神秘的かつ壮絶!大気圏再突入のムービー

FUTURUS / 2014年12月25日 11時1分

すでに500人をこえる人間が宇宙に行っている(JAXAウェブサイトより)。そのすべてのひとたちが体験しているのが大気圏再突入だ。高速で落下する帰還船は大気との摩擦でたいへんな高温になる。宇宙船にとってもっともタフな時間だ。そんな大気圏再突入の様子をオンボードカメラで撮影した動画をNASAが公開した。

これは12月にNASAが打ち上げたオリオン宇宙船の映像だ。現在オリオン宇宙船は無人での試験飛行の段階だが、将来的には有人飛行が予定されている。いずれは、宇宙飛行士たちがこの光景を肉眼で見ることになるわけだ。

オリオン宇宙船のフライト中のオンボード映像は随時地球に送られていたが、この映像だけはリアルタイムでは見ることができない部分を含んでいる。なぜなら、再突入の際に宇宙船をつつむ超高温のプラズマのせいで、通信が不可能になるからだ。

■ 窓から見えるのはプラズマの光

映像が始まるのは着水の10分前から。映像の中にあらわれる強い光が、高温によるプラズマだという。時速2万マイル(約3万2,000km)の高速で大気と摩擦を起こし、イオン化されたガスが発光する。

オリオン宇宙船の耐熱シールドがもっとも高温になるのは映像開始から2分以内だ。温度が変わるにつれて白から黄、薄紫からピンクへとプラズマの色が変わっていくところも見ることができる。最高温度は華氏4,000度(摂氏約2,200度)に達したという。

オリオン宇宙船にかぎらないが、再突入の際は地表に対して垂直に落下するわけではなく、周回軌道から高度を落としていくので、プラズマが消えた後方にはまだ地球の表面も見える。途中、ジェットを噴射して姿勢を制御している場面では説明の字幕も入る。やがて空は青く変わり、パラシュートが開いて時速20マイルまで減速。洋上に着水する。

その4.5時間の初フライトで高度3600マイル(約5790km)の宇宙へ旅したオリオン宇宙船は、このあとNASAとアメリカ海軍とロッキードマーティンのチームによって回収され、フロリダのケネディ宇宙センターへと戻ってきた。

このオリオン宇宙船は、将来火星への有人探査を予定して開発されている。今回のテストでは耐熱シールドをはじめとして、良好な結果が得られたという。

もちろん、これまでも大気圏再突入の際の映像がないわけではないが、やはり鮮明さやアングルなどの面で臨場感が高く、現代の映像ならではという感じだ。テクノロジーうんぬんの前に、すばらしく荘厳な映像ではないだろうか。それでは、下の動画をどうぞ。

*参照:NASA、JAXA宇宙情報センター

*画像:NASA/Dimitri Gerondidakis

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