存在感増す22歳のルーキー、広島FW皆川「もっと頼られる存在に」
ゲキサカ / 2014年8月16日 23時50分
[8.16 J1第20節 浦和1-0広島 埼スタ]
その存在感はチーム内で増してきている。前節鳥栖戦で今季自身2点目となる決勝ゴールを叩き込んだサンフレッチェ広島のFW皆川佑介は、0-1と1点のビハインドを背負った後半14分にピッチに送り込まれた。森保一監督から「前線で基準点になって、最後はお前が決めてこい」という期待に応えるように――。
1トップの位置に入った皆川の背後には常にDF永田充が張り付いていた。「相手がマンツーマンだったので、個のレベルが大事になってくると思いました。ベンチから試合の流れを見ていて、自分が入ったときにそこで基準点になれればチームが楽になると思っていました」と語ったように前線でパスを引き出して基準点になろうと試みたが、永田に激しく体を寄せられて思ったようにプレーできない。
それでも「普段の練習から意識していることだし、(柴崎)晃誠さんが良い走りをしてくれました」と語る後半アディショナルタイムのプレーでは、永田を引き連れながらも後方から送られたパスをヒールで流し、走り込んだMF柴崎晃誠の決定機を演出。惜しくもシュートはGK西川周作にキャッチされて同点ゴールとはいかなかったが、自分の役割を果たそうと奮闘した。
前橋育英高から中央大に進学し、今季から広島に加入したルーキーは第15節大宮戦でJデビューを飾ると、翌節の柏戦でJ初ゴールをマーク。その後は途中出場ながらも毎試合のようにピッチに送り込まれているように、チームに欠かせないピースの一つとなっている。そんなルーキーを森保監督も「前線の基準点となり、守備も献身的にこなして攻守に渡ってチームに貢献できる存在として、チームにフィットしてきている」と評価する。
しかし、皆川本人は「手応えはありますが、まだいっぱいいっぱいです。今は自分はベンチスタートなので、フレッシュな状態で試合に出たときにはチームをもっと勢い付けないといけません」と反省を口にした。
だが、下を向くわけではない。「僕がボールを収められるようなパスがどんどん出てくるので、そこでしっかりと収めてチームの勝利に貢献できるような動きがしたいし、もっと頼られる存在になりたい。練習と試合では雰囲気や感覚も全然違うので、もっと試合に絡んでタイミングや関係性を高めることができれば、自分でももっともっと良くなると思います」。22歳のルーキーは試合に出続けていろいろなものを吸収しながら、さらなる成長を遂げようとしている。
(取材・文 折戸岳彦)
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