映画『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』名塚佳織&小清水亜美インタビュー:「作品が生き続けてくれるような気がしてうれしかったです」フィナーレに万感の想い
ガジェット通信 / 2021年12月6日 12時0分
大人気シリーズ完結編となる『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』が現在、全国公開中です。2017年秋より開幕した劇場版『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』シリーズは、エウレカの魂の軌跡を、レントンとアネモネという彼女の人生を変えた人物の視点から描いてきましたが、シリーズ完結作となる本作ではタイトルの通り、エウレカの最後の旅路が描かれます。そんなエウレカの生きる姿を正面から描く本作について、エウレカ・サーストン役の名塚佳織、石井・風花・アネモネ役の小清水亜美さんにお話をうかがうことができました!
■公式サイト:https://eurekaseven.jp/ [リンク]
●いよいよ劇場版三部作が完結するということで、今のお気持ちはいかがですか?
名塚:まさか最初のシリーズが始まった時、ここまで長く携わらせていただくことになるとは思っていなかったので、これだけの月日が流れたことにびっくりしています。そして、ここまでくるのに一緒に頑張ってきた制作陣、スタッフ、俳優の想いを、お客さんにしっかりと届けることができていたのかなと思います。そして何より、長い間応援して下さった皆さまのおかげで、16年という長い旅を共にすることができたのだと感謝しています。
小清水:当時、期間が短くなる作品が多くなりつつある時代ではあったので一年作品ということで「一年の長い作品はうれしいな」と思いました。四苦八苦しながらも向き合ってきたキャラクターと、まさか16年来の付き合いになるとは思ってもみなかったです。あの頃生まれた子が15歳とちょっとになるので、当時のシリーズを知らない世代も出てきています。そこから劇場版三部作を通して、また振り返ってみてもらうことができるかもしれない。そんな長期スパンで携われるとは、思ってもみなかったです。
名塚:この三部作は一作一作、とても時間がかかってしまったのですが、その分いろいろなことを考えながら監督が生み出してくれましたし、時代、時代に合わせて変わってきたエウレカセブンというのものをみなさんに楽しんでもらったり、いろいろなことを感じてもらえればとてもうれしいなと思います。
小清水:実際のところ、すごく不思議な気持ちなんです。もちろんうれしい気持ちもあるのですが、それだけじゃ語り切れないというか、今の世代の子たちにはエウレカという作品はどう見えるのかにも興味があります。当時若者だったわたしたちと一緒に大人になった世代が、今回の三部作をどう観てくれるのか。いつかみなさんの感想や話が聞けることがあれば、本当に純粋に聞いてみたいです!
●台本の印象はいかがでしたか?
小清水:まず表紙の絵柄で「大人になってる!」って(笑)。
名塚:そうなんだよね(笑)。わたしはまず、キャラ絵を先にいただいて、みなさんもキービジュアルを見てびっくりされていると思うのですが、わたしもとてもびっくりしまして。一体エウレカはどうしてこの様な表情、肉体になったのだろうという衝撃を受け、台本を読み、なるほどと思いました。この世界線ではこういう成長を見せてくれたのかと、結果的には台本を読み、納得しました。そして最後のセリフが、これまでのすべてのエウレカの世界線の気持ちを集約したものなのかなという感じがしました。うれしかったです。
小清水:わたしは台本と同時にキャラ絵をいただいて、前回のアネモネが子どもだったので、台本を見て「大人になっているー!!」と想像もしていなかった姿に驚きと、思わず笑ってしまった、ということがありました。でも内容を読んでいて、アネモネとしての形なのですが、幸せのあり方はひとつではないのだなと。そのことをものすごく感じさせてくれた劇場版だと思いました。
名塚:これで最後になると聞いていたので、最初は読むのが怖かったんです。ついに結末を知らなくてはいけないのかと、うれしい半分、ちょっと怖かったのですが、わたしはこの本を読ませていただいた時に、終わりではあるけども、今まで同様、生き続けてはいくのだなと。作品が生き続けてくれるような気がしてうれしかったです。
小清水:わたしも今回、新しい未来を見せていただきました。この形はすごく好きです。風花ちゃんとしてのアネモネが辿ってきた道というのも、ちゃんと育ててもらったという意味ではテレビシリーズとは大きく違う育ちではあって、ある種、幸せな要素が多いのかなと。そう思いながらも、すごく苦しいことや辛いことが多くて。でもそれを超え、まさかの未来が待っているとは思っていなかったのでわたしは好きです(笑)。
●最後になりますが、改めてファンの方たちへ一言お願いいたします!
小清水:いろいろな成長やポジションなどがあり、変わってきたエウレカ、アネモネ、そしてほかのキャラクターたちの関係性やどういう思考なのか、そういうところもひとつの見どころなので、このカタチもきっちり見守っていただければうれしいなと思います。若い世代、初めて観る方は新鮮に観ていただければと思っております。
名塚:今までエウレカは守ってもらったり、自分がこうなりたい、自分が幸せになりたい、助かりたい、救ってもらいたいという気持ちが強かったと思うのですが、その彼女が少女と出会うことによって、自分の幸せというよりも、これから先の幸せを願うようになっていくという想いがすごく込められた作品なのかなと思っています。わたしたち自身も20歳くらいからこのシリーズに携わらせてもらって、その当時は大人の方たちに支えてもらいながら歩んでいたのですが、わたしも実生活で母親になったこともあって、これから先は後世に残していくと言うと大げさかもしれないのですが、これからの未来を担っていく子どもたちに何を残したいか、どんなことを伝えていきたいかが作品に込められていると思うので、そういうものをみなさんに届けられたらいうれしいなと思っています。
■ストーリー
エウレカが作り上げたスカブコーラル(珊瑚状の情報生命体)の中の仮想世界。その崩壊とともに、仮想世界の人々がこの地に姿を現して10年が経過した。この“大融合”の結果、仮想世界の人類は「グリーンアース」を、旧来の地球人類は「ブルーアース」を名乗り、水面下でさまざまな衝突を繰り返すことになった。そしてグリーンアース軍の高官デューイ・ノヴァクは、自分たちの尊厳を守るため、仲間とともに決起し、大規模なテロ計画をついに実行へと移す。
混乱の元凶として世界中から憎まれるエウレカは、国連の独立師団無任所部隊A.C.I.D.(アシッド)の上級戦闘員となっていた。
この世界を平和に保つために生きる。それがエウレカの選んだ贖罪の道だった。そんなエウレカに、スカブコーラルを操る能力を持つ新たな“EUREKA”、少女アイリスを保護する命令が下る。最初は対立するばかりだった2人は、孤独な逃避行を通じて、次第に互いのことを理解していく。やがて世界が危機に直面した時、エウレカは極限まで自らの力を振り絞って戦う。
「アイリスとこの世界を守りたい」。エウレカの願いの果てに待つ未来とは――
『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
全国公開中
配給:ショウゲート
(C) 2021 BONES/Project EUREKA MOVIE
(執筆者: ときたたかし)
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