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『トロールズ ミュージック★パワー』木村昴さんインタビュー「その“違い”こそが素晴らしいんだ」

ガジェット通信 / 2020年10月7日 18時0分

映画『トロールズ ミュージック★パワー』が現在大ヒット上映中。ドリームワークス・アニメーションが「ボス・ベイビー」に続く 大人気キャラクターとして世に送り出した「トロールズ」。 海外ではテレビシリーズや劇場版で全米を始め世界的に大ヒットし、 全世界の子供達から大人気のキャラクターです。

【ストーリー】ポップ村に住む、歌と踊りそしてハグが大好きな妖精、トロールズ。 元気いっぱいのポピーがみんなの女王様だ。実はトロールズの村はかつて王国として 繁栄していたのだが、音楽のジャンルごとに6つの村に分裂してしまっていたのだ。 「私たちと違う歌や踊りをするほかのトロールズがいるなんて素敵!」と胸を弾ませるポピー。 しかし、ロック村のクィーン・バーブが全ての村を乗っ取ろうとしていたのを知る。 ポピーは仲間達と一緒に世界を守る旅に出かけるのだが……。

本作で新キャラクター「タイニー・ダイヤモンド」の日本語吹き替え版を演じているのが、声優の木村昴さん。「ガイ・ダイヤモンド」から生まれた小さな赤ちゃんなのに、登場するやいなやバリバリのラップを繰り出す個性的なキャラクター、タイニー・ダイヤモンド! 木村さんがどの様に演じたのか、そしてラップへの想いについてもお話を伺いました!

――映画大変楽しく拝見しました! 新キャラクター「タイニー・ダイヤモンド」について、どの様に役が決定したのですか?

木村:オファーをいただきました。ずっと気になっていたキャラクターだったので、日本語吹き替え版が作られると聞いたときから、「このキャラクターやりたいな~!」と思っていて。今回の映画の予告編のナレーションをやらせてもらったのですが、収録の時に「気になるのがいるな~、やりたいやりたい!」と思ってたら、「ちょっとこのキャラクターでラップしてみませんか?」と言われて。「え、いいんスか?!」と(笑)。そんな経緯で役が決まりました。すごく嬉しかったです。

――木村さんの念が通じたというか、願ったり叶ったりのオファーだったわけですね!

木村:そうなんですよ! 「マジでラップなら任せて!」って感じなので(笑)、光栄な限りです。あと、お父さんの「ガイ・ダイヤモンド」役が斉藤壮馬くんっていうのも面白いなと思っていて。壮馬くんとはプライベートでも仲良くさせてもらっているので、役が決まった時に「父ちゃーーん!」と連絡したら「息子よ!」と返ってきたので、もうすでに役作りは完璧だなと思いました(笑)。

――生まれた瞬間からラップを披露するという楽しいキャラクターですが、どの様なことを意識して演じられましたか?

木村:オリジナルの声をやられているキーナン・トンプソンさんが割とハスキーなお声でいらっしゃるので、そこを引き継ぎたいなと思って低音の声で演じました。キーナンさんが、アメリカはもちろん、世界共通のイメージというか、「ラッパーってこういう声だよね!」というような、ラップを連想するにはピッタリのお声をしてらっしゃるんですよ。最初はもっとオリジナルに寄せてやっていたんですけど、せっかくなら自分の個性も出していこうと思って、オリジナルよりもうちょっと低くして、ハスキーさを増したスタイルに落ち着きました。

――『トロールズ』は子供達を中心に大人気のキャラクターですが、存在はもともとご存知でしたか?

木村:もちろんです! 子どものころから慣れ親しんだキャラクターたちということで、親近感がありました。「トロール」がもともと海外ではすごく有名なキャラクターなので、僕は子供の頃ドイツに住んでいて、その時に「ポピー」の様なピンクの髪のトロール人形も持っていました。「スマーフ」というキャラクターとか、日本で言うところのカッパみたいな、ちっちゃくて可愛い、愛されているキャラクターっていう感じなんですよね。小さい時から子ども達はこういうものを見て感性を養っていく。それが時代を経て、『トロールズ』という作品になって、映画になるという事がすごく素敵だなと思って。

――昔からたくさんの国で親しまれているトロールが、ノリノリの音楽と共にこういう作品になって、変わらない良さと新しさが融合されていますよね。本作『トロールズ ミュージック★パワー』は色々なジャンルの音楽が出てくるのも面白いです。

木村:これまでの『トロールズ』を観ていて、ポップス、カントリーミュージック、ロックといったさまざまな音楽が作品に出てくる中で、心のどこかで「ラップはないかな?」と思っていたんです。もう「ラップ探し癖」が付いてしまってるというか(笑)。 あとキャラクター達のギャップも面白くて、今回のタイニー・ダイヤモンドのように、「めっちゃ低く、カッコよくラップするキャラクターが一番幼い」というようなギャップですね。そのインパクトが一番強くて、とにかく「好きーーー!」って気持ちです(笑)。

――かわいいカラフルな映像を楽しみながらも、文化の違いを受け入れるという、大人もハッとさせられるメッセージもあって。感動しました。

木村:そうなんですよね。“音楽”というものをテーマに物語が描かれていくんですけど、これは音楽に限らず、観た人のそのときの状況とか、心の中に抱えているものとも照らし合わせることができるものだと思っていて。「音楽の違いを認め合おう」というテーマは、世界規模で見れば人種の問題にも当てはまる。もっと身近なところでも、例えば背が高い低いだけでもいじられて落ち込んじゃったり、みたいなことにも言えると思います。 「その“違い”こそが素晴らしいんだ」というメッセージにすごく共感しました。すごく大切な事なのに失いがちな考え方というか。

――「“違い”こそが素晴らしいんだ」、まさにですね。

木村:人間って、どうしても自分の考え方に凝り固まりがちなんですよね。「ああ、違う違う」ともう一度、大切なことに気づかされるような、そんな作品になっていて素晴らしいなと思いました。 主人公のポピーも、「仲良くなりたい」という自分の感覚を信じすぎて突っ走っちゃう部分があって。仲間の「いやー、止めといたほうがいいよ」という言葉にも耳を貸せなくなったり。確かに自分の信念を持って貫く、ということでもあるんですけど。 それが最終的に「それって自分の音楽を押し付けてるだけなんじゃないか?」と立ち止まる感じがすごく良かったです。自分の間違いに気付いたときに「ああ、そうだった」と変わっていけばいいんだと。 「お前、一回ダメだったから、もう一生立ち上がれねーぞ」ということじゃない、「もう一回立ちあがるチャンスは誰にでもある」みたいなところも感じ取れて。

――木村さんは声優さんとしての活動はもちろん、アーティスト活動もされていますから、音楽の違いについてはより感じる部分が多いかと思います。

木村:やっぱり自分の音楽が一番カッコいいと信じてみんなやりますから、他のジャンルの人に言われるとムッとすることはあるかもしれませんね。例えばですけど、僕がラップをやっていて、バイオリニストやオペラを歌う人に「君の音楽はもっとこうした方がいいよ」って言われたらちょっとカチンとくる、とかはあるかも(笑)。「なにが分かんだ!」みたいな。そういう「僕たちの音楽が一番いいんだ」みたいな言い合いのシーンや、「自分たちの音楽を守るためにやってるんだ」というシーンもあったりして、いろいろ考えさせられますね。

「自分の音楽を守りたい」という気持ちは少なからずアーティストやミュージシャンは持ってると思うんですけど、そこで「あの人たちもすげーな」ってリスペクトができる、認め合える寛大さも持ち合わせている人がいい音楽家なんじゃないかなって思いました。氷川きよしさんが最近演歌ではなくてポップスをやり始めたのとかも、カッコいいなと思っていて。その道に入ったらそのジャンルしかやっちゃダメ、という考え方もあるけど、全部できたほうが楽しいんじゃないかなって思います。氷川さんに限らず、ラッパーのスヌープ・ドッグさえ途中でレゲエやりましたから(笑)。「自分の音楽がカッコいい」という気持ちは持ちつつ、でも人に押し付けるのはナンセンスだしカッコよくないので、僕もしないようにしたいなと思います。

――木村さんもラップはもちろん、アイドルであったり、色々な音楽に触れていらっしゃいますもんね。

木村:全然もう、色々なジャンル大好きです! ラップが大好きなので、割合で言えば一番多く聴きますけど、今日この取材に来る時は久石譲さん聴きながらきて。星野源さんやTWICE、NiziUも聴くし。 あと最近久々に、ゆずの『サヨナラバス』を聴いたらアツかった(笑)。あと、19。なついっすよね。『あの紙ヒコーキ くもり空わって』を掘り出して聴いたらめっちゃ良かったです。

――懐かしい!でも名曲ってずっと名曲なんですよね。それこそ『トロールズ ミュージック★パワー』にも往年の大ヒットソングが出てきて、改めて聴くとめっちゃいいな!という。

木村:楽曲のチョイス自体、すごく好きですね。冒頭に、ポピーのお父さんが「この世界にはほかの種族たちもいるんだぜ」と話すシーンがあるんですけど、そこで「みんながポップスをやるわけじゃないんだ」「そう。だから“ハマー・タイム!”って言っても分かんないヤツもいるんだよ!」ってセリフがあって。あれがもう最高でしたね! 「ハマー・タイム!」って聞いたらみんな踊り出すよねっていう表現がユーモラスでいいなって思ったし、「ポップスを知らない人たち」を「ハマー・タイム!って聴いても踊らない人たちがいるんだぜ」って例えるのが、すごくオシャレでいいな~って思いました。あと、途中でカントリーミュージックの国に行ったときに「音楽の素晴らしさを彼らにも伝えなきゃ!」とメドレーを披露するんですけど、あそこでスパイス・ガールズが出てきたり。

――思わず観客も体が動いちゃう!みたいなノリノリな選曲が最高でした。今の子供達って特にダンスが大好きな子が多いと思うんです。なので『トロールズ ミュージック★パワー』の様な音楽映画に触れることって、素晴らしいですよね。木村さんが他に好きな音楽映画はありますか?

木村:もともと『RENT/レント』や『ANNIE/アニー』などミュージカル映画が大好きで、クラシックなものでも『オペラ座の怪人』とか『アマデウス』とか。最近でいうと『ロケットマン』とか『ボヘミアン・ラプソディ』みたいな音楽伝記ものも大好きです。アニメーション映画でいうと『SING/シング』もそうですし、映画のキャラクターや音楽を楽しみながら、ストーリーと歌詞で大切なことを学べますし。それこそが音楽映画の醍醐味だと思いますし、ぜひ子供達にもたくさん楽しんで欲しいですね。『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』もすごく好きなのですが、ちょっとグロいのでこれはやめておきましょう(笑)。

――ラップ大好きな木村さんから、今の子供達にオススメしたいラッパー、ヒップホップグループを教えていただけますか?

木村:子供達にオススメ!うわ〜迷う(笑)。ポップでちょっと面白いテイストが良いと思うので、ケツメイシ、スチャダラパー、スチャダラさんは昔『ポンキッキーズ』に実際に出ていらっしゃっていましたしね。最近の若いラッパーさんたちも面白いんですよ。lyrical school、どんぐりず、ピーナッツくん、レオタードブタとヤギ・ハイレグ……名前もかなり面白いので、子供達も好きそう(笑)。あと、KREVAの『あかさたなはまやらわをん』は日本語ラップの語感の面白さがあって、楽しく歌えそうですよね。

――たくさん挙げていただきありがとうございます!確かにどのグループもラップの面白さや楽曲のポップさがあって、親子で楽しく聴けそうです。私、個人的にもlyrical schoolはファンなんです(笑)。

木村:マジですか!めちゃくちゃいいですよね、リリスク!俺、リリスクとパジャマパーティするのが夢なんですよ(笑)。

――『パジャマパーティ』を聴きながら!最高ですね(笑)。今日は本当に楽しいお話をありがとうございました!また色々とラップについても教えてください。

撮影:周二郎

『トロールズ ミュージック★パワー』大ヒット上映中!

A UNIVERSAL PICTURE ©2020 DREAMWORKS ANIMATION LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

―― 表現する人、つくる人応援メディア 『ガジェット通信(GetNews)』

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