窓の無い飛行機の狙いは、実はエコだった

FUTURUS / 2014年11月15日 14時5分

フレキシブルエレクトロニクス関連の製造技術を開発するイギリスのCPI社(Centre for Process Innovation)が、客室の窓を全て無くした飛行機のコンセプトを発表した。

窓が無い代わりに、壁や天上、座席の背後などに有機ELディスプレイを敷き詰め、小さな窓から覗くより開放的な外部の風景を映し出そうというのだ。

まるで座席と床だけで空を飛んでいるような気分になりそうである。

なんとも奇抜な、というか思い切ったアイディアだが、実はこれ、目的は乗客を驚かせることでは無かった。

■ 窓を無くしてディスプレイにする真の狙いは低燃費

CPI社が、この窓が無く、壁中がディスプレイになる飛行機を作ろうとしている理由は、燃費の向上とCO2排出量の削減だった。

CPI社によれば、1%の重量を減らせれば、0.75%の燃費削減が可能だという。

現在の旅客機は、窓を設置することで、機体の壁の強度を落とさないために壁を厚く頑丈にしている。ここから窓を取り払ってあげれば、機体の壁はもっと薄くできるというのだ。

その結果、窓があるときよりも軽量化でき、燃費が向上する。

そして窓が無くなった分、壁と天上は自由に使えるので、乗客に閉塞感を与えないために有機ELスクリーンを張り巡らせようというのだ。

乗客は機体の外部に取り付けられたカメラが撮影した景色を、このディスプレイを通して楽しむことができる。小さな窓から覗く景色よりも、却ってダイナミックで開放的な景色を楽しむことができるだろう。

あたかも壁が無い飛行機か、全体がガラス張りになっている飛行機に乗っている気分を味わえるはずだ。

また液晶ディスプレイには、実際の映像だけで無く、様々な追加情報を映すこともできる。

自分の手が届く範囲でタッチすれば、映画を楽しむ為のディスプレイにもなるし、飲み物を注文するための画面も表示できる様になる。

窓を無くす効果は燃費向上と開放的な映像だけではない。窓の位置に合わせて座席を設置する必要が無くなり、シート自体も大きくできるため、乗客はより快適にくつろぐことができる。

■ 10年以内の実現が見込める

現在は、せっかく空の旅をしていても、窓側に座った人が小さな窓から外をのぞき見ることができるだけだった。

これが壁中が外に広がる景色を映し出すことで、どの座席に座ったかということは余り問題では無くなるだろう。

CPI社の見込みでは、この技術は10年以内に実現できるのではないかという。

空の旅をより快適にしながらも、低燃費を実現し、CO2削減にも貢献するという窓無し飛行機の実現は、それほど遠くは無さそうだ。

*画像出典:windowless fuselage – The Centre for Process InnovationThe Centre for Process Innovation

FUTURUS

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