どうなる燃料電池車!普及に向けた第2幕がスタート

FUTURUS / 2014年11月14日 11時1分

トヨタがついに、燃料電池車の量産にチャレンジする。

今年6月25日、大型展示施設「メガウェブ」(東京都江東区)で発表の際、「700万円程度で、本年度末までに販売する」(同社・加藤光久取締役副社長)と公言していた。


■ 長かった下済み時代 花開かせるためには、さらなる努力必要

トヨタが燃料電池車の研究開発を始めたのは、いまから22年前の1992年だ。当時はまだ、プリウス(1997年、初代発売)の基本構想が練られていた頃。

マスコミは次世代車ではなく、ガソリンに対する「代替燃料車」という言葉を使っていた。

その後、燃料電池車の開発が大きな山場を迎えたのは、2000年代前半。日米欧で各国が普及促進に向けて、開発競争が激しくなった。日本では小泉純一郎総理(当時)が首相官邸周辺で、トヨタとホンダの試作車に同乗試乗し、話題となった。

トヨタは2002年12月に普及初期型を完成させ、内閣府をはじめ合計17台を試験的にリースした。

2005年7月から、水素の満充填状態での航続可能距離を330km、モーター出力を90kwとしてバージョンアップ。

さらに2008年6月からは同830kmとなり、マイナス30度の寒冷地での始動もクリア。日米欧で100台以上がリースされた。

こうして燃料電池車の開発は順調に進んできたが、普及の速度は遅かった。それどころか、2000年代中盤には、欧米各メーカーが開発のコストパフォーマンスが悪いとして開発を中断。

こうした流れをうけ、マスコミは「燃料電池車は死んだ」と報じることもあった。

■ 2013年東京モーターショーから普及に向けて一気に加速!

燃料電池車の立場が大きく変化する時が来た。2011年3月11日、東日本大震災だ。新しいエネルギーの必要性が高まり、また緊急時の「クルマからの給電」に関心が高まったのだ。実際にトヨタは震災後、プリウスやプリウスPHVに外部給電オプションを設定している。

そして2013年の東京モーターショー、トヨタは次世代型燃料電池車「FCVコンセプト」を発表。水をイメージするような、透き通った深いブルーボディが特徴的な4ドアセダン。水素タンクをトヨタが内製、モーター等の電装品はプリウスとの共通性を高めた。

高性能で高信頼性があり、価格は一般高級車レベルで、燃料電池車販売の目途がついたのだ。トヨタの燃料電池車に対する積極的な動き、さらには経済産業省が推進する水素社会への取り組みにより、ホンダ、日産も近年中にリースだけではない、売り切り型を考慮した燃料電池車を販売する見込みだ。


■ 課題は、やはりインフラの普及

だが、やはり大きな課題は、水素ステーションの普及だ。

経済産業省が今年4月時点で説明した水素ステーションの数は、首都圏23件、中京圏10件、関西圏4件、北部九州圏4件の合計41件だった。

また、今年10月に世田谷区が後援した、「水素・燃料電池新時代」と「電力自由化」のセミナーで、同省資源エネルギー庁関係者は、「移動式ステーションを含めて、普及初期段階で全国45件を目指す」と説明した。都心でも、東京タワー近くなどで用地を確保している。

こうした水素ステーション、価格は4~5億円と高価だ。各省庁が連携して行なっている規制緩和により、今後5年間で価格は2億円まで下がる見込みだ。しかし、投資に対するリターンは、当面の燃料電池車普及台数を考えると、ステーション事業者にとっては厳しい状況が続く。

燃料電池車を本格普及させるには、国とメーカー、さらにインフラ事業者が一丸となって、「是が非でも、普及させる」「絶対にあきらめない」という、強い意志を貫くことが重要だ。

究極のプロダクトアウト型商品である燃料電池車を普及させるには、それしか方策はない、と思う。

FUTURUS

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