人口衛星の打ち上げが大変なので気球から発射してみた

FUTURUS / 2014年10月24日 11時20分

人工衛星を軌道まで打ち上げるのには、たいへんなエネルギーが必要だ。

しかし、あくまでも小型の衛星にかぎっての話だが、従来とは大きく異なる考え方で人工衛星を打ち上げる方法を開発中の企業がある。その方法とは、気球で成層圏まで上昇してからロケットによって打ち上げるというものだ。


■ 空気抵抗を気にせずロケットを打ち上げられる

Bloostarと名づけられたこのシステムを発表したのは、zero 2 infinityというスペインの企業だ。すでに高度30kmの上空まで気球を飛ばす技術を持っている同社は、ヘリウムガスの気球でロケットを上空20kmまで運び、そこでロケットに点火をして、人工衛星を打ち上げるという計画を立てた。

真空に近い上空でロケットを飛ばすことにより、空気抵抗を大幅に低減するとともに、引力によるロスを減らすこともできる。それによってかなり打ち上げコストを抑えることができるというのだ。

気球は船から離陸させることを考えている。風速とのバランスをとることが容易になること、衛星に適した場所から打ち上げることが可能になることなどがその理由だ。

そしてロケットの形状もユニークだ。

空気抵抗をほとんど考える必要のない高度から打ち上がるため、タンクを兼ねた本体はこのようなドーナツ形をしている。大きいドーナツの1段目の中に小さいドーナツの2段目が入り、そしてその中に人工衛星を積んだ3段目が入るという構造だ。

この構造だと、上昇中にすべてのロケットエンジンを噴射することも可能だ。

そしてエンジンは本体内の圧力で燃料を噴射する原理になっていて、通常のロケットエンジンのような複雑なターボ機構を持たない。したがって故障の心配も少ない。

3段目には最大で75kgの重量のものを積んで、600kmの太陽同期軌道まで運ぶことができるという。

■ 小型衛星打ち上げの自由度が上がる

現在、小型の人工衛星は、大型の人工衛星の打ち上げの際にあまった場所を間借りするような形で打ち上げられる。そのため、主衛星の都合でスケジュールが延期になったり、軌道の選択肢に自由度が少なかったりと、いろいろ不都合を強いられる。

しかし、このような形でローコストな打ち上げが可能なら、小型衛星は打ち上げしやすくなり、活躍の場が広がる可能性があるのだ。同社では2017年までにこの計画を実現したいとしていて、すでに小型人工衛星の製造者からも打ち上げの依頼を受けているという。

2013年にはタンク形の機体を27kmの高度まで上昇させるテストを行い、今年9月には、炭化水素と酸素を使った圧力噴射タイプのエンジンの実験も行っている。単なるアイディアどまりではなく、近い将来に実現しそうな技術なのだ。

*出典:Boostar

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