豊田裕大「みんな何かしらを背負って生きている。それが伝わればいいなと思いました」 初主演映画『レッドブリッジ』『レッドブリッジ ビギニング』に込めた想い
ガジェット通信 / 2022年6月15日 14時0分
若手俳優の豊田裕大さんが、映画初主演となった『レッドブリッジ』『レッドブリッジ ビギニング』で、無軌道な少年院上がりの不良少年たちのひとり、今西大輝役を熱演しています。不良少年たちの“等身大”を描いた青春活劇映画『レッドブリッジ』、そして不良少年4人の少年院での出会いと『レッドブリッジ』へと続く因縁を描いた前日談『レッドブリッジ ビギニング』の2作連続公開ですが、不良少年たちの“等身大”の姿には、いろいろな意味が込められているそう。お話をうかがいました。
■公式サイト:https://redbridge-movie.com/index.html [リンク]
●本作が初主演映画となりましたが、決まった時はいかがでしたか?
うれしかった気持ちももちろんあるのですが、責任を感じるほうが大きかったです。主演は作品や現場を引っ張っていく存在だと僕は認識していたので、映画自体をちゃんと引っ張れるのか不安はありました。
●実際どうでしたか?
引っ張っていこうという意識よりも、みんなで作り上げたいという気持ちのほうが強かったです。なので現場ではみんなで話し合いながら撮影をしていきました。ただ、その場にしっかりいようという気持ちを忘れずに臨みました。
●4人で行動する物語なので、全員のきずなも深まりそうですよね。
そうですね。みんなで話し合う度に、この関係性が映画に反映されればいいなとは思っていました。僕自身、完成した映画を観た時、最初に感動、感謝の気持ちが沸き上がりました。個人的には目の芝居を目標としていたので、それを褒めていただけたことは、嬉しかったです。
●目のお芝居?
人間の想いは行動に出ますが、目にも大きく出ると思っていて。今回は不良少年で、めちゃくちゃ強い役柄だったので、カリスマ性が必要だと思ったんです。なので、それをできるだけ表現するためには、目の力が大事だなと思ったんです。
●今回は『レッドブリッジ』『レッドブリッジ ビギニング』と、2作異例の同時公開となりましたが、撮影時も作品の連続性は意識しましたか?
2作品とも物語上の時間差はそれほどなかったので、連続性はそこまで意識しなかったです。4人の関係性については何度も考えましたが、長い時間一緒にいたので、自然と信頼関係も築いていけました。
●青春ストーリーの側面も濃いですが、ドラマ性についての感想は?
誰でも彼らのようになっていた可能性があると思うんですよね。たまたま大輝の家庭環境が複雑で、たまたまけんかが強くて、そういう偶然が積み重なっただけのような気がするんです。なので単に少年院に入って落ちこぼれたということだけではなくて、みんな何かしらを背負って生きている。それが伝わればいいなと思いましたし、伝えたいことだなと思いました。
●確かに大輝はワルですが、正義感は強いですからね。単純なキャラクターではないですよね。
そうなんです。別の視点で物事を捉えてみてみようという想いが、物語を大きくみた時にあるような気がしたんです。表面的には大輝が暴れたり、ドラッグをしたり悪いことをしているのですが、僕はそういうことも伝わればいいなと思っていました。
●もともとお芝居の世界にあこがれがあったのですか?
はい、興味はありました。でも、始めてみてわかったのですが、自分がいいなと思っている表現は、簡単ではないなと。自分ではない人生を生きるというところで、俳優って自分を客観的に見なくてはいけない仕事だなと思います。なので、自分自身の幅をもっと広げないといけないと思いました。
●俳優として技術を磨くことは楽しいですか? それとも大変?
まだ…楽しいです(笑)。バスケットボールの選手を目指していた時は、最後のほうは苦しくて苦しくて仕方がなかったのですが、いつかそのフェーズが来るような気もしています。でも、そういうものと戦うというか、それも必要なことだと思うんです。何かを極めていく過程には、絶対あるじゃないですか。なので、怖さもあります。楽しいという気持ちを忘れたくない。自分が楽しいという気持ちでやっている、フラットな気持ちでいたいんです。誰かに媚びるとか、誰かにやらされているわけではなく、それでちゃんと仕事が出来ている状態が理想です。
●目標はありますか?
たとえば出演した作品が名作と呼ばれ、それが何十年も語り継がれる作品になっていれば、それは役者をやっていてよかったなと思うことのひとつになるのかなと思います。周りを信じて、自分を信じて、楽しみながら続けていきたいです。
●今日はありがとうございました!
■ストーリー
『レッドブリッジ』
少年院生活を終え地元茨城に帰ってきた今西大輝が、少年院で同部屋だった小日向健の危機を聞き、同じく少年院で出会った仲間の坂口海斗、巻龍一と共に健を救うために行く先々でトラブルを引き起こしながら、奪った車で東京へと向かう。金がない、学もない、女もいない。何も持たない若者たちの旅路の行方は!?
『レッドブリッジ ビギニング』
孤児院育ちの今西大輝は違法ドラッグ所持で現行犯逮捕され、少年院に収容される。同室になった巻龍一、小日向健、そして問題を起こし懲罰房から戻ってきた坂口海斗と時に衝突しながらも次第に深い絆が生まれていく。ワルだが正義感の強い大輝達は、院内でのいじめを止めたことがきっかけで、少年院のボス格である堀口亮太、そして半グレで人を殺したという噂のある鮫島アツシと対立を深めていく。
公開中
(執筆者: ときたたかし)
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