3Dプリンターを宇宙へ飛ばしたNASAの思惑とは

FUTURUS / 2014年9月24日 11時52分

以前、本サイトのFUTURUSでも取り上げたスペースX社の無人宇宙船「ドラゴン」が、現地時間9月21日未明にフロリダ州のケープカナベラル空軍基地から「ファルコン9」ロケットで打ち上げられた。

ドラゴンは23日にISS(国際宇宙ステーション)に到着予定で、実験用マウスや機材などが積み込まれているが、この中に、世界でも初の試みとなる3Dプリンターが含まれていた。

なぜ、3Dプリンターが積み込まれたのか。これにはNASAのある思惑があった。


■ 宇宙空間用3Dプリンターの開発

宇宙に飛び立った3Dプリンターは米カリフォルニア州のベンチャー企業であるMADE IN SPACE社が開発した「Zero-G Printer」という製品だ。

Zero-G Printerは地上で設計されたデータを宇宙に送信することで、数センチ程度の立体であれば15分から60分程度の時間で遠隔操作によって出力することができるとされている。

大きさは電子レンジほどで、これをISS内のESA(欧州宇宙機関)の実験装置に設置し、実際に宇宙空間で複雑な形状の立体を作ることができるかどうか、その性能が検査される。

もし地上で設計された立体が宇宙空間でも出力できることになれば、全ての部品を宇宙船で地上から運ぶ必要が無くなるかもしれないのだ。

MADE IN SPACE社では既に、より強度が高く頑丈な工具なども出力できる次世代機の開発も進めている。


■ 宇宙開発で3Dプリンターが期待される理由

3Dプリンターを宇宙に打ち上げたNASAの思惑はどのようなものだろうか。

3Dプリンターが宇宙空間でも使える様になれば、補給船を待たずに部品が作れるようになる。

例えば宇宙で故障が発生した際に、その修理に必要な部品や特殊な工具がその場で調達できるようになれば、補給船を飛ばすという膨大な時間とコストが節約されるのだ。

また、もっと壮大な期待もある。

例えば、いずれ火星に有人宇宙船を飛ばそうとしたとき、数年間の宇宙飛行に必要な物資は膨大な量になる。

これを現地、つまり火星にある資源を利用して基地の健在などを作ることができれば、宇宙船には地球から運び込む資材を減らした分だけ食料などを多めに積むことができるとNASAは考えている。

そのためにも設計データさえあれば現地で立体を作る技術を開発する必要があるのだ。

Zero-G PrinterのISSでの実験は、まだまだささやかな実験の様に見えるが、これは宇宙での物作りの可能性に向けた大きなチャレンジとなる。

この電子レンジほどの装置が、壮大な可能性を秘めているかもしれないのだ。

*画像出典:Made In Space | Additive Manufacturing in Space、Off-World Manufacturing is Here | Made In Space、3-D Printing Enters The Final Frontier

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