ヤバいときには自らを破壊して情報漏洩をふせぐ忠実なSSD

FUTURUS / 2014年10月13日 12時2分

2013年にアカデミー作品賞を受賞した映画『アルゴ』は、1979年にテヘランのアメリカ大使館が群衆に襲われるところから始まる。大使館員はいそいで機密書類をシュレッダーにかけたり焼却したりしようとするが、これが現代であればPCやストレージを破壊するのだろう。

それほどの情報セキュリティを要求される仕事がどれほどあるのかわからないけれど、イギリスのSecureDrivesというメーカーが、かなりインパクトのあるSSD(フラッシュメモリを使った記憶媒体)を発表した。どうインパクトがあるかというと、情報が漏洩しそうになったときには自らを破壊してデータを読めなくしてしまうというのだ。

情報漏洩しそうなときには自らデータを破壊する

Autothysis128tという製品名のこのSSDは、128GBの容量を持つSED(データ暗号化機能を備えた記憶媒体)だ。SATAIIのインターフェイスを使ってコンピューターに内蔵させて使うこともできるし、マイクロUSB3.0ポートを使って外付けで使うこともできる。

そしてこのAutothysis128tは、GSMによる通信機能を持っている。GSMは日本や韓国をのぞく多くの国で使われている携帯電話の規格だ。つまりAutothysis128tは携帯電話の契約も必要なのである。そして、そのGSM通信によって指令を出すと、自らに記憶されているデータを破壊する機能を持っている。

NAND型フラッシュストレージで自己破壊機能を持っているものはこの製品が世界初。そしてデータが破壊されると、どんな方法でもデータを復元することはできないという。

データ破壊指令の発動はさまざまな条件を設定できる

Autothysis128tが自らのデータを破壊する条件としては、さまざまなものを設定できる。たとえば、
・ショートメールによる「破壊指令」
・GSM信号が途切れること
・バッテリー容量の低下
・PCからAutothysis128tを取り出そうという行為
などなどで、こういった条件にあてはまると、自動的にデータを破壊するように、ユーザーが任意で設定できるのだ。

なお、このAutothysis128tには、SSDそのもののほかにTokenという別体のコマンダーがセットになっていて、そのTokenを通じて設定をしたり、ユーザーの認証をしたりするようになっている。1つのSSDには3つまでTokenを割り当てることができ、また、1つのTokenには3つまでSSDを割り当てることができる。

価格は、1年間のGSMの契約も含めて1027ポンド。2年目以降はGSMの契約継続に年29ポンドかかる。じっさい、ストレージのデータをまるごと破壊するというのは、平常時ならば大変な損失のはずだから、よっぽどの事態ということになるだろう。ということは、ほとんど保険みたいなもので、おそらくはこのデータ破壊機能は使わないし、むしろ使わないに越したことはないわけだ。

それでもこの額を出して情報漏洩を防ぎたいというほどの機密情報を扱っている政府関係者、企業向けの製品だ。GSM規格を使う以上、日本では使えそうにないが、自己破壊機能が作動するような状況を想像すると、ちょっとドキドキしてくる製品である。

*出典:SECUREDRIVES

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