写真も動画もこれ一つでOKのフルサイズミラーレスカメラ「SIGMA fp」

ガジェット通信 / 2020年1月20日 16時0分

ポケットに入るフルサイズミラーレスカメラ

2019年7月11日に発表されたSIGMAのフルサイズミラーレスカメラ「SIGMA fp」は、世界最小、最軽量のフルサイズミラーレスカメラとして、多くのカメラファンの関心を集めました。同年10月25日の発売日以降、好調な売れ行きを見せ、家電量販店などのカメラ販売ランキングでは、SONYやキヤノンなどの大手カメラメーカーをおさえて1位にランクインしたこともあるほどです。SIGMAといえば、独特の色調や深みのある描写が得られるFoveonセンサーですが、fpには採用されず他社のカメラ同様ベイヤーセンサーを採用しており、一部SIGMAファンがざわついたという話も聞きました。

しかし発売前後のメディアによるレビューや、発売後のユーザーによる感想をみるとその評価は概ね良好で、それが販売を後押ししたともいえるでしょう。筆者も、年末に思い切って購入し、出張や帰省など荷物が限られた旅にも持参して活用しました。

高い拡張性を持つシステム

SIGMA fpが採用するLマウントは、ライカが開発し、SIGMA、パナソニックが参加するLマウントアライアンスによって、各社のレンズ、ボディが相互に使用できるものです。そのほかに、SIGMAのキヤノンEFマウント用レンズ、SIGMA SAマウント用レンズが、マウントコンバータによって使用できます。また、SIGMAのシネレンズもマウントコンバータによって使用することができます。

そのほかに、リグやフォローフォーカス、レビューモニターなどを組み込んでfpをシネカメラのコアシステムとして使うなど、コンパクトなスナップシューティングカメラから本格的シネカメラまで幅広いシステム拡張が見込まれまれています。SIGMAによってCADデータも公開されており、サードパーティメーカーが自由にオプションアイテムを設計、販売できるのもユニークなところです。

動画と静止画をワンタッチで切り替え

SIGMA fpは、電子シャッターのみであったり、スチルカメラとしてはやや物足りない仕様に感じますが、ではスチルカメラとして不十分な性能かというとそんなことは全くありません。さらに、ミラーレスカメラや一眼レフカメラでは動画機能が時として物足りないという機種もある中で、SIGMA fpは動画撮影機能も充実しています。

ボディ上部(いわゆる軍艦部)には、動画撮影のためのシネモードと、静止画撮影のためのスチルモードを切り替えるスイッチがあります。録画ボタンと、シャッターボタンも独立しており、一つのボディで動画と静止画どちらもきちんと対応してゆくというメッセージを読み取れます。モードを切り替えると液晶画面のインタフェースも、動画モード、静止画モードに最適化されたインタフェースに切り替わります。現時点のファームウェアでは実現していませんが、将来的には録画中の静止画キャプチャーなどもできるようになるとのことです。

タッチパネルでフォーカスポイントを設定

背面の液晶ディスプレイは、タッチパネル操作が行えるようになっています。設定ボタンなども使いやすい配置になっており、タッチパネルとあわせて使いやすい操作性です。オートフォーカスは、瞳AFや顔認識なども効きますので、日常使いでも気軽に撮影を楽しむことができます。撮影画像の再生画面では、ピインチイン、ピンチアウトで拡大縮小するなどタッチパネルならではの操作感も得られます。

他社のカメラでは当たり前の機能も多いですが、SIGMAのカメラでここまで使いやすく仕上がっている、というのは画期的な事かと思います。

マウントコンバーターで楽しみ方無限大

SIGMA、ライカ、パナソニックの3社は、共通のマウント規格を採用するLマウントアライアンスの締結を、2018年に発表しました。SIGMA fpは、SIGMAにとってLマウント採用の最初のミラーレスカメラといえます。SIGMA製のLマウント対応レンズに加え、ライカやパナソニックの発売するLマウント規格のレンズも使えるので、新マウントのミラーレスカメラにありがちな「ボディを買ったはいいが必要なレンズがない」、という事態も避けられます。また、マウントコンバータ「MC-21」によって、SIGMAがキヤノンEFマウント用に販売してる一眼レフ用レンズも使用することができるので、それも含めると対応レンズは一気に増えます。これにより、当面の間必要なレンズには困らないといえるでしょう。

AirPods Proのレビュー記事では、SIGMA 105mm F1.4 DG HSMのEFマウント版を、マウントコンバータMC-21を介してSIGMA fpで撮影しました。

大口径でF1.4という明るいレンズを使用することで、美しいボケ味が活かされた印象的な写真を撮ることができました。

オールドレンズも楽しめる

ショートフランジバック、大口径マウントなどが特徴のミラーレスカメラは、マウントコンバータによって過去のレンズを使うことが容易とされています。SIGMA fpが採用するLマウントにも、ライカMマウントレンズや、Nikon Fマウントなどを使用できる様々なマウントコンバータが用意されています。

例えば、こちらはフィルム時代のライカ「ズミルックス 50mm」をマウントコンバータを介して使用したものです。

こちらは、同じくフィイルム時代のライカ「エルマー 50mm」で撮影したものです。過去のレンズを最新のミラーレスカメラに取り付けて写りの違いや味わいを楽しむことができるのも、ミラーレスカメラならではの楽しみかもしれません。

SIGMAのLマウントレンズもよく写る

SIGMA fpのキットレンズにもなっている「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」もなかなか良いレンズです。オール金属製でコンパクトな鏡筒は、fpに取り付けるとピッタリ似合います。

SIGMA fpと45mm F2.8 DG DNをつけた状態はかなりコンパクトなので、カバンやポケットに入れて、いい被写体を見つけたらさっと取り出して撮ると言ったスナップに向いていると思います。

SIGMA fpは買いか? どんな人にオススメ?

拡張性が高く、スチル、ムービーそれぞれの性能も十分なSIGMA fpは、どんな人にもオススメです! と言いたいところですが、これ1台でなんでもできるというわけではありません。例えば、キヤノン製の一眼レフを持っている人には、動画撮影や2台持ちのサブ機としてSIGMA fpは適していると思います。手持ちのEFレンズがそのまま使いまわせるほか、多くの一眼カメラの動画撮影は連続撮影時間が30分未満です。一方、SIGMA fpは、シネカメラでもあるので動画撮影時間に制限はありません。スチルのサブ機としても、一眼レフには望遠をつけて、fpには広角や標準レンズをつけるなど、2台持ち体制としても有用です。

フィルムカメラやオールドレンズを所有している人は、マウントコンバータを使用してオールドレンズを楽しむためにも使えます。ピーキング(ピントが合っているかを視覚的に表示する機能)などデジタルならではの機能は、主にマニュアルフォーカスのレンズを使用する際に役に立ちます。

一眼動画など、シネカメラ、動画カメラとして検討している人にとってはSIGMA fpは、かなりオススメできるカメラです。シネカメラとしても設計されているので、撮影動画フォーマットの種類も豊富です。動画も撮れるミラーレスカメラではなく、動画もスチルもきちんと撮れるカメラだと言えます。筆者の体験になりますが、海外ロケの際に急遽本番同様の画質とフレームレートの動画をテスト撮影したいというニーズが生じ、持ち合わせていたfpで対応したということがありました。ジンバルやドローンを組み合わせるなど、小型軽量ならではの使い方もあるでしょう。

(執筆者: ipodstyle)

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