[MOM1090]三菱養和SCユースMF相馬勇紀(3年)_進化を遂げた赤い韋駄天

ゲキサカ / 2014年8月2日 3時11分

[MOM1090]三菱養和SCユースMF相馬勇紀(3年)_進化を遂げた赤い韋駄天

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.1 日本クラブユース選手権準決勝 札幌U-18 0-3 三菱養和SCユース 三ツ沢陸]

 見事な先制点だった。相手のCKからクロスバー直撃のヘディングシュートを打たれた直後のカウンター。ピッチ中央付近でボールを受けた三菱養和SCユースMF相馬勇紀が左サイドへとドリブルすると、カバーに来た相手とのマッチアップで縦に抜き去り、左足でシュートを決めた。「セットプレーのときは、一番前で残らせてもらっている。みんなが守ってくれていたので、あれは絶対に決めなくちゃいけないと思って行った」という一撃は、チームに勢いを与えた。

 相馬は三菱養和が誇る快足アタッカーだ。元々、スピードには絶対の自信を誇る。今季は右のワイドに位置することが多く、ロングパスやサイドチェンジを受けて、一気に攻撃をスピードアップさせる役目を主に担っている。どのチームも、相馬の速さは知っている。だが、ときには「速いだけ」という辛い評価も受けてきた。しかし、相馬はコツコツと自己改善の努力を続けていた。

 山本信夫監督は、先制点の場面を振り返って「(切り返して)右に行くかと思った。最近はパスでもドリブルでも中に行けるようになっている。今までは右で縦に行くだけだった。プレーに幅が出てきた」と話した。一方で、相馬は「縦が警戒されるようになっているけど、それでも縦に行く感覚も身についてきている」と語っており、突破のバリエーションが増えていることがうかがえる。その結果として「以前より余裕を持ってプレーできるようになっている。最近は、プレーの使い分けができるようになって、相手のカバーの位置まで見えるように少しずつはなっているかなと思う」(相馬)と自信を深めている。

 そして、本来は苦手な分野の強化にも着手。163cmと小柄な体だが、跳躍力を生かしたヘディングの強さを発揮した。後半16分には左から椿健太郎が上げたクロスを相手に競り勝ってヘッドでたたき、惜しいシーンを作り出した。相馬は「プレミアリーグEASTの序盤で勝てない試合が続いて、チームでセカンドボールを拾えるようにしようという話になった。僕も(空中戦でも)競り負けていてはいけないと思ったし、ヘディングで負けるのが悔しくて、練習した。ペンデル(吊るしたボールを打つ練習)を少しずつやって、最近は自信がついてきた。跳躍力には自信があるし、ジャンプ力とタイミングで勝つ自信が今はある」と胸を張った。

 ドリブルでは縦にも中にも仕掛けられるようになり、空中戦の強さも増した。プレーの選択肢に幅が出てきた相馬が目に捉えているのは、現在の大会名称になってからは初となる街クラブの優勝だ。相馬は昨年、東京国体で全国優勝を経験しているが、幼い頃から育ってきた三菱養和で日本一になりたいという気持ちを強く持っている。「勝てば、街クラブでもJクラブに勝てることを証明できる。しかも、相手は同じ東京のチーム。Jに入らなくても自分たちが努力すればできるんだということを、街クラブの代表として勝って証明したい」という目標の達成まであと1勝。進化する赤い韋駄天が最後の獲物を狙う。

(取材・文 平野貴也)▼関連リンク
【特設ページ】第38回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング