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『リトルナイトメア』開発元新作『REANIMAL』は量より質を重視―ブースの感触から過去作との差別化まで訊いた開発者インタビュー【TGS2024】

Game*Spark / 2024年9月29日 15時59分

『リトルナイトメア』シリーズは、日本でも大きな人気を集める作品です。その1作目と2作目を開発したスタジオが新作『REANIMAL』を発表したということで、国内外のゲーマーから多大な注目を集めています。


本記事では、本作の開発元であるTarsier Studios所属のデイビッド・メルヴィック氏へのインタビューの模様をお届け。東京ゲームショウ2024の感触や、『リトルナイトメア』について思うことまでいろいろ訊いてみました。



『REANIMAL』という意味深なタイトルに込められた意味とは


――自己紹介をお願いします。


デイビッド・メルヴィック(以下、メルヴィック)デイビッド・メルヴィックです。Tarsier Studiosでナラティブディレクターをしています。


――『REANIMAL』は、Tarsier Studiosとして新たな一歩となる作品だと思います。試遊の列もかなり長蛇となっていましたが、今の心境をお聞かせください。


メルヴィックすごく嬉しい気分です。東京ゲームショウのブースも素晴らしく、試遊やトレイラーを楽しむために多くの人が列を作ってくれているのも最高に嬉しいです。我々のスタッフの多くは日本のアニメや漫画、ジブリ映画などが大好きで、『REANIMAL』をはじめとした作品にも影響を与えています。日本の方々が本作を気に入ってくれるのは、とても意義のあることです。


――本作がgamescom Opening Night Liveで初発表されたときの反響はいかがでしたか。


メルヴィックたくさんのポジティブな反応をいただいています。発表時は実際にgamescomの現地にいたのですが、観客から非常に良い反応が聞こえてきました。


オンラインでの反響も素晴らしいものであり、多くの人がTarsier Studiosの新作を心待ちにしていることを改めて実感しました。我々の新作を世に送り出してどれほど人々を怖がらせることができるか、今から非常に楽しみにしています。


――THQ Nordicさんとは初めてパートナーを組むと思いますが、そちらの感触はいかがでしょう。


メルヴィック本当に素晴らしいパートナーです。我々がパートナーに望むことはただ一つ、「自分らしくさせてくれること」であり、得意なことをやめさせたり邪魔されるのは好きではありません。THQ Nordicは我々を理解してくれているので、とても感謝しています。


今回のブースデザインも我々が依頼したのですが、とても素晴らしい出来になっていて、素晴らしい仕事をしてくれています。


――『REANIMAL』という意味深なタイトルにはどういった意味を込めているのでしょうか。


メルヴィック人々に多くの疑問符を抱かせるようなタイトルを付けたいと思っていたため、『REANIMAL』という造語を採用しました。トレーラーをご覧になった方は「動物」がゲームの中で重要な役割を果たすことは予想できると思いますし、この作品のアイデアが「reanimation(再生)」したものであるという我々にとって非常に重要な意味も持っています。


そのほかにもさまざまな意味が込めてあるので実際にプレイしてみて考察してみてほしいですが、我々の側から詳しく解説することは決してないでしょう。


――物語ではどういったテーマが描かれますか。


メルヴィック孤児の兄妹があるとき海で遭難してしまい、バラバラになるところからゲームが始まります。彼らがたどり着いたのは故郷の島だったのですが、昔の面影はまったくなく、最悪な状態。地獄と化した故郷をめぐり、友人たちの発見と救出を試みて、脱出を目指すという話です。


攻略していく過程で、かつて子供たちに何が起こったのかが少しずつ明らかになり、島が悲惨な状況になった理由も少し説明されます。


量より質!Tarsier Studiosのゲームへのこだわり


――リリース日は未定ですが、開発の進み具合はいかほどでしょうか。


メルヴィック今は開発の真っ只中ですが、完成に近づきつつあります。具体的なリリース日は決まっていませんが、順調に進んでいますよ。


――ゲーム開発におけるこだわりを教えてください。


メルヴィック我々は、量より質を重視しています。100時間遊べるゲームを作るよりも、細部までこだわった10時間の作品を出して、常に楽しく遊べるゲームを作りたいのです。プレイヤーには、ゲームを終えるころに「もうお腹いっぱい」というより、「もっと遊びたい」と思ってもらいたいのですが、こう思ってもらうにはゲームのあらゆる要素を丁寧に作り込むことが重要だと思っています。


――ビジュアルやホラー表現へのこだわりはいかがでしょうか。


メルヴィック我々は、ビジュアルについては本当にうるさいですよ。それこそが、Tarsier Studiosなりのアプローチですから。我々は常にとても印象的なシーンを作りたいと思っていて、エネルギーに満ちたコンセプトアートスケッチを描き、そこから発展させていきます。モンスターはすべて自然界・動物界からインスピレーションを受けています。


なお、過度な暴力描写やグロテスク表現にはあまり興味がありません。なぜなら、それは「ホラー」とは言えないからです。雰囲気と緊張を徐々に高めていき、盛り上がりが最高潮になったところでモンスターを登場させる。そして、時折予想外なイベントを追加する。そうすることで、アドレナリンのレベルを高めることができます。


プレイヤーの感情は常に揺れ動かしたいですし、長い間緊張感を感じてもらいたいと考えています。ただ、あまりにも長く恐ろしい状態が続くと、逆に恐怖を感じなくなってしまいます。そこで、しっかり演出づけた怖いものをぶつけて、プレイヤーをハラハラ・ドキドキさせ続けるのが重要です。


『リトルナイトメア』について思うこと


――Tarsier Studiosといえば、やはり『リトルナイトメア』でファンになった人が多いと思います。過去作と差別化した点はあるのでしょうか。


メルヴィック意識的に『リトルナイトメア』と違うものを作ろうとはしていません。我々は自分に正直にゲームを作っているので、アートスタイルやストーリーテリング、ゲームプレイなどは類似点があるでしょう。


ただ、作品で描きたいコアの部分は違いを感じられると思います。『リトルナイトメア』は子供の視点というコアに基づいていましたが、本作は暴力的な世界で一緒に恐怖を味わうというものがコアになっています。ビジュアルにおいても、かわいらしさの感じられるスタイルから、より暴力的な性質を反映する方向へと発展しています。


画像は『リトルナイトメア3』のもの

――『リトルナイトメア』はTarsier Studiosが作り上げたシリーズだと思いますが、3作目は別のスタジオが開発しています。これについてはどう感じていますか。


メルヴィック我々は誰よりも『リトルナイトメア3』がどんなものになるか楽しみにしていると思います。これまで自分で管理していたものを他の人が管理するようになるのは、自分の子供が学校に通い始めるような感覚で、すごくワクワクしています。我々のクリエイティブにとっては、同じことばかり長く続けないのが重要でした。


『リトルナイトメア3』開発元のSupermassive Gamesとは以前共に仕事をしたことがありとても楽しみですが、完成するまではどんなものか見ないようにしています。かつて、『リトルビッグプラネット』PS Vita版を担当したことがありますが、オリジナル版開発元のメディアモレキュールも同じことを言っていました。


――最後に、日本のゲーマーに向けてメッセージをお願いします。


メルヴィック素晴らしい都市である東京に来ることができてとても興奮しています。完成した暁には、ファンの皆さんに楽しんでいただけることを心から願っています。これからもまだまだお見せするものがたくさんあるので、ぜひご注目ください。


――ありがとうございました。




『REANIMAL』は、PC/PS5/Xbox Series X|S向けに発売予定です。

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