未来の宇宙望遠鏡が、理解の及ばないほどに壮大だった

FUTURUS / 2014年12月12日 11時1分

1990年に軌道上に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡は、すばらしい天体の画像をわれわれにもたらしてくれた。宇宙望遠鏡は大気や天候の影響を受けず、つねに鮮明な画像を得ることができるのだ。いっぽうで、ハッブル宇宙望遠鏡の主鏡の口径は非常に大きく2.4m。地上にある巨大な反射望遠鏡は主鏡の口径は10m以上にもなる。

反射望遠鏡は口径が大きいほど性能がいい。より多くの光を集めることができるので、暗い天体も見ることができるし、解像度も上がるのだ。しかし、あまりに大きい主鏡を持つ望遠鏡を宇宙に打ち上げることは不可能だ。

ところが、従来の鏡の概念を大きく変える構造を持つ天体望遠鏡のアイディアを、アメリカのロチェスター工科大学の研究者とNASAのジェット推進研究所が発表した。ロチェスター工科大学のウェブサイトに掲載されている。

その記事は「望遠鏡のレンズは、将来スプレー缶に入れられて運ばれるようになるかもしれない」という、まったく意味不明な文章で始まる。どういうことか。この研究チームは、未来の望遠鏡の形として、缶から出された微粒子のスウォーム(群れ)がレーザーでコントロールされてレンズを形成するという新しい宇宙望遠鏡の研究をしている。

自律的に動くロボットテクノロジー、あるいは”スマート粒子”と光学技術を融合させる。スマート粒子はフォト・ポリマーと呼ばれるものや、感光性のプラスチックに金属コーティングを施したものになる。その粒子を使って、レンズを形成させようというのだ。

■ レーザー光による放射圧を使う

そのスマート粒子のスォーム(群れ)は、直径数十mから、それこそ数千kmまで広げることができるという。これは、「オプティカル・リフト」と呼ばれる、レーザー光による放射圧で微細な物体の位置をコントロールする技術を活用したものだ。光を反射する微粒子がレンズを形成したり、センサーへと光を集めたり、長い検知器の列を形成したりする。そして、太陽系外の惑星に浮かぶ雲までも見ることができる望遠鏡が実現するというのだ。

レンズの形成に関しては、センサーが十分に働けるだけの光を集めることができるように微粒子をコントロールする技術がいまのところの課題だという。

また、研究者であるGrover Swartzlander准教授は、この望遠鏡が直接的に出力するのは、斑点のまざった粗い画像だと予想している。そこで、研究スタッフのひとりXiaopeng Peng氏は、センサーが受け取ったぼんやりした画像から、有効な情報を抽出するアルゴリズムの開発を行っている。

これはまだまだ本当の次世代のための技術で、これから20年、30年かけての開発を想定しているようだ。Swartzlander准教授は「われわれの目標は、先進のコンピューター画像技術と放射圧コントロールの技術を融合させて、粗い画像を生み出すことだ」と話す。「そうすれば、アルゴリズムやコントロールシステムの改善のロードマップを描くことができる」。

実用化されたあかつきには、現在からは考えられないほど、遠くの宇宙の情報を詳細に得られるようになるのかもしれない。早死にできない理由がまたひとつ増えた。

*参照および画像出典:R・I・T UNIVERSITY NEWS ー‘Smart dust’ technology could reshape space telescopesー

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