涙なしには観られない「母と子」の究極の絆を描く映画3選 篠原涼子の圧倒的演技『人魚の眠る家』ほか
ガジェット通信 / 2018年11月15日 16時0分
切っても切れない親子の絆。一番近い存在だからこそ生まれる深い愛情だけではなく、コンプレックスや確執など、友人や恋人のどれとも比べられない特別な関係である「親子」をテーマにして描かれた映画の数は数え切れません。そして11月から12月にかけて、特に母と子供の究極の絆を描いた涙なしには観られない映画が続々公開!今回はその中からとっておきの3本をご紹介します。
愛する娘を守りたい一心で下した決断はやがて母親の狂気を呼び覚ます
『人魚の眠る家』(11月16日公開)
累計100万部を突破した東野圭吾のベストセラー小説「人魚の眠る家」を『SPEC』シリーズや『天空の蜂』の堤幸彦監督が映画化。2児の母である播磨薫子(篠原涼子)は、娘の小学校受験が終われば、IT機器メーカーを経営する夫の和昌(西島秀俊)と離婚することになっている。しかしそんな播磨夫妻のもとに、娘の瑞穂(稲垣来泉)がプールで溺れて意識不明になったという悲報が届く。回復の見込みはなく、脳死の診断を下し臓器提供を希望するか、自然に心臓が止まるのを待つかという究極の選択を迫られる薫子だが、かすかに動く瑞穂の手を見て「娘は生きている」と延命措置を続けることを決意する。和昌の会社の最新技術を延命措置に活かし、ただ眠っているように美しい姿を取り戻していく瑞穂だが、それはやがて薫子の狂気を呼び覚ますこととなる。
もし、自分の愛する人が突然目覚めなくなったら──本作で描かれている出来事は誰しもに起こりうる可能性があり、誰もが他人事として見ることが出来ない。娘を深く愛しているからこそ、その尊厳を守るために次第に常軌を逸した行動をとり始める薫子の姿はまさに究極の母親の愛そのもの。実生活でも母親であり、共演の西島秀俊にも「圧倒される演技。観客のみなさん、篠原さんの演技に引き込まれて最後はとても感動すること間違いなしです」と言わしめた、母親の究極の愛と狂気を表裏一体で表現した篠原の熱演に期待が集まる。
(C)2018「人魚の眠る家」 製作委員会
20年以上、母親の愛をあきらめなかった息子の実話
『母さんがどんなに僕を嫌いでも』(11月16日公開)
小説家・漫画家の歌川たいじによる同名コミックエッセイを太賀主演、『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』の御法川修を監督に迎えて映画化。タイジ(太賀)は幼い頃から大好きな母・光子(吉田羊)から愛されることなく育てられてきた。17歳のある日、光子から酷い言葉と暴力を受けたタイジは壮絶な家庭環境に耐えかね、家を飛び出す。1人で生きていくことを選んだタイジだったが、大人になり信頼できる友人たちと出会うことで初めて人と心を通わせる幸せを感じるようになり、そして自分が今も母を好きであることを気づいたタイジは再び、母と向き合うことを決意する。
放送中のドラマ「今日から俺は!!」では怪力がウリの果てしないバカである今井を豪快に演じている太賀だが、主演を務める『母さんがどんなに僕を嫌いでも』では、卑屈で自分の殻にこもっていたが、信頼できる人と出会うことで次第に心を開いていく青年・タイジを繊細に演じている。『母さんがどんなに僕を嫌いでも』というタイトルに込められた通り、どれだけ拒絶されても母の愛を求め続けた、タイジの諦めない強い心が起こす奇跡の結末から目が離せない。
(C)2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会
不器用な息子と母の関係に隠された本当の気持ち
『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(12月28日公開)
幼少の頃から筋ジストロフィーという難病を患い、動かせるのは首と手だけ。他人の介助なしには生きていけにも関わらず、病院を飛び出し、多くのボランティアを集めて自立生活を送っていた鹿野靖明という実在する人物を、彼と同じ北海道出身の大泉洋が徹底した役作りによって演じた本作。ボランティアにはわがまま放題、ずうずうしくておしゃべりでほれっぽい…夜中に突然「バナナが食べたい」と言い出すなど、彼の自由すぎる性格に振り回されるボランティアたちと鹿野の交流を笑いあり、涙ありで描く感動の実話となっている。
普段からボランティアたちに王様のようなわがままっぷりで振る舞う鹿野だが、ある日、鹿野宅に母親の光枝(綾戸智恵)が息子のボランティアに感謝の印として差し入れを持ってやってくる。しかし光枝がやってくると鹿野は途端に不機嫌になり、「帰れよクソババア!」と暴言を吐いて追い返してしまう。一見、鹿野は母親の光枝を嫌っているかのように見えるが、その裏に隠された、鹿野のあまりに不器用すぎる母親への想いは涙なしには観られない!
(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会
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