ゲーム業界各社決算まとめ - 2012年秋

ガジェット通信 / 2012年12月3日 20時0分

ゲーム業界各社決算まとめ - 2012年秋

今回はrikuzenさんのブログ『当たり判定ゼロ』からご寄稿いただきました。

※すべての画像がごらんいただけない際は http://getnews.jp/archives/276482 をごらんください。

■ゲーム業界各社決算まとめ - 2012年秋

新村長は驚きました。

「なんてずさんな会計なんだ」ここどうぶつの森では、村人たちはロクに働きもせず、日中そのあたりをうろうろ徘徊して生活を送っていますが、彼らには特に食うに困っている様子はありません。

つまり、彼らは公務員相当の身分ないしは生活保護受給対象であって、彼らの生活資金は村の会計から拠出されていると考えられますが、この村には帳簿という概念がなかったのです。そして、日々通帳に残っている金を何となく使っているという、その日暮らしのダメ親父のような金銭感覚で、しずえなる経理担当者によって村が経営されている実態がありました。

「このままでは村が破綻してしまう」

危機感を覚えた新村長は、村会計に複式簿記を導入し、毎年の収支状況を把握するほか財政状況の調査(デューデリジェンス)を実施しました。特に財政状況については精緻な調査を行ったと聞きます。破綻というのは、たとえ収支が悪化していても財務に余裕があれば耐え凌ぐことができるからです。

はたして、村の会計は生活保護への支払により大赤字であることがわかりました。

一方、この村は「どうぶつの森」という名前の由来からわかるとおり、かつて木材資源に豊富に恵まれた土地でした。村人たちは、豊かな森を切り開き、土地をならし、そして村を作ったのです。その際に伐採された木材は市場に出荷され、村の収益は大いに潤いました。これが生活保護資金の源泉となっていたのです。

新村長は、村に残っていた金を「埋蔵金」と表現。これを原資とし、村改革を実施。木材加工工場により定期的に収入のある工業地区として村を生まれ変わらせ、経済状況を劇的に改善させたのです。

村ではこの事柄を教訓として「収支は一時的に悪化させても構わないが、財務は悪化させてはならない」を村是とし、長らく発展を続けていったということです。めでたしめでたし。

さて、慣れている人はここまで読み飛ばしていただけたものかと思いますが、ここからいつもの決算です。

前回まで、可読性の問題から財務については省略し、収支のみ表示としていましたが、今回から財務状態も表示させるようにしました。収支だけだと一時期の調子を切り取って企業を語るようなもんですから、木を見て森を見ずみたいな話になりがちなんですよね。

財務状況も頭の片隅にいれていると「儲かってるけどヤベェ」「儲かってないけどヤバくない」まで把握できますので、また少し数字が面白く見れるようになったりならなかったりします。細かいところだと、ゲームソフトの制作仕掛勘定についても貸借対照表に計上しているところは、分かる範囲で記載しておきましたので参考まで。

●バンダイナムコホールディングス(半期)

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1Qで業績予想を上方修正して、2Qで更に上方修正するという二段ジャンプを平気でかますほどの好調。2007年~2010年まで毎年のように減収減益を続けてきて、ゲーム業界的なポジションとしては図体がでかくて元気の無い企業の代表格みたいなところがありましたが、ここ3年のトイ・ホビー事業、コンテンツ事業の好調っぷりで一気に息を吹き返した感じです。そして足元では営業利益率が劇的に改善。

このパターン、ドラコレがヒットした時のコナミで見たわ~、1年くらい前に見たわ~。

そう!プロデューサーさん、もちろんあのゲームのヒットですよね!?あのゲーム!

コンテンツ事業につきましては、ネットワークコンテンツが、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ワンピースグランドコレクション」などのソーシャルゲームを中心に業績に大きく貢献しました。

こ、コンプガチャ騒動で画像まで晒されて叩かれて、今さらホクホク顔できないだけやから…(震え声

●セガサミーホールディングス(半期)

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ここ数年サミーのパチスロ事業が絶好調でセガが何もしなくてもガッポガッポといういつもの光景が見られましたが、今年はパチンコ遊技機の売上が落ち込んでいるらしく(前年同期181,589台→今期57,74台)、業績が芳しくない状況です。良かった!セガは悪くないな!

まぁコンシュマー事業(セガ)はどうかというと、例のごとく赤字は赤字なのですが、前年同期60億の赤字から今期はたった8億の赤字と大いに収益改善。ファンタシースターオンライン2とキングダムコンクエストの好調がその要因とされています。セガもパッケージソフトというよりは、デジタル分野に収益の柱を移しつつある感じですね。これらはパッケージソフトと違いランニングで売上が期待できるので、課金コンテンツに強力なタイトルを持っているというのは、セガの大きな強みだなぁと思いますね。これは今期セガの黒字着地あるで!

というか、PSO2面白そうですよねぇ…。PSO面白かったもんなぁ…。きっと面白いんだろうなぁ…。社会人の可処分時間の少なさってのは、ほんとユメもキボーもありゃしないですね。私はただゲームばっかやって一生遊んで暮らしたいだけなのに…。

●コナミ(半期)

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去年から比べて業績が悪化しているのは、ひとえに売上が下落しているからです。

コナミはスポーツクラブというクソ安定した事業を持っていますし、ゲームの方もウイイレとかパワプロとかシリーズ物ばかり出しているので、例年売上は安定しています。去年の売上が大いに伸びているのはソーシャルゲームというプラスアルファがあったからで、例年に近い数字に落ち込んでいるということは、そのプラスアルファ分に大いに変動があったものと推測します。ドラコレやってないのでわからないんですが、最近どうなんでしょう。

あまりに毎年同じような数字ばかり残すので、勝手に「ゲーム業界の鳥谷」と呼んでたのですが、ソーシャルが伸びなくてもその安定した事業基盤から結局のところそれなりの数字は出してくるんだろうなぁとは思います。

ところで、ここまで登場したバンナム・セガ・コナミはゲーセン・スポーツクラブと箱モノの運営をやっておりますので、財務においては固定資産の比率が高く現れています。大型の固定資産投資を行う際は借入を起こして資金調達するのが通常ですが、その割に全然借金がなく、殆ど手金で調達しており、一般的に見ても優良企業の部類に入ります。

●スクウェア・エニックス・ホールディングス(半期)

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どうしてもドラクエが目立つので赤字の原因に指摘されがちですが、月額課金のネトゲにかからわずパッケージ化した上にあれだけ売れているのだから、赤であったとしてもそれほどのものにはならないのではないかと思うのですね。決算短信においてもソーシャルの開発費用が高騰する一方で、ドラクエの課金登録者が順調であると書かれている(FF11の滑り出しが課金者10万であったのに対し、DQ10の滑り出しが課金者40万)ので、大惨事ということはないでしょう。むしろ40万というのは大変な数字で、これを今後も維持できるならスクエニの一大収入源になる可能性があります。

FF14新生もうまく軌道に乗れば、DQ・FFのMMO二本柱で毎期安定した収益を作れる構造になるかもしれません。しかしDQ・FFがMMO二本柱とか、そんな時代になると思わなかったな…。

一方、いかにも開発費が高そうに見えるスリーピングドックス*1 が心配で心配で仕方がないというか、何となくカプコンのバイオニックコマンドー爆死事件を思い起こさせるところがあるのですが、9月末までに発売されているので、開発にかかる仕掛勘定が費用に振り替えられているはずなんですよね。収支的にはむしろこっちのほうが大きいような。

また、短信で明確に「不振」と表現されていたアミューズメント機器。多分、発売前にウメハラが「10年に1度の作品」「流行らない要素はない」とか煽ってたゲーム*2 のことを指すのだと思うのですが、今もちゃんと遊んでるんですかねぇ…。

(追記)11/17にアドアーズサンシャイン店の店舗大会で優勝してたみたい*3 です。すごい!

*1:『SLEEPING DOGS』

http://www.sleepingdogs.jp/top.html

*2:「「流行らない要素はない」。『ガンスリンガー ストラトス』オフィシャルサポーター、梅原大吾氏インタビュー」2012年01月23日『ファミ通.com』

http://www.famitsu.com/news/201201/23008721.html

*3:『アドアーズ ドット ジェーピー』

http://www.adores.jp/tenpo/sunshine.html

●カプコン(半期)

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堅調。バイオ6の発売は10月でしたが、出荷は9月でしたので売上には立ってるようです。初回出荷本数は450万本とかいう凄まじい数字。最近のバイオはいかにもハリウッド的なシナリオがアレだなぁと思う向きも無いではないですが、こりゃ欧米迎合も当然ですわ。

余談ですが、海外向けブランド力が強いゲームが多いからか知りませんが海外の投資家には人気の銘柄で、辻本一族の同族経営ながら外国人株主比率が26%あります。そのため、株主優待を導入しない理由についても「外国人にメリットないから勘弁な」と説明してたりします。

話を戻すと、下期の柱としてはWiiUのモンハン3GHD・モンハン4と国内向けビッグタイトルが控えており、これは過去最高益あるかもしれんねという状況。なんだかんだでモンハン売れますからね。とても円高で為替差損出してる企業とは思えない景気のいい話です。これで円安やったらどうなってたんや…。

ちなみに好調を反映してか、従業員数が連結で2089人(平成23年)、2265人(平成24年)、2552人(平成25年計画)と順調に増加しています。今や!さくら!カプコンの面接に行くチャンスやで!

ところで、カプコンのIRは優秀でよく表彰されますし私も事あることに褒めているのですが、自社の情報だけでなくマーケットデータも掲載されており*4、参考になります。

*4:「マーケットデータ」『CAPCOM』

http://www.capcom.co.jp/ir/business/market.html

●コーエーテクモ(半期)

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無双でボロ儲けしてた頃の利益率は望めないものの、相変わらず毎期安定しています。今期も、半期だと落ち込んでいるものの、下期に無双が控えているのでそれなりの着地になるのではないでしょうか。

ただ、コーエーに限って言うと目立つのは収支よりも、むしろその奇妙な財務構成。財務諸表左側の資産については、526億の固定資産のうち338億が投資有価証券。

余って余ってしょうがない金をマーケットに投資している状況で、毎期「経常利益>営業利益」となっているのは、毎期本業以外の配当収入があるからですね。そのほか、投資有価証券売却益も多くの期で計上されています。シブサワ・コウ、シミュレーションゲーム好きだからね、しょうがないね。

負債の方を見ると、無借金どころか自己資本比率は脅威の9割という水準で、他人に払う債務は一切ないのに手元の金は余りまくっているという超絶健全経営。極端な話をすると、株券がすべて紙切れになってもそれがどうしたというレベルです。これには大王製紙の社長もびっくり。やっぱりギャンブルは負けてもいい金でやらないとね。

●インデックス(アトラス)

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ペルソナのお陰でようやく持ち直してきた感があるので、ようやくまじめにインデックスの話ができるね!やったねたえちゃん!

ぶっちゃけ収支もヤバかったのですが、それ以前に末期感漂っていたのが財務。倒産というのは、現金の金繰りがつかなくなって初めて起きますので、任天堂が数百億の赤字を出そうが別にそれは倒産に直結するような話ではないのですが、インデックスは別。

右表の財務構成を見ていただければ分かるとおり、流動負債(1年以内に払わなければならないお金)が、流動資産(1年以内に資金化可能なお金)の数倍あり、現金は8億円ちょいしかないにもかかわらず、1年以内に返済する借金が200億円近くあるという状態。

じゃあどうやって生きているんだこの会社、という話になるんですが、銀行が借り換えをやってくれてるからですね。つまり、たとえば200億返す代わりに200億新たに借りるという債務の付け替えです。逆に、ここで銀行が「今年借り換えやんないから200億返してね」と言った瞬間、当社は倒産するわけです。

この借換えというのは特に珍しい話ではなく、一般的に上場企業ではない多くの会社はこうやって金繰りをつけているのですが、インデックスの場合は株主から返さなくていい金を集めている上場企業とは思えないほど借り換えに依存する比率が高すぎるため、資本構成の是正は毎期のように決算説明資料の経営課題のテーマに挙げられています。

まさに文字通り会社の死活問題のテーマですので経営陣もまじめに取り組んでおり、シャレにならないレベルをようやく脱しつつあるので、こうやって私もまじめに書けるんですけどね。少なくとも銀行はインデックスを殺すよりも、生かして働いてもらうほうが利益になると判断しているから毎年金を貸しているわけです。

特にペルソナというコンテンツが花開いたことはインデックスにとって救いでした。ペルソナ4ゴールデンはPSVitaのソフトとして1番売れたみたいですし、マヨナカアリーナも22万本も売れました。

現状の財務構成のままだと、毎年収支を改善して「当社はちゃんと利益を出せる企業であるから金を貸しても大丈夫である」ことを金主にアピールし続けなければなりませんから、まさにインデックスの命綱はジャックフロストに握られていると言えます。

●日本ファルコム

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いつかも言いましたが、「歩く現預金」ファルコム。資産の9割近くが現預金とか異常です。残りもほとんどが売掛金で、2ヶ月以内には現金化されてしまいます。株主から集めたお金は銀行の預金通帳の数字に化けました。なんで上場しているんですかこれ。

ただでさえ財務がこんな状況で安定経営ここに極まれりという状況なのに、PSPに戦場を移して以来、利益水準が跳ね上がってしまいさらに現金が入ってくる状態に。立川の雄は、えらいことになってしまいました。

こういうシーンでこそ経営陣の指向性が問われます。有り余る現金を眠らせ続け、いつか訪れるであろう業況の悪化に備える守備型の経営。あるいは、余った金を開発ラインの増加や買収に使って業況を拡大する攻撃型の経営。アメリカの上場企業なんかだと、余っているお金を利益獲得のために有効に使えていない(投資効率が悪い)として、守備型の経営は株主から叩かれがちではありますが、ファルコムはこのあとどう出ますかね。

カプコンやスクエニなど一流どころのソフトメーカーに追いつこうと思えば、いつかは攻勢に出なければなりませんが、どうにもこの老舗には、余らせたお金をタンス預金にして、縁側でお茶を飲みながらひなたぼっこをする生き方に、どうにも似合うところを感じてしまいます。

●ケイブ

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最近業況の芳しくないケイブ。わりと早くからソーシャルに手を出していましたが、「しろつく」以降、パッとしたタイトルがなく、稼ぎ頭のソーシャルがコケて全体もコケた感じ。業績改善のために「選択と集中」をテーマに掲げており、不採算部門の撤退が続きそうです。

不採算部門……ハッ、まさか。と言いたいところだが、君等には消えてもらう。 じゃなくて、STGのことを言っているのかと思い、調べてみましたが、今期からゲーム開発事業というセグメントがなくなっており、コンシュマー事業と混ぜられてしまったため、アケゲーの採算がどうなっているのかわからず終い。赤い刀の時でさえ売上67百万円、利益は17百万円だったので、最大往生でそう悪化したとは思えないのですが…。

ともあれ、「しばらくSTG作らねぇ」みたいな話は定期的に聞くのですが、今STGを引っ張っているケイブが及び腰だと、他もどうにもならないようにも思うので、徳俵に乗った状況かもしれませんが何とか踏ん張っていただきたいものです。つきましては、来年に怒首領蜂最大往生の360版が出ますので、ぜひみなさん買いましょう。

ちなみに11月5日に本社を新宿から目黒区に移転したそうです。シンジュが森の次は、メグロの森ですかね。

●日本一ソフトウェア(半期)

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どうしてもディスガイア一本頼みの現状がありますので、2本目、3本目の柱を見つけていくことが重要、みたいなことは当社の課題として認識しているようで、タイトルを濫発した時期もありましたが、うっかりラストリベリオンとか作ってしまう始末。なぜディスガイア以外の柱を作ることが必要かというと、もちろん収支向上という面もありますが、当社はこれまで見てきた同業他社より負債の比率が高いという点があります。

仮にディスガイアが収益にならず赤字が続いた時に、何年持つ体力があるのかという話です。赤字が続くと、純資産が減少し、現金が減少するか負債が膨らんでいくことになりますが、そうやって後ずされる距離が他社より短いということですね。

2つ目の柱を見つけておくというのは、そうならないためのリスクヘッジでもあり、当社の状況から判断された適切な経営課題の設定ではあるのですが、いかんせん実現が難しかった。正解を見つけることよりも、正解を実現する手段を見つけることのほうが難しい、みたいな話ですね。

ともあれ、再びタイトルを絞る方向で行くみたいですので、当面ディスガイアを柱として走っていく感じですかね。

●任天堂(半期)

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来期で一番注目な決算は、もちろん任天堂でしょう。

1兆円の自己資本をバックグラウンドにして、4,781億円の現預金と4,024億円の有価証券を無借金でこしらえている任天堂ですので、WiiUがコケたところで潰れやしません。短信にも「WiiUハードウェアの収益性が厳しい」とハッキリと明記されており、WiiU単体での逆ざやはほぼ間違いと思われます。4月にリークされたWiiUの製造コスト*5 は、今考えればかなりいい線いってたのかもしれません。

*5:「噂: Wii Uの製造コストは180ドル、コントローラーは50ドル以下に」2012年04月09日『Game*Spark』

http://gs.inside-games.jp/news/328/32837.html

WiiUは逆ざや価格で本体の普及を垂直立ち上げし、ソフトで回収するという、プレステや3DSの成功事例を踏襲する方向で行くようです。伝統的に、任天堂は基本逆ざやでモノを売らないという方針でしたが、もうそれは今の時代にマッチしない戦略だということを3DSのときに判断したのでしょう。

しかし、自分も予約しておいてなんですが、WiiUのゲームパッドの使い方がイマイチピンときません。なんだかんだ言って、結局のところ普通のパッドでテレビ見て遊んでるような気がします。あるいは半目でゲームパッド見つつ、半目でテレビを見る特殊技能を鍛える必要があるのか…。

考えてみれば、最初ゲーム機が出た時も、画面を見ながら手元のコントローラを操作するという特殊技能を必要としたので、もしかしたら次世代の子供たちにはゲームパッドを見ながらテレビを見るのは当たり前になるのかもしれません。あかん、このままやと老害扱いまったなし!

ちなみにMiiverseは、はてなが開発に関与したみたいですが*6、Miiverseの内容がようわからん以上、またその辺は改めて。Miiverseのサーバーが落ちたら犬の画像が出てくるとかだとゲラゲラ笑います。

*6:「Miiverseの開発をお手伝いしました」2012年11月08日『jkondoのはてなブログ』

http://jkondo.hatenablog.com/entry/2012/11/08/074357

なお、今四半期の決算短信も、いの一番に「当グループは『ゲーム人口の拡大』という基本戦略に基づき~」とお決まりの文言から始まっていました。ゲーム業界のリーディングカンパニーとしてのプライドみたいなのがチラッと見えていいなーといつも思います。

●ソニー(半期)

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製造業の中に一つ銀行業が混ざってると財務の構成が狂って見えますね。有利子負債3兆とか何やそれという世界ですが、うち2兆程度が預金です。最近は炎上してるオリンパスに出資したり、ソネットを完全子会社にしたり変わったカネの使い方をしているなぁという印象なのですが、ゲームに関して言うと、携帯型ハード(PSP、Vita)の年間販売見通しが下方修正されたとはいえ、依然1000万台という数字になっており、担当者のクビを心配してしまいます。上期の売上が、PSP、Vita足して300万台だそうですが、大丈夫なんですかね。かくなる上はkoboみたいに配るしかないね。仕方ないね。

ところで今年もソニー名物組織変更が行われました。この半期でも228億円の構造改革費用が計上されているように、ソニーでは毎年のように数百億円の構造改革費用が計上されており頻繁にと事業セクター名が変わっていくのですが、いつになったら改革は終わるのでしょうか。まるでいつまでも続いている新宿駅の工事を見ている気分になります。

こうして経営層がころころ事業セクターを変えるのを見ると、経理・総務畑の苦労が察して余りあるところがあります。前年同期の数字も今年の体制に合わせて作る必要もあるので、去年の数字も作りなおさなきゃいけません。部署を作り変えると、人事異動コスト、社内規の見直しコスト、社外への情宣コスト、細かいところだと部署内のレイアウト変更コストなど、利益にもならないカネや作業が色々と必要になってくるわけですが、こんな穴掘って埋めるみたいな仕事を毎年やってるようじゃ構造改革費用もなくならんわけだわと思うことしきり。

●DeNA(半期)

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11月7日にCygamesの株式取得を発表した*7 と思ったら、11月22日にはMixiと提携することを発表する*8 など、やたら慌ただしいDeNA周りですが、一方で10月にはグループスをネクソンに持っていかれたり*9(DeNAとは協力関係を維持するようですが)、ほんとこの業界は戦争のスピードが速いですね。

*7:「DeNA、Cygamesと資本・業務提携…Cygames株式の24%を74億円で取得」2012年11月07日『Social Game Info』

http://gamebiz.jp/?p=81694

*8:「DeNAとミクシィがソーシャルゲームで提携、両社の狙いは」2012年11月22日『ITmediaニュース』

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1211/22/news117.html

*9:「ネクソンがgloopsを365億円で買収…モバイルソーシャルゲームに本格参入【追記あり】」2012年10月01日『Social Game Info』

あと一応「株式会社横浜DeNAベイスターズが、売上収益の拡大に寄与しました」とサラッと触れられていて嬉しかったです。正直想像以上に球界に金を落としてくれるので、NPB的には参入してくれてホント良かったですよ。昨秋は、横浜スタジアムとのヤクザ契約の是正やラミレス獲得と、短い期間でよく対応したもんだと思います。

あとは、データ分析で成長してきた企業らしく、2番に強打者を置くみたいなセイバーメトリクスをフルに活用したドライな戦略で戦ってくれると、独自色が出て味が出るのになーと思ったり。広島といえば胃から汗をかくような練習をする球団みたいなイメージがあるように、横浜と言えばデータを武器に戦ってくる冷徹な球団みたいなキャラクター付けができると、ファンも対決構造で盛り上がりやすいです。外見からもインテリっぽさを出すために、眼鏡で痩身の選手ばかり集めてみたらなんだかそれっぽいし、腐系の人たちにも人気が出そうなので一石二鳥ですね!

でも結局プロ野球でそんなことをしてみても、初芝みたいなのがズラっと並ぶだけになりそうなのでやっぱやめといたほうが良いと思いました。

ついでに、せっかく株式を取得したのだから、姫川ちゃんのユニフォームもさっさとキャッツからベイスに変えるようにCygamesに圧力をかけていってはどうでしょうか。SRで突然青色の縦縞着た姫川ちゃん出たら、ベイスファンの廃課金あるで!課金でチームの補強もできてWin-Winの関係や!

●GREE

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改めて見ると狂った利益率だなぁと思いますが、業績は相変わらず足元も好調で、DeNAと同様コンプガチャ規制による大きな減速はありませんでした。

ユーザー同士でアイテムを売買するRMTを胴元化したのが最近のソーシャルゲーの収益構造のエンジンで、コンプガチャはそれを加速させるオイルにしか過ぎなかったので、他のオイルを用意したらハイ終わりという話ではありました。 GREEもRMTを不正行為として断固とした処置をとっていく旨の声明を出していますが「そりゃRMTやられたら運営会社が儲からないからな」という本音が背景にあります。というか、このRMT禁止ルール自体、カードにユーザーの所有権がないというグレーな主張をベースにしているので、このあたりが問題化するとソーシャルゲームのビジネスモデルの根幹自体が揺らいでコンプガチャ騒動レベルじゃない面白い事態になると思われるため、ぜひ早いことハルマゲドンやってこのデジタルカードゲームの是非に白黒つけていただきたく願う次第でございます。

●【総括】

・基本的に年末商戦と決算前に大型タイトルを持ってくることが多いため、上半期は基本的に利益率が低い傾向にあるのですが、バンナムが大きく続伸。その中でも、前年比で伸びているのはコンテンツ産業のみのため、これは上期のMVPはちひろさんやでーと思ったけど、ワンピースの前にはちひろさんはゴミなのか。クロコダインなのか。ぐわあああ。

・ここのところ円安が進行しているのは、海外売上比率の高い任天堂・ソニー・カプコンあたりに追い風。特に想定為替レートを1ドル80円、1ユーロ100円に設定している任天堂は、WiiUの発売直前に円安転換した恩恵を受けることができそうです。この2年で散々為替差損を食らってきた企業の典型だったため、少しは取り戻してほしいものです。

・インデックスとファルコムを隣においたのは特に恣意的なものはないですけど、財務がここまで両極端な会社は珍しいです。規模としては10倍違いますけどね。

・気がついたらWiiUの発売日来週ですよ!来週!久々の新型据え置き機ですよ!据え置き機!早く半目でタブコン見ながら半目でテレビを見る訓練をはじめなければ。

・寒くなってきました。さっさとこたつに篭ってゲームをしましょう。

執筆: この記事はrikuzenさんのブログ『当たり判定ゼロ』からご寄稿いただきました。



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