排出するだけの熱がエネルギーに変わるとき

FUTURUS / 2014年12月15日 12時1分

火力発電所も、原子力発電所も、発生させた熱エネルギーを使って発電を行う。しかし、その熱はすべてエネルギーに変えられるのではなく、残りは空気や海水などに放出される。

ガソリンを燃やして走る自動車でも、残りの熱はラジエターを使って空気中に放出されている。そういった低い温度の熱エネルギーはいまのところ効率よく利用することができず、もっぱら捨てられているだけなのだ。

しかし、その低い温度の熱もエネルギーとして活用することができれば、地球温暖化対策に役立つはずだ。そういうコンセプトのもとに、低い温度の熱で発電をすることができるバッテリーを、ペンシルベニア州立大学の研究チームが発表した。同大学のウェブサイトで発表されている。

これまでも、低い温度の熱を活用する研究は行われてきたが、生み出せるエネルギーがあまりにも少なかったり、安定して供給できないなどの難点があった。

同大学のBruce E. Logan教授らのチームは、この問題を解決する方法として、銅を電極に使い、陽極液にアンモニアを加えた、熱で充電できるバッテリーを開発した。

■ 陽極と陰極を入れ替える

そのバッテリーは陽極近辺のアンモニアを使い果たすか、陰極近辺の銅イオンがすっかり減るまで作動するという。この手のバッテリーは、再充電が可能でなければ使い物にならない。しかし、研究チームは外からの低い温度の熱を使って、陽極液のなかのアンモニアを蒸発させ、それを陰極側の部屋に再充填するという方法を考えた。

そうすれば、これまで陰極だった側が陽極になる。これまで陽極だった側の電極には銅が付着していて、今度はこちらが今度は陰極になる。そうやって、アンモニアを入れる部屋を入れ替えるのだ。そうすると電極に付着する銅の量もコントロールできる。そうすることで、安価で効率のいい熱発電式のバッテリーを作ることに成功したのだ。

この方法ならば、化学的なエネルギーの29%を電気に変えることができるという。また研究者によれば、まだ改善の余地が大いにあるため、将来的にはもっとパワーを引き出し、コストを下げることが可能だと考えている。

実際、PCにしろスマートフォンにしろテレビにしろ、動力源を持つものは、必ず廃熱を出しているといっていいだろう。そんな廃熱をもっと活用できる未来の到来を期待したい。

*参照および画像出典:The Pennsylvania State University -Low-grade waste heat regenerates ammonia battery-

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