水素の製造がより安価になるかも

FUTURUS / 2014年12月25日 17時15分

未来を嘱望されている燃料電池車(FCV)。その燃料は水素であることは広く知られているが、その水素の製造方法、そしてその製造コストについてはあまり意識されていないのが現状である。


■ 水素製造方法

水素は天然ガスや化石燃料から取り出すことが可能。ただしこの方法は原料が必要な上、副産物として一酸化炭素、二酸化炭素を排出する。水を電気分解すればクリーンに水素を得られるが、当然電気が必要だ。

水素自体は地球上にたくさん存在する物質だが、それを燃料として生成するにはいずれにしてもエネルギーを使い、このエネルギーコストが水素のコストに強く反映される。

またおおがかりな設備となる水素製造工場を街中に設置することは難しい(参考:水素のはなし第9回 – 水素・燃料電池実証プロジェクト )。

■ 多孔質グラフェンで水素を低コストに

科学技術振興機構、東北大学が共同発表した研究は、従来高価な貴金属触媒である白金を利用して電気分解を行っていたが、多孔質グラフェンを利用することで水素を発生させるもの。

水素発生用電極として白金がもっとも優れていることは明らかだが、水素生成設備で白金を利用すると当然のことながらコストが高くつく。水素ステーションへ水素を運搬・貯蔵させるだけではなく、水素を水素ステーションで生成して供給することを考慮し、安いコストの設備が求められている。

そのため白金を利用しない代替材料の研究が進んでいるが、窒素と硫黄を少量添加した「3次元ナノ多孔質グラフェン」を作製、これを電極として利用すると白金代替金属として期待されているニッケルと同等の電気エネルギーで水素を発生することが可能というもの。多孔質のため表面積が広く、電極および装置の小型化が可能だ。低コストかつ、小型であれば水素ステーションに設置しやすい。

■ 水素ステーションへの設置

水素ステーションの設置とFCVの普及は両輪である。このバランスをとるためには、両者順当に普及させなければならない。充電スタンドでは電気自動車の普及にともない、スタンド不足、待ち時間増加によるトラブルが発生している。ただ電気の場合は売り切れ、という事態は発生しない。

しかしガソリン同様、タンクに貯蔵する水素の場合は「売り切れ」という事態も発生しうる。そんな場合、水素ステーションで電気分解によりその場で水素が作れたらその問題は解消する。これは顧客満足度と売上の観点からも好ましい。

将来計画に合わせ水素ステーションの設置が進んでいるが、これに弾みをつけることを期待したい(参考:当社商用水素ステーションの開所について | 2014年度 | ニュースリリース | JX日鉱日石エネルギー )。

*参考:共同発表:貴金属触媒を使わない水素発生電極の開発~多孔質グラフェンで、水素を低コストで大量に発生~

FUTURUS

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