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13歳の息子にiPhoneを買い与えた母親の「使用契約書」はアリ? ナシ?

ガジェット通信 / 2013年1月11日 11時5分

13歳の息子にiPhoneを買い与えた母親の「使用契約書」はアリ? ナシ?

13歳の息子にクリスマスプレゼントでiPhoneを贈った母親が、独自に作成した「使用契約書」がアメリカで話題になっていることを、2013年1月8日付の東京新聞が「スマホ 18の約束 米で話題 母から13歳息子へ」という記事で紹介している。

同紙によると、内容は「ネット上などでの悪口、いじめに加担しないこと、直接、人と会話することの大切さなどを強調」し、「携帯電話は生き物ではないし、あなたの一部でもない」「時には携帯を家に置いて散歩に行きなさい」と「バーチャル社会にのめり込まないよう指導」するものだ。

アメリカ国内では、「9割以上の人が内容に賛同している」と放送プロデューサーのデーブ・スペクター氏が同紙にコメントしている。日本でも、この「使用契約書」がネット上で広まり、多くの賛同を得ているようである。一方、ここまで制約する必要はない、という意見も散見される。

筆者は、こう思う。まず、物を使いこなせない人に、物の使い方の原理原則を教えるという意味で、「使用契約書」の存在にはそれなりの意味がある。スマホで言えば、どれだけ原理原則を教えても、子どもは親以外からさまざまな使い方を勝手に学び、試すことであろう。それでも、事あるごとに「使用契約書」の内容を思いだし、「こんな使い方でよいのか」と子どもが自問自答してくれればそれでよい。

また、パソコンや携帯電話と同様に、スマホを使い始めれば性や暴力との距離が近くなる。いじめや売買春など、脱法行為との接点も多くなる。そうしたダークな部分とどれだけの距離をもって接すればいいのか。最終的には、スマホを所有する個々が判断するしかないのだが、この「使用契約書」は、その「距離」を計る物差しにはなるとは思う。

ゲーム機を子どもに買い与えた親は、遊ぶ時間を制限する。「使用契約書」は、それと似たようなものではないか。親は子どもを常時監視することなどできないのだから、子どもが制限時間を超えてゲームで遊ぶこともある。「ま、いっか」と親がそれを見逃し、気づいたときには叱ったりもする。そんなことを繰り返しながら、子どもはゲーム機との適正な向き合い方を学んでいく。

「使用契約書」を読むと、母親が13歳の息子に言いたいことの骨子が、人と人とのコミュニケーションの基本は対面にあり、大事なことは直接対話して解決すべきだ、という部分にあるのは明白である。考えてみれば、大人であってもこの「基本」ができていない人も多いのだから、子どものうちから「基本」を教えるのは当然のことでもある。

最後に、しょせん「使用契約書」を子どもが守るかどうかなど、アテにならない。繰り返すが、子どもは勝手に使い方を学び、ときにはダークな部分と接点を持つこともあるだろう。それも経験である。だが、そういう経験をしたときに、なんとなく「使用契約書」に書かれていたことを思いだすことが、ダークな部分にのめり込むことの歯止めになればいいのではないか。

(谷川 茂)



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