ウワサの1万円タブレット『dtab』を使ってみた
ガジェット通信 / 2013年3月29日 22時0分
1万円を切る9975円(税込み)という、驚きのキャンペーン価格で3月27日に発売したドコモのAndroidタブレット『dtab』。初回の出荷は3月30日から予定しているので、まもなく手にする人もいるのではないでしょうか。このたび、そんな注目を集める『dtab』の実力を確かめるべくレビューを実施。発売日のオンラインショップでの争奪戦にも参加してみました。
●このスペックで1万円を切るとは……
『dtab』は、OSにAndroid 4.1、1.2GHzの『K3V2T』クアッドコアCPU、1280×800ドットの10.1インチディスプレーを搭載するタブレット。7インチではなく10.1インチで、この最新のスペックをそろえていながら1万円を切る価格というのはインパクトがあります。
通常価格2万5725円のところ、9月30日まではドコモユーザーでスマートフォンISP『spモード』の契約と月額525円の映像配信サービス『dビデオ』への6か月の契約という条件で、キャンペーン価格が適用されます。ほかの端末で利用するdocomoIDを使えば『dビデオ』のサービスが『dtab』でも利用でき、月額料金などの維持費はかかりません。
ドコモが販売するタブレットにもかかわらず、3GやLTEに対応しないWi-Fi専用モデル。その狙いは、ドコモのスマートフォンやタブレット向けコンテンツ配信サービス『dマーケット』のコンテンツを家庭で利用してもらうということにあります。1月に開催された春モデルの発表会で明らかにした、『ドコモ スマートホーム』のコンセプトを実現するという位置づけの製品なのです。
参考記事:
【ドコモ2013春モデル発表会】イチ押し『Xperia Z』や2画面『MEDIAS W』に1万円以下の『dtab』などスマートフォン9機種とタブレット2機種を発表
http://getnews.jp/archives/285374
●シンプルなハードウェア構成
本体は約W257×H176×D9.9mm、重量約633gと、10.1インチタブレットでは標準的なサイズ。アルミ製でシルバーの背面は上部に白い樹脂カバーが配置され、シンプルですが印象に残るデザインを採用しています。
背面にはステレオスピーカーを搭載。“audyssey”“Dolby Digital Plus”といった音響技術により、迫力のあるサウンド再生を実現しています。両手で持って正面から聴くと、音の良さに驚いてしまうレベル。
カメラは背面が300万画素、インカメラが130万画素とスペックは控えめ。家庭で使うことを前提に機能を絞り込んでいることがうかがえます。インタフェースも充電器やパソコンと接続するmicroUSB端子とヘッドホン端子、microSD/microSDHCカードスロットのみとシンプルです。HDMI端子があればテレビにつないで……と考えてしまいますが、あくまでこれ1台でコンテンツを楽しめるようにシンプルな構成になっています。
●初心者にも使いやすいホーム画面
『dtab』で特徴的なのが、『dマーケット』の利用に特化してカスタマイズされたホーム画面。画面左には『dマーケット』のオススメコンテンツを一覧し、右側には『dマーケット』を構成する各サービスのリストを表示。『dマーケット』のコンテンツへアクセスしやすくデザインされています。起動すると表示されるこのホーム画面が『dtab』のコンセプトをよく表しているのではないでしょうか。
ホーム画面は2画面あり、横方向にスワイプするとアプリアイコンが並んだ画面が表示されます。インストールしたアプリはここにショートカットを置いて起動できるほか、ウィジェットを置いてカスタマイズが可能。アプリショートカットやウィジェットを増やしたり目的別に画面を分けたい場合は、ホーム画面を追加して使えます。ホーム画面でピンチインするとホーム画面が編集可能。
ホーム画面はいずれも右下に、ブラウザと『Google Play』のショートカットを表示。もちろんドコモのアプリだけでなく、『Google Play』からアプリをインストールして利用できます。
右下にはアプリドロワーのショートカットもあり、タップすると用途別に「最近使ったアプリ」「ドコモサービス」「基本機能/設定」「エンタメ/便利ツール」「Google」「ダウンロードアプリ」の分類でアプリを一覧できる『docomo Palette UI』を表示。インストールされたすべてのアプリがここから起動できます。
目的まで迷わずたどりつけるので、初めてAndroidを触る初心者にも使いやすい一方、カスタマイズもできるので上級者のニーズにも対応する、なかなかよくできたユーザーインタフェースになっているのではないでしょうか。
●映像を快適に再生
キャンペーン価格適用の条件となっている『dビデオ』は、ホーム画面のリストからアプリを起動して視聴可能。『dtab』発売に合わせて、『dビデオ』もタイル状にコンテンツが並んだタブレット向けのユーザーインタフェースが利用可能になりました。
7000タイトル以上のコンテンツから、オススメやカテゴリー、検索で見たいコンテンツを選んで視聴。ストリーミングもしくはダウンロードで、「普通/きれい/すごくきれい」の3種類の画質を選んで視聴が可能。『dtab』はWi-Fi環境での利用が前提になっているので、「すごくきれい」を選んで高画質かつ迫力あるサウンドで映像が楽しめます。再生は滑らかで快適。もう『dビデオ』専用端末として使ってもいいぐらいです。
●ベンチマークは『Nexus 10』を超える項目も
とはいえ、せっかくのクアッドコアCPUはほかのアプリも快適に動くはず。ベンチマークでその性能を評価してみました。ベンチマークアプリ『AnTuTu Benchmark』の結果では、スコアが13855。なんとGoogleのリファレンスモデルとなる10インチタブレット『Nexus 10』の13351を超えるスコアをたたき出しました。「CPUの整数性能」「CPUの浮動小数点演算性能」「3D描画」の項目で『Nexus 10』より高いスコアを出しています。『Nexus 10』はデュアルコアなので、クアッドコアの『dtab』が勝つのは当然かもしれませんが……。
ベンチマークアプリ『Quadrant Standard』の結果は4605。比較できるタブレットはASUSの『Transformer Prome TF201』、Samsungの『Galaxy Tab 10.1』のみでしたが、タブレットの中ではダントツの結果となっています。
●発売当日の争奪戦に参加してみた
これが1万円を切る価格で手に入るなら見逃す手はない……! ということで、3月27日の発売日に購入してみることに。プライベートのdocomoIDで『dビデオ』にも加入済みです。『ドコモオンラインショップ』で『dtab』のページを見ると、発売になる正午以前には数量が選択できない状態でした。正午になったところで数量が選べるようになり、「ご注文手続きへ」をクリック。
この日はかなり注文が殺到し、争奪戦になっていたようです。購入完了までなかなか進めない状態に。根気よく配送情報、クレジットカード情報を入力して購入手続きを進めていきます。
最初は配送日で3月30日が選べたのですが、購入手続きを進めるうちに配送日の早い分から在庫がなくなっていき、筆者が購入できたのは4月2日の配送分。確かに9775円でした。
4月中旬からはドコモショップでも取り扱いが始まるそうなので、店頭で購入を予定している人は発売日をチェックして、争奪戦に備えておく方がよいかも。
dtab(ドコモオンラインショップ)
https://www.mydocomo.com/onlineshop/products/TABLET/dtab.html
●“家庭用タブレット”の定番端末になるか
9975円で購入できるキャンペーンは9月末まで続くため、今後かなりの台数が売れそうな『dtab』。『Nexus 7』が1万9800円という価格で7インチタブレットの定番端末になったように、『dtab』も“家庭用タブレット”として定番になることが予想されます。
モバイルルーターと一緒に持ち歩けば外でも使えますが、家庭で使うことを前提に機能を絞り込み、価格を抑えた点に『ドコモスマートホーム』へのドコモの本気度がうかがえます。購入したユーザーに使い続けてもらうために、今後は『dビデオ』のラインアップ拡充など、『dマーケット』のサービス自体の充実が期待されるところです。
『dtab』主な仕様
OS:Android 4.1
サイズ:約W257×H176×D9.9mm
重量:約633g
ディスプレー:10.1型ワイドXGA TFT 1280×800ドット 1677万色
外部メモリー:microSD(2GB)、microSDHC(32GB)
カメラ:約300万画素CMOS
インカメラ:約130万画素CMOS
CPU:1.2GHz K3V2Tクアッドコア
バッテリー容量:6020mAh
ROM/RAM:8GB/1GB
無線LAN:IEEE802.11a/b/g/n
Bluetooth:v3.0
カラー:Alminum Silver
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