoneのGPSの両方を使うことで、心拍数のみならず詳細な運動状況の測定も行える。より詳細なライフログが取れるにあたって、フィットネスやダイエットの効率が高まることは間違いない。そして心拍数しか計れないライフログガジェットは、そのすべてが陳腐化してしまう。

9月9日の発表会では触れられなかったが、アップルが今後開拓するであろうホームオートメーションHomeKitと、カーオーディオ・ビジュアルのCarPlayとの接点は確実に増えるはず。そしてApple Watchは、画面へのタッチや腕の動きを何かしらのトリガーとすることも可能なようだ。車内での電話サポートから、画面に特定のグリフを描くことで家の鍵を開ける、腕をふって照明をつける、といったことも可能になると思われる。

アップルが変えようとしている未来。それはアップルがコングロマリットとなる未来なのだろうか。少なくともiPhoneとApple Watchがカバーする分野において、ライバルとなる企業はより強いメッセージを打ち出し、ストーリー性のあるプロダクツを開発しなければ立ち向かえなくなるだろう。

FUTURUS

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