通勤風景さえ違って見える?電池要らずのApple専用ノイズキャンセリングイヤホン

ガジェット通信 / 2012年1月8日 15時0分


首都圏に暮らすサラリーマンにとって、通勤時間は人生の1割を過ごす大切な場所である。
結婚して子どもが生まれれば、それは唯一1人になれるとても貴重な時間にもなる。
しかし、電車での通勤空間はせっかくのプライベートタイムを妨害するものにあふれている。
朝の混雑、夜の騒音、予期せぬ遅延。お気に入りのカーコンポで好きな音楽に囲まれながら、悠々と車で通勤する地方のサラリーマンが羨ましくなる。
せめて地下鉄の騒音からだけでも逃れられればと思いボリュームを上げると、周囲からの冷たい視線にさらされるだけ。
だから、ノイズキャンセリングのヘッドホンは、ちょっとした憧れだった。
Boseの『QuietComfort』なんて最高だ。いかにも高品質そうな金属の質感と外を遮断する分厚いイヤークッション。このヘッドホンを付けて目を閉じているイケメン外国人の広告写真を見ると、別世界にいるのだろうと想像してしまう。
とはいえ、ヘッドホン本体に加えて、電池ボックスまでついている重装備は、通勤カバンに入るものではない。ITベンチャーのギークなプログラマーならともかく、普通のサラリーマンがヘッドホンをぶら下げた通勤カバンを持って歩けない。そもそも少ない小遣いでは断線が怖すぎて、高額な精密機械を通勤電車の中で使う気にはとてもなれない。
そう思っていた矢先に見つけたのが『Blackbox-i10』!
※すべての画像をごらんになりたい方はhttp://getnews.jp/archives/160961をごらんください。
カナル型イヤホンで大きさが普通のイヤホンサイズであるばかりでなく、なんと、ノイズキャンセリング方式につきものの電池ボックスがない!
それもそのはず、『iPhone(iPod、iPad)』専用設計なので、Dock接続することで、電源も音もいっしょに供給されるという優れもの。
つまり普通のイヤホンとほぼ同じコンパクトさで持ち歩けるのだ。
価格は1万円程度。カナル型イヤホンとして見ると高級品に入る。しかし、ノイズキャンセリングイヤホン、それもデジタルタイプとしては他メーカーより断然安い。それに電池ボックスがないとくれば、これはお買い得かもしれない。

届いたパッケージはコンパクト。中には持ち運ぶキャリングケースと替えの3種類の大きさのイヤピース、そして説明書が入っているシンプルな構成。
本体だけを見ると、高級感がややあるもののカナル型イヤホンとなんら違いはなく、実にコンパクトである。
説明書は英語だが、使用方法がわかっているイヤホンなので読む必要はあまりないだろう。

使い方は簡単で、『iPhone』の底面にあるDockコネクターに挿し込むだけ。特にアプリなどを使う必要もなく、標準のiPodアプリであとはいつもどおりお気に入りの曲を鳴らせばよい。
コンパクトさにひかれて入手したものの、気になるのは音質とノイズの消し具合。
なにせ、以前に某国産メーカー製のノイズキャンセリングイヤホンで痛い目をみた過去があるのだ。
そのときもほぼ衝動買いだった。今のように『iPod』などが流行る前なので、電池ボックスは外付けだったが、それでも単4電池1本でまあ我慢できる程度だった。価格も同じように1万円程度。
しかし、音がひどかった。
ノイズキャンセリングヘッドホンやイヤホンの原理は、外の騒音をマイクで拾ってアンプに送り、アンプでその波形の逆の信号を出力して音楽に加えて出力し、騒音を打ち消すというもの。
当時はアナログ回路低音部の騒音がわずかしか低減できず、アナウンスは聴こえないが地下鉄の騒音はそこまで変わらないレベル。おまけに無音部分でシャーっというFMラジオのようなホワイトノイズが聴こえてあまり使い物にならなかった。
イヤホン自身の音も低音が聞こえず、結局1か月もしないうちに普通のイヤホンに戻してしまった。聴きたいのは落ち着いた低音。それがこの状態では話にならない。
今回の『Blackbox-i10』は、名前にやや怪しげな響きがあるが、サイトでチェックすると、なかなか期待が持てた。
まず飛行機のノイズキャンセリングイヤホンのシェアがトップのPHITEK社のシステムを使っていること。そんな高級品が貸与されるビジネスクラスに乗ったことがないから試してはいないが、世界のVIPがこの技術を使っているのだから期待も高まる。特に低音部が重点的にカットされるセッティングになっているらしい。
そして、それまでの同種製品が胸のリモコン部分にマイクを仕込んで音を拾っていたのに対し、『Blackbox-i10』はイヤーピースの部分にマイクを仕込んで場所による音の差をなくしているという。

マイクを仕込んでいるので形状は普通のカナル型イヤホンより若干大きい。標準サイズのイヤホンと比べてみると横の張り出しが大きいことがわかる。
なんとも形容しがたい独特な形をしているが、耳にはめると耳の穴だけではなく、その周りも上手い具合にふさぎ、音漏れとマイクの分の重量感を押さえてくれるようだ。
フィット感は普通のカナル型イヤホンよりも気持ちがいい。
で、聴いてみた。
正直、すばらしい!
通勤電車で装着すると見事に騒音が遮断される。目をつぶって普通の音量(音漏れには無縁の小さめの音量)で聴いていると、いつ電車が地上から地下へ入ったのか気がつかないくらいだ。
仕様を確認すると騒音低減レベルは20db。国産の同価格帯の製品が10dbなので、圧倒的な差だ。
それでいて、電車のアナウンスは小さいながらもちゃんと聴こえる。

胸に付けるリモコンも小さい。試しに以前の携帯電話に付いてきたリモコン形イヤホンのリモコン部と比べてもこのとおり。
スイッチは、音量調整(Doc接続なので『iPhone』本体のボリュームは使えない)と会話用のマイクスイッチがあるだけだが、それで充分。
スイッチを押すとノイズキャンセリング機能をキャンセルして、マイクで音を拾うと同時に音楽も消してくれるので、会話は外しているときよりむしろ良好になるくらいだ。
音質は、予想に反して太い低音ときめ細かい定位で、カナル型イヤホンとしては驚くべく高音質。『iPhone』の標準イヤホンとは比べるレベルもなく、普段使っている5千円程度のカナル型イヤホンよりずっといい。これは想像以上にうれしい!
ノイズキャンセリング機能とあいまって、地下鉄の中でクラシック音楽や、ロックのベースやバスドラの音が楽しめるなんて、まったくもって驚くほかない。
そして、普通でも減少激しい『iPhone』のバッテリー消費が心配だったが、それも1時間の通勤で5%も減っていない(音楽のみ聞いた場合)。
いいことばかり書いているので、ちょっと気になることを2点ばかり。
1点はリモコン部分のボリュームスライダー。最大にするとかなり大きい音まで出せるのだが、逆にスライドの幅が狭いので小さいところの音量調整が難しい。電車で揺られながらだとつい大きくなったり、逆に聴こえなくなったりする。あと最小にして消音にしようとしても少し音楽が聞こえてくる(『iPhone』のiPodアプリをポーズにすればいいだけだが)
2点めは、Docに抜き差しするときに大きく“ボツッ”という音が出る。鼓膜を破るまで大きくはないが、慣れるまではちょっとびっくりする。
せっかく気分よく夢の世界にいたのに、降りる際、あわてて外すとこの音が雰囲気を台無しにしてしまうのが少し残念だ。

しかし、全体的に見ればささいな話。
周囲の騒音が全て消えるので、まるで電車の中や窓から見る景色が映画のスローモーションやフラッシュバックのように見えてくる。
誇張ではなく、本当にそういう感覚になるのだ。
毒をもって毒を制す大音量ではなく、高品質なノイズキャンセリングシステムによる消音がこんなにも感覚に影響を与えるとは思わなかった。
普通のイヤホンとまったく同じハンドリングで済むコンパクトさもあって、もうこのイヤホンからは離れられなくなりそうだ。
※この記事はガジェ通ウェブライターの「野水 克也」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
元TVカメラマンで、零細建設業経営者を経て、今はIT企業でマーケティングの仕事。
中学生になった二人の子供に給料を搾り取られて、自分のためにはなかなか使えないお年頃。
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