ドキュメンタリー映画『相撲道~サムライを継ぐ者たち~』竜電関インタビュー「親方の厳しくも優しい教えを、若い力士に伝えていきたい」

ガジェット通信 / 2020年11月3日 16時0分

大迫力の映像と臨場感あふれる音とともに強き男たちの生き様を描いた世界初“大相撲”のエンターテイメント・ドキュメンタリー『相撲道~サムライを継ぐ者たち~』が、絶賛公開中です。

1500年以上もの歴史の中で日本人の暮らしに深く根付き、今や国技となった「相撲」。そこには知られざる世界があった―。 2018年12月~2019年6月の約半年間、境川部屋と髙田川部屋の二つの稽古場に密着。想像を絶する朝稽古、驚きの日常生活、親方・仲間たちとの固い絆、そして、本場所での熱き闘いの姿を追いかける中で、相撲の魅力を歴史、文化、競技、様々な角度から紐解いていく。勝ち続けなければいけない、強くなくてはいけない。極限まで自分と向き合い、不屈の精神で「相撲」と闘い続けるサムライたちの生き様を描いた唯一無二のドキュメンタリーが誕生。

本作で、武隈親方(元大関・豪栄道)と共に大きな活躍を見せる前頭十枚目・竜電。今回は竜電関ご本人に映画について、相撲への想いについて、お話を伺いました。

――本作大変楽しく拝見させていただきました!完成した映画をご覧になって、ご自分がたくさん映し出されているお気持ちはいかがですか?

竜電関:まさかこんなにたくさん出演しているとは思いませんでした(笑)。お話をいただいた時は「自分でいいんですか?」と思いましたが、自分の相撲人生の一部が映画として記録されるわけですから、「良い機会をもらったな」と素直に喜んでいます。

――あまり詳しくない方はもちろん、相撲ファンの方も驚く様な貴重な映像が満載ですよね。

竜電関:監督の密着ぶりが本当にすごくて、朝稽古から就寝まで付きっきりで、食事の時間も弟子たちと一緒にちゃんこを食べたりと、新弟子が入ってきたようでした(笑)。とても熱意を感じて、「せっかく密着取材してもらっているのだから頑張ろう」という気になって、本場所中はいつも以上に気合が入っていたように思います。

特に朝稽古のシーンは印象的でした。本場所の相撲は、テレビで見ることができますが、先輩から後輩までが一緒になって黙々と稽古をしている風景は、基本的にはあまり公開されないものですから、見応えがあると思います。

――髙田川親方の厳しい言葉も印象的でした。

竜電関:親方はとにかく厳しい方で、その厳しさが自分の財産になっていると思います。大怪我をした時に(2012年右股関節を骨折)、親方に「怪我は神様がお前に与えた試練だ」と言われたのですが、当時は絶望のどん底にいたので、本当に厳しい言葉だと感じましたが、そこで甘い言葉をかけられていたら復帰はできなかったと思います。自分の負けず嫌いの性格を知った上で、挑発してくれたんです。その一方で、三度目の骨折をした時には肩にポンと手を置いて「また一からやり直そうな」と言われて、親方の気持ちをひしひしと感じました。厳しいだけではなく、その中に愛情を感じるんです。

そして、人としての礼儀や作法をしっかりと叩き込んでもらいました。親方はよく「自分の言うことは8割しか信じるな。あとの2割はお前が自分で考えてアレンジしろ」と言います。言われたことをやるだけではなくて、自分で考えることで自信が持てるようになると。もし将来的に自分も指導する立場になった場合は、親方のこの教えを受け継いで若い力士に伝えていきたいです。

──素晴らしいお言葉ですね。作中で琴剣淳弥さん(元力士・漫画家)に「竜電関は他の力士の3〜4倍は稽古をする」と言われていましたね。

竜電関:自分は身体が頑丈なわけでもないし、相撲が上手いわけでもありません。何度か大きな怪我もしているので、人よりたくさん稽古をするのは当たり前というか、「やらなければいけない」という思いが強いんです。ただ、相撲のことばかりを考えていると頭が参ってしまうので、何もしない時は本当に頭を真っ白にしようというのは心がけています。やる時はやる、やらない時はやらない。その切り替えがうまくいかない日もありますが、力士にとっては何もしない、考えない時間も稽古と同じぐらい大切だと思います。

それでも切り替えがうまくいかず自分が沈んだ顔をしていると、妻があっけらかんと「しょうがないでしょ。また明日勝てばいいじゃない」と言ってくれるので、助かります。独身の頃は一人で落ち込むことがしょっちゅうありましたが、今は家族の存在が相撲の原動力になっているんです。

──大怪我など色々と辛い思いもされていて、「相撲をやめたい」と思ったことはありますか?

竜電関:それは一度もないです。怪我が絶えなかった時期も、復帰することしか考えていませんでした。やはり根底にずっと変わらず「相撲が好き」という気持ちがあるからだと思います。

──大きな質問になってしまうのですが、ずっとブレずに「相撲が好き」で居続けられる理由は何だと思いますか?

竜電関:そうですね、やっぱり闘う男ってカッコいいじゃないですか(笑)。相撲もその一瞬に力士たちの勝負があって、真剣に闘っているので。自分が負けず嫌いというのもありますが、その真剣勝負が好きなんです。

──竜電関が好きだったり憧れる「闘う男」は誰ですか?

竜電関:漫画のキャラクターになりますが、『はじめの一歩』に登場する鷹村守には憧れますね。練習でも手を抜かないし、ボクシングに対してとにかく誠実なんです。自分も相撲に対して、いつも誠実でいたいと思っています。

──ありがとうございます。本作はコロナ禍以前に撮られているので、満席でお客さんの大歓声が収められていますよね。力士同士のぶつかり合いの音もそうですが、映画ならではの大迫力が素晴らしかったです。

竜電関:本当にすごいですよね。無観客でも巡業はとても不思議な感覚で。稽古場と雰囲気が似ていて、静かなんですよね。やはりお客さんの歓声がある方が気持ちは盛り上がります。映画でその盛り上がりをご覧になっていただいて、実際の相撲にも興味を持っていただけたら嬉しいです。

──今日は貴重なお話を本当にありがとうございました!

【動画】映画『相撲道~サムライを継ぐ者たち~』予告編

https://www.youtube.com/watch?v=jK3kNaBHlUE

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