期待できるか、観光誘致としてのIngress

FUTURUS / 2014年12月29日 11時1分

Google社内のスタートアップ、ナイアンティックラボが提供しているスマートフォンゲーム・Ingressと行政が手を組むケースが増えてきた。

2014年5月に宮城県石巻市でIngress Meetupが開催され、9月には岩手県も「岩手県庁Ingress活用研究会」を発足して「ポータル探して盛岡街歩き」をいうイベントを開催している。そして12月18日には神奈川県横須賀市もIngressを活用した観光キャンペーンを発表した。

横須賀市は情報サイトの「STRATEGY BASE FOR INGRESS IN YOKOSUKA」で、横須賀の三笠公園や猿島、どぶ板通りといったスタンダードな観光地を繋ぐルートのほか、鷹取山にスポットライトを当てたハイキングコースも提案。さらにミッションの登録も行っており、はじめて横須賀を訪れる人でもIngressを使うことでしっかりと観光できる施策を講じている。

また三笠公園から無人島の猿島への航路は、レベル2以上のIngressユーザーに限り料金が1,300円から650円と半額になる「Ingress割」を提供(土日のみの運行。2月28日まで)。

元来冬場は観光客が減るシーズンだそうだが、観光キャンペーンを発表後はIngressユーザーが渡航し、ゲームプレイを楽しんでいるとのこと。

天空の城ラピュタの世界を感じさせる景色も楽しめる猿島。洞窟のほこら、砲台跡や元弾薬庫など、猿島の歴史を刻む場所がIngressの画面で確認できる。

猿島に限らず横須賀市は積極的にポータルという、Ingress上の戦略ポイントを市内の各地から申請しており、ゲームプレイ時の充実感を高めようとしている。

三笠公園にある戦艦三笠艦内からでなければアクセスできないポータル、クリアできないミッションもある。積極的に遊んでもらいながら観光を楽しんでもらおうという意識が感じられる。

なお三笠では三笠秘蔵連合艦隊コレクションという、日露戦争・太平洋戦争時および海上自衛隊の船舶模型の展示イベントが開催されていた。

横須賀は艦隊これくしょん(艦これ)ファンが多く訪れる土地であり、そのプレーヤーも楽しめる。

折しもIngressには、ゲーム内のミッション(一種のオリエンテーリング)をクリアすることで得られる実績要素「SpecOps」が実装されたばか り。歴史が深く、風光明媚な観光地は元来Ingressの向きの場所であり、多くのユーザーがオリジナルの観光ルートをIngressのミッションとしてアウトプットすれば、さ らに多くのユーザーにとってゲーム内の実績も多く得られる魅力のあるプレイスポットに育っていく。

そして横須賀市のIngress観光キャンペーンは、このIngressの性質・本質を深く理解しているものと感じた。実際にお話させていただいた現場のスタッフはガチ勢と呼べるようなプレーヤーだった。

一過性に終わるものではなく、映画やドラマ、アニメ作品の舞台となった土地をめぐる「聖地巡礼」に続く新たな観光誘致の施策としてIngressが活用できるか否か。彼らが手がけたこのイベントの成果で占えることだろう。

FUTURUS

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