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ブラッド・ピットが映画『アド・アストラ』を語る「宇宙というジャンルにどれだけ新しい価値を加えられるか、自分自身の旅だった」

ガジェット通信 / 2019年9月26日 20時0分

日本でも絶大な人気を誇る世界的ハリウッド・スター、ブラッド・ピットが初めて宇宙に挑み、「メン・イン・ブラック」シリーズや日本のCMでもお馴染みのトミー・リー・ジョーンズをはじめとする超豪華な共演陣が話題となっている『アド・アストラ』。現在大ヒット上映中です。

本作は、世界的人気俳優ブラッド・ピット演じる主人公ロイ・マグブライドが、宇宙の彼方で消息を絶った父と、その謎の“答え”を探すために宇宙へと旅立つ、衝撃の“救出”ミッションを描くエンターテインメント大作。愛する者を地球に残し、微かな父の情報を辿りながら、広大な宇宙へと旅立つ先にロイが見た真実とは?

先日、映画のプロモーションの為に来日したブラッド・ピット氏に色々とお話を伺いました!(か、かっこいい……)

――本作とても楽しく拝見しました。ブラッド・ピットさんは宇宙の作品に出演するのは初めてですよね?

ブラッド・ピット:そうだね。僕自身は、このSFというジャンルに、どれだけ新しい価値を加えられるか、自分自身を探す旅だと感じながら演じていたんだ。この作品はとても詩的な感覚で撮られている。宇宙には果てしない闇が広がっていて、孤独というものを有機的に表現するのに効果的だった。だから僕自身は、その部分に集中していたんだ。

――これまでにもたくさん宇宙映画がありましたが、『アド・アストラ』にはたくさんの初めて観る表現があって。そういった新しい表現はかなり意識されたのでしょうか?

ブラッド・ピット:ありがとう、そうだね意識したよ。世の中にあるSF映画を見ると、どれもみんなよく出来ているよね。だから僕としては、このジャンルに何か新しいものを付け加える作品でなければやりたくないと思っていた。

監督のジェームズは面白いアイデアをたくさん持っていた。往々にしてSF作品は、近未来的でカッコよくて、洗練されたセクシーなデザインとか、そういうものが多いよね。でも僕らは、旅をする厄介さ、面倒臭さといった現実的な部分を重視することに集中した。

SFものって、だいたい宇宙人が出てきて、それが良い宇宙人のときもあれば、敵対する時もある。でも、宇宙にそういうものが一切存在しないとしたら? 我々だけだとしたら? 生命体は我々だけなのに、今の我々は果たしてベストを尽くしているのか? そういうことを、ジェームズは観客に投げかけたかったんだ。

――驚く様な演出もありますが、基本的にはとても静かで、緊張感のある人間ドラマとなっていますよね。派手な動きが無い分、演技は苦労されたのでは無いでしょうか?

ブラッド・ピット:僕は最初にジェームズに、「すごく抑えるよ」と言ったんだ。「かなり内面的な演技をするから、カメラにそれが映るか見てくれ。もしかすると平坦過ぎて、退屈するかもしれない。そういうときは言ってくれ」と伝えた。ジェームズと僕は、そういう認識のもとで撮り始めたんだ。

1970年代の、僕自身が育ってきた中で見てきた映画をかなり意識した。僕が演じたロイという男は、善でも悪でもなく、非常に複雑な人間だ。欠点も多い。でも、人間の本質って、そもそもそういうものだと思う。僕自身、常にそういう人間的な部分を探して演じたんだ。

演技について僕が言えることは2つある。1つは、役者がその感情を本当に感じていれば、それは本物として観客に伝わるということ。だって、ニュース番組で事件が報道されて、喪失感を抱いている人が映ると僕たちも彼らに共感するよね。2つ目は……(笑)。名言だったのに。なんだっけ! きっとあとで思い出すよ(笑)。

――ロイは内面に複雑なものを抱えていますよね。ロイほどでは無いにせよ、現代人でロイの葛藤や悩み、怒りに共感する人もいると思います。

ブラッド・ピット:そうだよね。この役に引かれたのには理由があって、自分の父親との関係を見直すきっかけにもなるし、自分が父親として、我が子にどう映っているか? 親として子供を育てる責任や大切さを考えるきっかけになると思ったからなんだ。

――父親、というキーワードが出ましたが、ロイの父親であるクリフォード(トミー・リー・ジョーンズ)の、仕事に人生をかけた生き方をどう思いますか?

ブラッド・ピット:クリフォードは、自分のことしか考えない自分の仕事こそがすべてだと思っている男なんだ。僕は、彼は子供を持つべきではなかったと思う。ロイは、そういう父との痛みを伴う関係を理解したいと思っている。子供の頃というのは、すべて自分のせいだと思い込みがちだ。でも、年を重ねるにつれ、親の良いところばかりではない、欠点が見えてくる。それによって、自分自身を理解できるようになり、子供のこ頃、自分のせいだと思っていたことが、必ずしもそうでないということに気付いていくものだと思う。

――その通りだと思います。ブラッド・ピットさんは、本作の主演を務めただけでは無く、製作にも入られています。『それでも夜は明ける』(2013年)や『ムーンライト』(2016年)といったオスカー作品を世に送り出している映画製作会社「PLAN B」の代表でもありますが、「PLAN B」は、なぜ成功できたと思いますか?

ブラッド・ピット:僕自身びっくりしているよ。こうなるだろうと計画したわけでもないしね。まず、ストーリーを語ることへの情熱。それも、複雑な物語を作ってきた事が理由の一つだと思う。それから、ここ20年くらいの映画業界を見ると、ストリーミング(配信)が入ってきてまた状況は変わってきているけど、とにかく製作費を安く抑えないと語れないストーリーがある一方で、映画会社の屋台骨を支えるような稼げる作品がある。今はその二極化が進んでいると思う。でもその中間には、作家性の高い、良い作品がたくさんあるんだ。僕たちは、そういった作品を作る人々を助ける立場にあり、彼らアーティストの素晴らしい物語があったからこそ、映画を作ることが出来た。僕らはラッキーだったと思う。「PLAN B」2人のパートナーがいるけど、彼らも僕と同じような感性を持っている。それが大切だよね。

――これからも「PLAN B」の作品、そしてブラット・ピットさんの映画を楽しみにしております。今日はありがとうございました!

撮影:オサダコウジ

『アド・アストラ』大ヒット上映中!

http://www.foxmovies-jp.com/adastra/

(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

―― やわらかニュースサイト 『ガジェット通信(GetNews)』

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