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映画クロスレビュー:『リメンバー・ミー』ガジェ通記者が100%で嗚咽! 「重いテーマなのに軽やか、誰もが感情移入出来る大傑作」

ガジェット通信 / 2018年3月15日 15時30分

3月16日より公開となる映画『リメンバー・ミー』。本記事にネタバレはございませんが、この映画、絶対ネタバレしちゃいけない超重要ポイントがいくつかあります。なので、観る前に色々見ない様に気をつけて! ガジェット通信との約束だよ!

【ストーリー】

主人公は、ミュージシャンを夢見る、ギターの天才少年ミゲル。しかし、厳格な《家族の掟》によって、ギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた…。ある日、ミゲルは古い家族写真をきっかけに、自分のひいひいおじいちゃんが伝説のミュージシャン、デラクルスではないかと推測。彼のお墓に忍び込み美しいギターを手にした、その瞬間──先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった!

監督:リー・アンクリッチ 共同監督:エイドリアン・モリーナ

製作総指揮:ジョン・ラセター

音楽:マイケル・ジアッキーノ

歌曲:ロバート&クリステン・アンダーソン・ロペス

ミゲル:アンソニー・ゴンサレス/石橋陽彩

ヘクター:ガエル・ガルシア・ベルナル/藤木直人

イメルダ:アランナ・ウバック/松雪泰子

日本版エンドソング:「リメンバー・ミー」(シシド・カフカfeat.東京スカパラダイスオーケストラ)

http://www.disney.co.jp/movie/remember-me.html

(C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

“重い”はずのテーマを丁寧に軽やかに描いた、語り継がれるべき傑作

物語は全編通じて音楽大好きな主人公ミゲル君の視点を通して描かれるのですが、しょっぱなからのミゲル君への抑圧がすごいです。「え、この作品って家族がテーマのひとつだよね?」と、つい、思い返してしまうほどにミゲル君は好きな事をさせてもらえないです。

「夢の足かせになる家族ってどうなのよ!!」って憤慨するほど感情移入してました(そんなことないんですけどね)。

そしてミゲル君、色々あって“死者の国”へ足を踏み入れるのですが、「人は死んだらどうなる?」っていう問いに対する“答え”があります。メキシコと日本の違いはあれど、死生観はきっと万国共通なのだろうな、という納得の描き方をしています。

ちなみに僕、ここまで淡々と書いていますが、死者の国の全景が出たときに圧倒されてその画に泣いてました(笑)。かなり序盤ですが。

想う人があればあるだけ、説得力が(2倍、3倍ではなく)2乗、3乗に増していくタイトルだったと確信しています。間違いのない傑作です。

【プロフィール】オサダコウジ

写真撮影、被写体(スチル・動画)、記者などできる限りなんでも、体張る人。ミゲルに見た目がそっくりな息子がいるので、鑑賞中ずっとハラハラしていた。

顔も知らない先祖と、きっとどこかでつながっている

観て「面白かったなー」と思う映画は数あれど、「もう一度観たいか?」と考えるとその数は減る。さらに「人生で何度でも観たいか?」と考えると格段に減る。そのハードルを、『リメンバー・ミー』は軽やかに越えてきた。人生で何度でも観たい、一年に一度は必ず観たい、そんな映画だった。特にお盆の時期になんて観たら、いつもの墓参りでボロボロと泣き崩れてしまうかもしれない。

死者の国で描かれる死者の生活。本当の意味で“死ぬ”というのはどういうことなのか。『リメンバー・ミー』はそういった一見重いテーマをさらりと描いていて、死を茶化すこともなく、逆に説教臭いメッセージを押し付けてくることもなく、どんな世代でも楽しめる物語にしていることが偉大だ。先祖の“死”に向き合わせることで、自分の“生”にも自然と目を向けさせてくれる。

面識のある祖父祖母のことは知っていても、さらにその祖父祖母ともなると顔も名前も分からない。私はそうだったが、同じ人は少なくないんじゃないだろうか。しかしそんなフンワリとしか認識していなかった先祖でも、あなたの趣味嗜好や価値観に影響を与えている可能性は大いにあるのだ。たとえもし、今生きている家族にあなたの理解者がいなかったとしてもね。それってとてもあたたかいつながりだと思う。

顔も知らない先祖と、きっとどこかでつながっている。子どもも大人も、全年齢のすべての人におすすめしたい。なぜならみんな、誰かから生まれて、あなたとつながっている人がたくさんいるんだから。

【プロフィール】レイナス

デザイナーと記者の二足のわらじ。ふだんはホラー通信(http://horror2.jp/)で洋画ホラーの記事ばかり書いています。

実は今年は“ピクサーイヤー”! その幕開けを大傑作でお会計してー!

なんでも先日のアカデミー賞でジョン・カビラさんが、ネタバレ発言でお会計しちゃったとかしていないとかでおなじみの『リメンバー・ミー』。ここのところの他作品の興行収入的なことやジョン・ラセターのこと、初期の<ココばあちゃんのバラード>のようなディズニー邦題警察がハンズアップ! と言い出しそうなネガな話題もいくつかあったが、そのふべてを吹き飛ばすほどの大傑作をありがとうありがとう。さすがはピクサー、トンデモないクオリティーに舌を巻く春。

脳内ロケハンも兼ねてリサーチをしっかりする同社だけあって、メキシコの死者の日という固有の文化をモチーフに、メキシコ人以外でも、誰でも感情移入できる普通のストーリーに仕上げるための、説得力いっぱいの情報収集力がまずすごい。それ以前にもともとはロペス夫妻が先に作っていたという「リメンバー・ミー」という曲が前提であって、それを軸に世界観を広げたということも衝撃の事実でしょう。それはもうダブルEGOTにもなりますよね。この曲はテンポを変調するだけで、楽しい曲になったり悲しい曲になったり恐ろしい完成度で金輪際、ロペス夫妻に足を向けて寝られません。

で、実はですね、世界のディズニーパークスに目を向けると、あちこちでピクサー関連の新プログラムがスタート。カリフォルニアのパークでは「ピクサー・フェスト」と題したイベントが始まり、 ディズニーランド・パークのプロジェクションマッピングには 『リメンバー・ミー』が今春登場。フロリダのパークでも「INCREDIBLE SUMMER」というマッチョなイベントが始まり、サマーシーズンには トイ・ストーリーランドが大完成! トイ・ストーリーランドは4月に上海ディズニーランド・リゾートにも完成するので、今年は誰が何と言おうと、まさしく“ピクサーイヤー”なのである。

その幕開けを祝祭感いっぱいの『リメンバー・ミー』でお祝いですよ。アメリカではとっくに公開が終わっていますが、ここへ来てアカデミー賞を受けての日本でも大公開! “ピクサーイヤー”の幕開けを、大傑作からお会計してー!

【プロフィール】ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いまくる日々。

久々に映画館で嗚咽! メキシコ旅行が大人気になりそうな予感

去年から楽しみにしていた本作ですが、想像以上! 久々に映画館で嗚咽しました。

美しくカラフルな映像で語られる家族愛のストーリーに音楽のパワーが加わり、目にも耳にも心にも栄養補給できる作品です。あと、エンドロールに流れる映像が粋! そこでまたグッとくるのでみなさまもお見逃しなく。

また、メキシコ版お盆ともいえる“死者の日”の、色彩と音楽に満ちた陽気なムードを楽しめるのも本作の大きな魅力のひとつ。細かい細工の切り絵や、カラフルな伝統工芸品のアレブリヘ、マリーゴールドでオレンジに染まる祭壇など、メキシコの町並みが目新しく、コマ送りでじっくり観たくなります。鑑賞後、“死者の日”を調べたところ、映画の雰囲気そのままで驚きました。この映画の影響でメキシコ観光客が増えるんじゃないかしら。

ちなみに伝統工芸品のアレブリヘは、本作では死者の魂を死者の国に導く存在として描かれており、カラフルな背景に負けない蛍光カラーでめちゃカワなのです。ちょっとだけうつるハリネズミのアレブリヘがとってもかわいいのでチェックしてみてね!

【プロフィール】moca

かわいいもの、美しいもの、もこもこしたものが好きなデザイナー。

『トイ・ストーリー3』の監督だよ、見ない人いるの?

邦題『リメンバー・ミー』として100点、原題『Coco』として120点! ピクサー作品の中でもトップクラスに大好きです。音楽を禁じられた家庭でミュージシャンを夢見る少年の物語、との触書きで海外版トレーラーを見たのが約1年前。その時点でハンカチの準備は万全だったけど、いやぁ~、自分でもヒクほどの嗚咽でした。ピクサーが音楽と家族愛をテーマに映画作ったら、そりゃ泣くってばさ!

メキシコの「死者の日」って『007 スペクター』を見るとただのフェスティバル感が強いんですけど、根幹は日本の「お盆」に似た催しなんですよね。祭壇に故人の写真を飾って、生前に好きだったものをお供えして、”死者の国”から魂を迎えて、また送り出す。逆に、帰って来る場所がない魂は”生者の国”に渡ることができない。それどころか、自分の存在を覚えている者がいなくなったら、”死者の国”からも消え去ってしまう。2度目の死です。ポップなアニメーションとはいえ映像で見せられるとハッとするし、否が応でも「自分が死んだら……」とか考えちゃいますよね。そして、この設定が物語の重要なカギに。

ひょんなことから生きたまま”死者の国”に迷い込んでしまった主人公の少年ミゲルくん。憧れのミュージシャンが自分の先祖だった……というヒント得て、自分のルーツを辿るとともに、一族が音楽を禁じた理由を知るための冒険に。しかし、日の出までに”生者の国”へ戻らなければ、永遠に家族と会うことができなくなってしまいます。このあたりの謎解きタイムサスペンス的なストーリーテリング(とミスリーディング)は、さすがの手際よさ。

で、クライマックスにCMでも頻繁に耳にする主題歌が流れる場面。来るぞ、来るぞ、と分かっていても、もう涙が止まらない! 涙腺、大・決・壊! この頃には、曲の印象、歌詞の持つ意味がガラッと変わっているハズです。あぁ、記憶を消してまたあの新鮮な感動を味わいたいなぁ。

【プロフィール】よしだたつき

PR会社出身のゆとり第一世代。ピクサー次回作『インクレディブル・ファミリー』も楽しみ! ピクサー、フォーエバー!

日本語吹替のクリオティ&歌唱にも大感激!

子供はエンターテイメントとして楽しめ、大人は色々と考えさせられる。そして、子供が成長して大人となった時に“思い出し理解”する、という、ディズニー/ピクサー映画の真骨頂を観させていただきました。

メキシコの文化、死者の祭について、それまでに何の知識もなかったとしても理解出来る様に丁寧に描写されているのですが、日本人的には「お盆」の概念があるので一瞬で理解出来ます。遠く離れた日本とメキシコで、こんなにご先祖様への想いや文化が似ていたなんてビックリしますし、お子さんに「お盆ってこういうことなんだよ」って教えるのにもいいかも。「お盆って墓参り行って天ぷら食べるだけの日じゃないんだよ」って。ちなみに、お盆に天ぷら食べるのって長野県の一部の地域だけらしいですね。

さて、筆者も試写会で観てびっくり仰天したのですが、この映画皆さんが思った以上にネタバレ厳禁な作品でもあります。映画冒頭から一気に映画の世界観に引き込まれ、話が進んでいくにつれてキャラクター達のことが大好きになり、そして驚きの結末では「まさか……?」と思っているうちに号泣していること必至。しかもそれが悲しい・辛い涙じゃなくて、純粋な感動の涙なんですよね。ひと昔前のOL雑誌みたいな事言いますけど「涙でデトックス」出来ますよ。

そして、音楽! 「リメンバー・ミー」の名曲ぶりは言わずもがな、「Un Poco Loco」など他にも良い曲いっぱい! 日本語吹替の石橋陽彩くんと、藤木直人さん、松雪泰子さんの歌後えも最高。そして石橋くんが第一生命のCMのラップ少年だって知ってびっくり!(https://www.youtube.com/watch?v=ffpUuFF16Po)

【プロフィール】藤本エリ

ピクサーは大好きな作品ばかりなんですけど、特に好きなのはカーズ、トイ・ストーリー、レミーのおいしいレストラン、ウォーリー、Mr.インクレディブル、モンスターズ・インク、モンスターズ・ユニバーシティ……って全部かな。うん。

―― やわらかニュースサイト 『ガジェット通信(GetNews)』

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